小林秀雄を超えて
ドストエフスキーについての著作もある小林秀雄については、
ここ最近は柄谷行人や中上健次の権威に対する、
それを乗り越えていこうとする活動の中で、
不当に評価を下げる結果となっているような気がします。
実際のところ、評論の世界ではまだまだ小林秀雄を
超える存在は現れていないと言っても過言ではないでしょう。
とにかく日本の近代小説に対する同時代の批評としては
格段にレベルが高く、今現在読んでみても
充分楽しめる作品群を残してくれている作家です。
そんな偉大な評論家の手によるドストエフスキー論という
とても興味の尽きない1冊を紹介したいと思います。
文庫本で読んでもいいのですが、解説などが充実している
ということから、同時代の作品や評論をあまり読んでいない
という人には『全作品』の『ドストエフスキイの生活』のほうが
楽しめると思います。
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