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2007年3月 4日 (日)

夏目漱石の『こころ』の謎

『こころ』という作品は、学校の教科書にも以前は必ず

といっていいほど採用されていた夏目漱石の代表作ではあるが、

この作品の主題を本当に突き詰めて理解できる人は

実はあまり多くはいないような気がする。

なぜなら、この作品の最大のテーマが「死」を巡るもので

あるにもかかわらず、結局のところ、どうして死に至るのか

ということは記述されているようでいて、本当のところは

なかなか読み取れないのである。

それは学生のときに読んだから読み取れなかった

というのではなく、学生の多感な時期だから、

何となく「死」という問題に惹きつけられ、理解できたような

気になるだけで、では本当の死の理由といわれると、

返答に困るのが、この作品の実は正しい理解なのかもしれない。

大人になってから読む『こころ』は、実に難解で、

それでいて結論は「死にたかったから死んだのでは?」という、

あまりにも単純な、とても底が知れない混沌とした暗闇を

覗き込んでしまったような、そんな思いにさせられてしまう。

人間とはそれほどまでに無規定なものなのだろうかと

寝られなくなったら、漱石の別の作品も読んでみてください。

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