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2007年5月19日 (土)

集合的無意識を発見したカール・グスタフ・ユング

人間の心にはフロイトが言う個人的な無意識だけではなく、

人類に共通の「集合的無意識」があるというのが、

カール・グスタフ・ユングの発見であり、その集合的無意識の

パターンとして「元型」ということが強調されている。

例えばユングの代表的な作品である『変容の象徴』では、

サブタイトルにもあるように精神分裂病を発症する前に

書かれた女性の日記をもとに、世界の神話的素材を駆使して

心の病理を解き明かしていく構成に一応はなっている。

しかし、ユング自身が精神分裂病になってしまったのかと

本気で疑われるほどに話は次々に展開していき、

日記に出てくる空想や夢や詩などを、世界の様々な

神話や芸術や宗教等の素材を織り交ぜることにより、

誰の心の中にも集合的無意識があることを

私たちに示してくれるやり方は、魅力的である一方で、

少しついて行けない感じを与えるのも事実である。

ただ、オカルト的なところもあるユングの諸作品ではあるが、

そういったものが好きな人はもちろんのこと、

そういってものに少し抵抗がある私のようなものも

一度は迷ってみるべき迷宮であるのかもしれません。

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