フッサール現象学の新たなる継承者としてのデリダ
デリダはフッサールを読むことによって、読むこととは何か、
書くこととは何かを根底的に考え直そうとした思想家である。
そしてフッサールの『論理学研究』の緻密な読解を通して、
現象学的批判という方法が形而上学的な企てそのものだ
ということを白日の下に曝け出すのである。
また、そのあまりにも困難な作業の中から、
「脱構築」や「差延」そして「エクリチュール」といった様々な
考え方が導き出されてくるのだが、その過程はその後の
脱構築ブームにあまりよい印象を持たない者にとっても、
とても興味深いところではないだろうか。
デリダを楽しめるかどうかの分かれ道は、
この脱構築を楽しめるかどうかということでもあるが、
何人もの人にやられると少しうんざりだが、
本家のデリダのものくらいは一度味わっておく価値は
あると思うのだが、皆さんにはどうだろうか。
| 固定リンク
「思想・哲学」カテゴリの記事
- 向井雅明さんの『ラカン対ラカン』を読んでみた(2011.09.10)
- 内田樹(ウチダタツル)さんの『日本辺境論』を読んでみた(2011.04.02)
- 東浩紀さんの『存在論的、郵便的 ジャック・デリダについて』を読んでみた(2010.12.27)
- 柄谷行人『隠喩と建築』(2009.07.05)
- 法と倫理の領域に踏み込むハーバーマス(2007.05.29)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント