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2007年3月 9日 (金)

もう一人の文豪・森鷗外

夏目漱石と並び称されることが多いにもかかわらず、

誰もが好きになるというのではないのが森鷗外という作家の

特徴といえば特徴なのだろうか。

確かに多くの有名な作品があり、評価も高いのではあるが、

夏目漱石の前期後期の各三部作に比べると

やはり今ひとつの感じは否めないものがある。

しかし、自分の興味関心に上手くはまれば、

これほど技巧的にも優れた大作家はなかなか見出しがたいのも事実で、

今回は特に読んでもらいたい鷗外の作品を文庫で集めてみました。

とくに安楽死の問題を扱った「高瀬舟」は何度読んでも

傑作であるとしか言いようがないほど、質の高い小説です。

『渋江抽斎』は評価の高い小説ではあるが、

面白いと思うかどうかは、人それぞれといったところか。

「舞姫」は鷗外の経験したこととしてよりも、

ひとつの作品として楽しめればそれで充分という感じです。

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