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2007年5月22日 (火)

現象学から精神医学への道筋をつけたビンスワンガー

ビンスワンガーはスイスのクロイツリンゲンに生まれ、

精神医学の分野ではボンヘッファーやブロイラー、ユング、

そしてフロイトの影響を受けたと言われている。

『精神分裂病』ではハイデッガーの理論に基礎をおいた

現存在分析の方法で、分裂病者の世界を分析したのに対し、

『うつ病と躁病』ではフッサールの先験的現象学にまで

さかのぼって、うつ病と躁病者の世界を分析しようと

している。そして、ビンスワンガーはこの作品によって

フッサール現象学が精神医学においても有効であることを

明確にしている。また、『夢と実存』にはすでに紹介した

ミシェル・フーコーが本文の倍にも及ぶ序論を書いている

ことでも分かるとおり、やはりビンスワンガーも現代の

思索家に影響を与えうるほどに重要な精神医学者で

あったということであろう。

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