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2010年8月30日 (月)

勝間和代さんの『決算書の暗号を解け! 』を読んでみた

勝間さんの『決算書の暗号を解け! ダメ株を見破る投資のルール』を読んでみた

 (5つが最高)

やはり勝間さんは会計の分野の本で一番力を発揮する。

特に物事の全体を捉えるための枝葉を切り捨てた解説は

初心者がフレームワークを認識するには最適だと思う。

ただ、それがある程度知識のある人からは

例外もあり正しい記述ではないと指摘される点でもある。

しかし、本の体裁やタイトルからして、

この本のみで決算書の細部まで理解させ

細かな会計の規則を身に付けてもらうことを

意図していないことは明らかだ。

本当にそのような知識を必要とする人は

もっと別の本を手に取るだろう。

そして、ここでの評価も会計初心者の私にとって

知りたいことが書かれていたか、ためになったかで

評価をさせてもらっているので、高い評価とした。
(ただし、私は初心者だが用語はある程度理解している)

まず、勝間さんがこの本の中で繰り返している主張は

決算書を読むときにもっとも大切なのは、

損益計算書と貸借対照表とキャッシュフロー計算書を

3つ合わせて見ることというもの。

私のように古くから決算書を見ている者からすると

一番キャッシュフロー計算書の見方がわからない。

ましてや損益計算書や貸借対照表などと組み合わせて

どこを中心に見ていくといいのかは更にわからない。

それをアナリスト目線、会計士目線、投資家目線と

3つの視点から捉えていく構成は興味深く

はっきりとした立ち位置からの説明で参考になる。

もちろん長年の株式投資経験から決算書の

数字がいかに信用のおけないものであるかは

勝間さんに指摘されるまでもなく百も承知の上である。

それでもやはり株式投資に際して

ファンダメンタルとチャート(テクニカル)を

組み合わせて利益を上げようとするなら

まずその会社の財務状況を調べておきたい。

正直なところこの本だけで利益を上げられる

ようになるわけではないが、ここを取っ掛かりに

徐々に専門的なものを読み込んで

最後はバフェット流の銘柄選別をしていけば

企業の財務分析としては充分だと思う。

そして会計初心者の決算書を見る手引きとしても

ここから始めることで得られる知識は多いはず。

わかりやすさからすると、かなりお買い得の1冊。

【目次】(「BOOK」データベースより)
第1章 会計利益を信じてはいけない!
第2章 財務諸表はこう読み解く
第3章 インチキ利益を見抜くための下準備
第4章 アナリスト目線で全体のイメージをつかむ
第5章 会計士目線で財務諸表を読みこなす
第6章 投資家目線で判断する

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