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2007年6月 3日 (日)

私小説の方向性に影響を与えた田山花袋

日本自然主義文学の代表作として知られる田山花袋の『蒲団』は

その後の私小説の方向性に多大なる影響を与えた作品でもある。

『蒲団』は家庭を持ち、世間に名を知られてもいる中年の作家の

若い女性の弟子への恋情を赤裸々に描写することにより、

作者自身の自己体験の暴露として文壇に衝撃を与えもした。

そして、そのような自然主義文学の実体験を醜く暴露するだけの

作品に対して、愛や理想の名のもとに人間の道に外れない

作品を創作していこうという運動が生まれ、反自然主義の

3派(耽美派・白樺派・理知派)が形成されていった。

また、田山花袋は『田舎教師』という作品により、

平面描写論を確立したとも言われている。

田山花袋の作品は文学史的に重要だということは

多くの人に知られていると思うが、あまり読まれていない

であろうこともまた事実であり、ぜひ明治時代の先駆性に

実際に目を通していただきたいと思うので、

ここにその作品を紹介しておきたいと思います。

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