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2010年9月14日 (火)

山本浩司さんの『美人司法書士の事件簿 相続殺人編』を読んでみた

山本さんの『美人司法書士の事件簿 相続殺人編』を読んでみた

 (5つが最高)

自らも司法書士であり御茶ノ水で司法書士の

受験対策講座の講師もしている山本さんの

相続の法律知識を織り交ぜた長編小説。

本当に細々とした法律知識を上手く織り込んでいる。

けれど、司法書士の受験対策にはならない。

なぜなら司法書士試験はもっと難しく細かいからだ。

ただ、司法書士試験の受験者でも

実務を知らない人はなかなか接する機会のない

次のような知識も豊富にちりばめられている。

課税標準価格:登記を申請する場合には、
登録免許税という税金がかかる。
その税額の計算は、所有権保存登記の場合、
課税標準価格×税率で算出するのである。

不動産価格:固定資産税は毎年1月1日の
所有者に対して課税される。
よって、それ以後に新築された建物には、
その年について、固定資産課税台帳上の
不動産価格が存在しないことになる。
(各法務局が作成した新築建物等価格認定
基準表上の1平方メートルあたりの単価に
この建物の床面積を掛け算してください。)

その他、法律とは関係ない知識も

各所に見られ、山本さんの法律書に

お世話になってきた者としては

山本さん自身を知るきっかけにもなり

とても楽しく最後まで読み通せる。

犯人探しの推理小説ではないが

細かい法律に関する知識を生かした

エンターテイメントになっている。

法律に興味のある人や司法書士に

興味のある人はぜひ読んでみるといいと思う。

【参考図書】 『相続における戸籍の見方と登記手続』(日本加除出版)
太平洋戦史 『小説太平洋戦争』全9巻(山岡荘八著 講談社文庫)

■目次
プロローグ 
第1章 縁は異なもの 
第2章 会者定離
第3章 有為転変
第4章 帰国した西村弁護士
第5章 消えたアリバイ崩し
第6章 外堀を埋めろ
第7章 現れた海藤俊二
第8章 天地否
第9章 羞を包む
第10章 対決の日
第11章 来訪者
エピローグ
著者雑感

美人司法書士...

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