東野圭吾『容疑者Xの献身』
東野圭吾作品を初めて手にしたのがこの作品。
数学のことが取り上げられているということで、
数学好きの自分としては推理小説にどのように
取り入れられているか興味があって購読。
結果は、数学の扱いには不満があったものの
小説の面白さという点では大満足。
後にこの作品で直木賞を受賞することにもなるのだが、
この作家の他の作品も読んでみたいと思わせる
いい出来栄えの作品でした。
トリックに対して倫理的な批判がありえることは
充分に想定されることではあるけれど、
この作品がなければそのようなことが現実に
起こりえないかというと否という以外にない。
現実は小説より過激で過酷な世界になってしまっているのは
疑いようもない事実なわけで、
このトリックを模倣する犯人が出てきたとしても
以外に簡単につかまってしまうに違いない。
科学の世界ではそれが実現可能だと知れるだけで、
再現してしまう者が現れるのは周知のことだが、
犯罪はそのようにやれば何とかなるかもと知ったところで
再現できるものではないところが人間のいいところなのです。
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