江藤淳の生き方と夏目漱石
「心身の不自由は進み、病苦は堪え難し」という一文を書き残し、
文芸評論家の江藤淳は自からの死を選んでしまった。
その前年に最愛の妻を失い、自らも軽い脳梗塞で入院するなど、
心身ともに疲れ果てていたと思われるが、その死に対しては
多くの人がさまざまな意見を述べていたと記憶している。
江藤淳といえばその漱石研究が有名であるが、
そこから何を学び、どのように自分の生き方に反映させたのだろうか。
そのようなことを思いながら、再び江藤淳の労作を手にしてみると、
それまでと違った顔をした文芸評論家がそこにいるように思える。
江藤淳が大江健三郎と仲違いして以降、その作品から
少し遠ざかっていたが、また読み返してみたいと最近思うのである。
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