山本浩司さんの『美人司法書士の事件簿 相続殺人編』を読んでみた
山本さんの『美人司法書士の事件簿 相続殺人編』を読んでみた
(5つが最高)
自らも司法書士であり御茶ノ水で司法書士の
受験対策講座の講師もしている山本さんの
相続の法律知識を織り交ぜた長編小説。
本当に細々とした法律知識を上手く織り込んでいる。
けれど、司法書士の受験対策にはならない。
なぜなら司法書士試験はもっと難しく細かいからだ。
ただ、司法書士試験の受験者でも
実務を知らない人はなかなか接する機会のない
次のような知識も豊富にちりばめられている。
課税標準価格:登記を申請する場合には、
登録免許税という税金がかかる。
その税額の計算は、所有権保存登記の場合、
課税標準価格×税率で算出するのである。
不動産価格:固定資産税は毎年1月1日の
所有者に対して課税される。
よって、それ以後に新築された建物には、
その年について、固定資産課税台帳上の
不動産価格が存在しないことになる。
(各法務局が作成した新築建物等価格認定
基準表上の1平方メートルあたりの単価に
この建物の床面積を掛け算してください。)
その他、法律とは関係ない知識も
各所に見られ、山本さんの法律書に
お世話になってきた者としては
山本さん自身を知るきっかけにもなり
とても楽しく最後まで読み通せる。
犯人探しの推理小説ではないが
細かい法律に関する知識を生かした
エンターテイメントになっている。
法律に興味のある人や司法書士に
興味のある人はぜひ読んでみるといいと思う。
【参考図書】 『相続における戸籍の見方と登記手続』(日本加除出版)
太平洋戦史 『小説太平洋戦争』全9巻(山岡荘八著 講談社文庫)
■目次
プロローグ
第1章 縁は異なもの
第2章 会者定離
第3章 有為転変
第4章 帰国した西村弁護士
第5章 消えたアリバイ崩し
第6章 外堀を埋めろ
第7章 現れた海藤俊二
第8章 天地否
第9章 羞を包む
第10章 対決の日
第11章 来訪者
エピローグ
著者雑感
![]() 美人司法書士... 価格:1,680円(税込、送料別) |
| 固定リンク
「エンターテイメント」カテゴリの記事
- 東野圭吾さんの『パラドックス13』を読んでみた(2011.01.18)
- 東野圭吾さんの『新参者』を読んでみた(2011.01.04)
- 山本浩司さんの『美人司法書士の事件簿 相続殺人編』を読んでみた(2010.09.14)
- 橘玲さんの『亜玖夢博士の経済入門』を読んでみた(2010.08.17)
- 東野圭吾『容疑者Xの献身』(2009.08.02)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント