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2007年3月25日 (日)

早過ぎた死を悼む中上健次論

近年の作家の死で最も衝撃を受けたのがやはり

中上健次のそれであった。

まだ死ぬには若すぎるということはもちろんのこと、

それ以上に中上が死ぬなんて想像もできないほど、

私にとって中上健次という作家はエネルギッシュで、

生の力にあふれた存在であったのだ。

それほど大きな存在感を示していた作家の死を前にして、

多くの作家や批評家がすばやく中上健次論を上梓した。

その中でも絶対にはずすことができないものといえば、

やはり盟友の柄谷行人の手によるものであろう。

生前はどちらがどちらを巻添えにしているのか分からないような

つながりを見せていた2人ではあったが、

そのある種独特な緊張関係を知るものにとっては

興味の尽きない作家論となっている。

他の2作品もそれぞれの評者なりの中上健次観があり

早すぎる死を悼むには格好の作品であるように思う。

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