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2007年3月 5日 (月)

必読の夏目漱石論

文豪・夏目漱石について書くという行為は、その作品世界が多様で、

それでいてどの作品も水準が高いために、書き手の作家や

評論家の力量を広く世間に知らしめるという意味で、

とても興味深いものと言えるだろう。

なので、ぜひお気に入りの作家や評論家がいる人は、

その人が漱石論を書いていないか探してみていただきたいし、

もし書いていれば必ず読んでみてもらいたい。

私がこれまでに読んだ漱石論の中でも、特に面白かったものを

何点か紹介してみたいと思います。

これは吉本ファン待望の漱石論といったところでしょうか。

読みやすい内容で、それでいて吉本隆明がどのように

漱石を捉えていたのかが、大体は理解できるというものです。

他には対談集を参考にすると、より吉本隆明の漱石理解に

ついて詳しく分かります。

柄谷行人がデビュー当時からこだわり続けた漱石について

まとめられています。ある意味で柄谷の文学理解のエッセンスが

ここに全て詰まっていると言えるでしょう。

江藤淳には他にも漱石関連の作品があり、どれも面白く読めます。

後は少し手に入りにくいものでは、大岡昇平の『小説家夏目漱石』、

蓮実重彦の『夏目漱石論』などがお薦めです。

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