ソルジェニーツインのロシア
ソビエト連崩壊後の民族的アイデンティティーが希薄になったロシアにあって、
ソルジェニーツィンほどロシアの民族性を信じている作家はいないのではないだろうか。
その著作の中でもロシアの混迷を政治、経済、社会、民族、宗教などの分野で分析し、
そこからいかにして脱出するのかを常に提言している。
ソビエト連邦時代に国外へ追放された反体制作家らしい物言いは
ときとして現実から乖離しているようにも聞こえるが、
現在の改革政治の本質をついているようにみえる。
また、小説家としての力量は代表作の『収容所群島』を読んでいただければ
一目瞭然だが、私の個人的な好みで言わせてもらえれば、
『ガン病棟』が最もすばらしい作品であるように思う。
ただ、これらの作品は手に入れるのが少し難しいかもしれないので、
ここでは最も手に入りやすいものとして次のものを紹介してみたい。
次回は、小林秀雄の作品について書いてみたいと思いますので、
よろしくお願いします。
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