純情な批評精神の持ち主・坂口安吾
坂口安吾は1906年10月20日に新潟県に生まれた。
純文学だけにとどまらず、推理小説や歴史小説、
あるいは卓抜な批評精神を見せたエッセイなど、
多くの分野でその才能を発揮し、幅広く活動した。
終戦後に発表した『堕落論』などの作品により
無頼派の中心的作家として人気を集めた。
作品の中心は観念的な虚構の世界を描いたものであり、
私小説とは縁遠い存在ではあったが、
自伝的作品も残しており、「二十七歳」「三十歳」では
女流作家であった矢田津世子との恋愛について綴っており、
その純情ぶりには微笑ましいものさえ感じてしまう。
代表作は『白痴』『桜の森の満開の下』『信長』 など。
エッセイでは『堕落論』『日本文化私観』『教祖の文学』など。
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