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2007年3月 1日 (木)

ドストエフスキーの傑作『カラマーゾフの兄弟』

とても面白い小説に出会うと、早く読み進みたいと思う反面、

読み終わってしまうことが残念でならないと思うことがあるものです。

そして、このドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』という作品は

そんな思いを他のどの小説よりも強く感じさせる作品なのです。

特に作品の舞台となった時代のロシアについて何も知らなくても、

キリスト教に関する知識が一切なくても別にかまわないのです。

ただ、次から次へと展開される物語を読んでいくだけで

自然と作品世界へと引き込まれていくようにできているので、

後はただ、自分が好きなペースでその物語を追っていけば

ドストエフスキーに魅了されているはずです。

無垢な子供を礼讃する場面に感動してみるのもいいし、

宗教問答に思い悩むのもいいし、人それぞれの

『カラマーゾフの兄弟』があってもいいというくらいに

多様な読み方ができるロシア文学の最高傑作です。

とにかく一度手にしてその作品世界に触れてもらいたいと思います。

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コメント

はじめまして

「世界文学の最高峰」と評判が高いので、先日から読み始めています。光文社の古典新訳文庫(亀山郁夫訳)です。

まだ始まったばかりですが、期待しています。

投稿: チャーリー432 | 2007年4月16日 (月) 21時06分

コメントとトラックバックありがとうございます。
ブログにも(参考)として入れてくれるなんて、ありがとうございます。
光文社文庫の新訳はなかなか良いと聞いていますが、
少し手に入れにくいのが難点でもあります。
登場人物の紹介つきのしおりなんて、光文社も粋なことをしますね。
また、読後の感想などもコメントしていただけると嬉しいです。

投稿: ぶんてつ | 2007年4月17日 (火) 01時39分

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