ソシュール理解になくてはならない丸山圭三郎
翻訳の問題やソシュールそのものの難解さに対して、
懇切丁寧な解説を施し、日本のソシュール理解を
より確かなものとしてくれたのは、やはり丸山圭三郎の
作品群であると思います。丸山圭三郎の仕事がなかったとしたら、
その後の現代思想の日本への流入はもっと違った形に
なってしまっていたと思うし、もっと多くの人が
現代思想の難解さの前に立ち尽くすことになってしまったと思える。
現代思想のほとんどがソシュールの言語学からその力を
得ていることを考えるとき、ソシュール理解の適切さは
絶対に欠かせないものであることはあまりにも明らかである。
日本の読書人は丸山圭三郎の作品があることを感謝しつつ、
ソシュールの世界に挑戦してみていただきたい。
丸山圭三郎のみに偏ることを懸念する人もいるかもしれないので、
日本人以外のソシュール解説書も紹介しておきます。
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