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2010年10月31日 (日)

アンソニー・ロビンズさんの『一瞬で「自分の夢」を実現する法』を読んでみた

アンソニー・ロビンズさんの『一瞬で「自分の夢」を実現する法』を読んでみた

 (5つが最高)

この本は、訳者の本田健さんが冒頭に書いているとおり

ロビンズさんの前作の『一瞬で自分を変える法』の

実践編のような感じになっている。

そして、前作同様「一瞬」でできるという主張には

決断することこそが全ての始まりであり、

そのことによって全てが変えられるという意味が

とても強く込められている。

ここに書かれていることの全てが、10年後の自分のために

今何をすべきなのかという解答になっている。

とにかく今、決断することにより、より良い自分に

変わっていくためのノウハウが満載されている。

まず、永続的な変化を実現するための

「変化の三大基本原則」が紹介されている。

①「基準」を厳しくする
②ゆるがない「信念」を持つ
③「戦術」を変える

そして、やはり重要なのは、夢を実現するための

最善の戦略として、まず自分と同じ夢をすでに

実現した人を見つけて、手本にすること。

学ぶべき重要分野はとりあえず次の5つ。

①自分の「感情」を自分でコントロールすること
②体力を維持するための「健康」管理
③人間的成長と社会貢献の機会を増やす「対人関係」
④「お金」の心配に煩わされない快適な生活
⑤「時間」を味方につけるような使い方

とにかくこの本の根底にあるのは、固い決意があれば

出来ないことなど何もないという発想である。

だからこそ、「一瞬」の決断により夢が実現するという

ことを信じて前に進めるのである。

全てのノウハウに賛同できなくても、まったく関係ない。

やりたいところから、どんどんやってしまえば

やらないよりもずっと良いという発想で充分である。

この本を良い本だとする人の全てが

必ずこの本に書かれていることを全てでないにしろ

実践していることは間違いない。

【目次】(「BOOK」データベースより)
あなたは今日、最強の「レバレッジ(梃子)」を手にする!/運命を動かす「決断の法則」/「快感」が命じるところに手をつける/自分を元気にする「確信」のカラクリ/なぜ、問題が「たちどころに解決してしまう」のか/人生を自在に操る「神経連想」の法/「黄金の答え」を引き出す質問のテクニック/運命が好転する「変身ボキャブラリー」/自己改造の決め手となる「メタファー」の力/熱く生きるための「10の感情」の力/人間を大きくする「想像」力/「奇跡の十日間」メンタル・チャレンジ

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2010年10月30日 (土)

アンソニー・ロビンズさんの『一瞬で自分を変える法』を読んでみた

アンソニー・ロビンズさんの『一瞬で自分を変える法』を読んでみた

 (5つが最高)

正直なところ、この手の本をどのように

評価すればよいのか私には分からない。

『あなたを大物にする「不思議な力」』という

第1章からこの本は始まっているが、

何となく付いていけないところと

そういうこともあるだろうなというところが

交じり合っているような印象を受ける。

参考になったのは、神経言語プログラミング

というNLPについて書かれているところ。

NLPは、『言語と非言語が神経系に与える

影響に関する研究』とされており、

『人間の脳を思い通りの方向へと導くための

系統立った枠組みであり、自分が望んだとおりの

結果を出すために脳を最大限に活用するための

科学』との説明がされている。

そこでは優秀な手本を見つけて、

それを真似るという「モデリング」を重要視する。

また、自分の可能性を100%引き出すには

3つの要素が重要であるとしている。

『一つ目は、その人の「信念体系」である。
何を信じているかで、その人の人生は左右される』

『二つ目は、その人の「心のシンタクス(構文)」、
つまり「思考回路」である』

『三つ目は、「生理機能」、つまり外見や身体の動きである』

結局のところ、精神と肉体は密接に関係している。

だからこそ脳をコントロールしてしまうか、

肉体を上手く使うことによって良い状態を得よう

という発想について解説されている。

ただ、自分についてはある程度納得するが、

それを他人を見るときにまで用い、例えば、

相手の深層心理を読むための方法となると

本当にそのようなことが可能なのか疑問である。

相手の三つの感覚タイプ(視覚、聴覚、体感覚)を

上手に見極めることによって飛躍的に

相手との関係に深みを与えようという発想は

何となく理解できるが、そんなに簡単なものなのか。

どちらかというと『奇跡を起こす七つの信念』の方が

私としては信じられる気がした。

①いつも「可能性」に気持ちをフォーカスする
②「失敗」はない、あるのは「結果」のみ
③どんな結果にも潔く「責任」をとる
④細かいことより「本質」をつかむ
⑤「人材」こそが最大の資源
⑥仕事は「楽しんで」やる
⑦「努力の差」こそ「結果の差」である

【目次】(「BOOK」データベースより)
あなたを大物にする「不思議な力」/「勝利の方程式」のマスター法/自分を変える「信念強化」法/「成功者のメンタリティ」七つの法則/「一瞬にして劇的に」自分が進化する!/「やる気」が自動発火する身体のつくり方/相手の「深層心理」を鋭く読む法/カリスマが必ず持っている「三つの武器」/「戦わずして勝つ」言葉の魔力/「新基軸を打ち出す」のが上手い人/「つねに最高の自分」を引き出すプログラミング/富と成功「五つのカギ」/最後に、あなたの成功を確信する!

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2010年10月29日 (金)

小宮一慶さんの『図解キャッシュフロー経営』を読んでみた

小宮さんの『図解キャッシュフロー経営』を読んでみた

 (5つが最高)

『〈即解!〉金融のしくみ21世紀版』と一緒に購入した

1998年の本だが、こちらはとても参考になった。

ただ、私がこの分野に疎いだけで、当然古くなって

しまっている部分もあるのだろうが、前半の第5章までは

特に教えられることが多く良かった。

キャッシュフローは、3つの部分に分かれており、

「営業キャッシュフロー」はプラスが健全経営の前提、

「投資キャッシュフロー」は企業維持と発展のカナメ、

「財務キャッシュフロー」は資金繰りと株主還元を示す。

また、日米の企業比較もデータは古いが

その当時の経済状況を知っているので面白かった。

やっぱりコカコーラ恐るべしといった感じだった。

【目次】(「BOOK」データベースより)
第1章 キャッシュフロー経営の時代
第2章 キャッシュフロー計算書とは
第3章 フリーキャッシュフロー
第4章 キャッシュフローから何を見抜くか
第5章 投資におけるディスカウンテッド・キャッシュフロー(DCF)の考え方
第6章 キャッシュフロー経営の基本
第7章 キャッシュフロー経営の実務
第8章 財務キャッシュフロー改善のポイント(資金調達・運用の多様化)
第9章 キャッシュフロー経営の時代を生き抜くために

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2010年10月28日 (木)

小宮一慶さんの『〈即解!〉金融のしくみ21世紀版』を読んでみた

小宮さんの『〈即解!〉金融のしくみ21世紀版』を読んでみた

 (5つが最高)

私は気に入った作家の本に出会うと全て集めたくなる

収集癖があり、文学作品などはどれだけ古くても

良いものがあるので別に構わないのだが、

ビジネス書の場合は、この方法はあまり向いていない。

今まで小宮さんの本は、ハズレがなかったので

次から次に読んでいたが、さすがにめまぐるしく

変化している金融の世界の解説を10年ほど昔に

出版された本を読んでおさらいするのは無理があった。

たぶん発売されたときには分かりやすい

かなりの良書であったと思われるが、

現在では記述が古すぎて役に立たない点が多い。

やはりビジネス書はポイントが貯まっているからといって

いきなりネットで注文するものではないらしい。

小宮さんの本といえども、書店か図書館で現物を

チラ見してから購入するのが正解のようだ。

【目次】(「BOOK」データベースより)
第1章 金融の基本とビッグバンが即わかる
第2章 日本の金融がかかえている問題が即わかる
第3章 銀行の現状とこれからが即わかる
第4章 証券の現状とこれからが即わかる
第5章 保険の現状とこれからが即わかる
第6章 金融再編の現状とこれからが即わかる

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2010年10月27日 (水)

南緒さんの『FX革命!』を読んでみた

南緒さんの『FX革命!短期間で爆発的に儲かるハイレバレッジ投資法』を読んでみた

 (5つが最高)

この本に書かれていることは、とにかく簡単な方法で

現在、私が利用しているFXの投機の方法論です。

南緒さん自身も一時は資金3000万円を500万円に

減らしてしまった後、たった13か月で500万円を

4億8000万円にしてしまうという浮き沈みの激しい

投機の方法であることをはっきりと認めている。

儲けすぎて海外銀行にヘッドハントされたというのは、

本当であればうらやましい限りであるが、

とにかく短期間で爆発的に儲けるハイレバレッジの

投機方法を袋とじにして紹介してくれている。

詳細は実際に読んでもらうとして、要点は次のとおり。

①スワップは「オマケ」にすぎない
②資金を爆発的に増やすならデイトレ
③「売り」が出来なきゃ意味がない
④「成功者」になりきって考える
⑤「ハイレバだから危険」は見方次第で変わる
⑥スプレッドのタイトな業者を選ぶこと
⑦シストレが裁量に勝ることはない
⑧値ごろ感は命取り
⑨1日の値動きの大きいポンドが稼げる
⑩レバレッジの計算は無意味
⑪損切り!損切り!損切り!
⑫1度入れたストップは変えない
⑬デモトレは無意味
⑭トレンドを見るには「平均足」
⑮相場の行き過ぎを見るには「ボリンジャーバンド」
⑯pipsで負けても利益で勝つ
⑰目標は1日1%の利益
⑱ニュースは事後確認のみ

私はポンドではなくドル円しかやらないが、

ポンドを薦める本は意外に多い気がする。

やっぱり動きの大きさを利用することと

ドル円では介入や思惑で想定外の動きに

なりやすいのがポンドを薦める理由らしい。

私はドル円の動きでさえ充分に怖いと思うけれど

やっぱり儲けている人は値動きを求めるものらしい。

【目次】(「BOOK」データベースより)
第1章 なぜFXは嫌われるのか?
第2章 ハイレバレッジ・ライフ
第3章 「南緒トレード」常識を捨てよう!
第4章 「南緒トレード」入門編
第5章 「南緒トレード」チャートの見方
第6章 「南緒トレード」が勝ち続ける理由/「南緒トレード」特別袋とじ
第7章 君が買うなら僕は売りまくる
第8章 ド素人が「南緒トレード」に挑戦してみた!

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2010年10月26日 (火)

ロブ・ブッカーさんの『超カンタンアメリカ最強のFX理論』を読んでみた

ロブ・ブッカー/ブラッドリー・フリードさんの
『超カンタンアメリカ最強のFX理論』を読んでみた

 (5つが最高)

とにかく簡単な方法であることは確かである。

そのためか取引手法にアリゾナ州の地名を

つけて呼んでいるので、日本人にはなじめない。

日本で語られるFXの手法や理論は、

株式投資から発展したものが多いので、

ロブ・ブッカーさんに言わせれば「通用しない」らしい。

また、アメリカではFXトレーディングのアドバイスが

ビジネスとして成り立っているということにも驚いた。

参考になる手法は、「2trendy」だと思う。

「NYボックス」という手法は、簡単だが、

あまり「ブレイクアウトルール」に該当するような

状況が訪れないことと、「リバーサルルール」が

上手く機能しないことがあるので注意が必要。

トレードで勝つための4要素は次のとおり。
①マネーマネジメント
②トレード日誌をつける
③バックテスト
④テクニカルシステム(いわゆる手法のこと)

マネーマネジメントの重要性を強調していることは

とても良いことだと思うので、参考にしている。

特に手法よりもマネーマネジメントが大切という

考え方は、FXでは間違いないと思う。

ただ、バックテストについては、この本では

必ずやるようにと強調されているが、

実際のトレードとテストでは違いがあり、

私のようなビビリにはテストで上手くいっても

実際にやってみると同じようにはできない。

また、トレード日誌も他の本でも薦める人がいるので

やってみたこともあるが、時間ばかりかかって

トレードそのものの時間が削られてしまうので、

時間がない私には効果が現れなかった。

ただ、テストが充分ではなく、トレードを振り返る

ようなこともしないで儲けられないのは

当たり前といえば当たり前の結果でもある。

せめて成功したときと失敗したときの

パターンくらいはメモしておき、

失敗を繰り返さないようにして

成功したときのパターンを繰り返せるように

準備が出来たら、またFXに取り組んでみたい。

この本が、やる気にさせてくれることは間違いない。

【目次】(「BOOK」データベースより)
FXを間違えた日本人/ロブの主たる武器「2trendy」/世界でいちばん日本人向き!?「NYボックス」/ロブが使う最小限のテクニカルと「アリゾナルール」/「アリゾナルール」10の手法/マネーマネジメントこそが成功のカギ/ロブは“バックテスター”/「10pipsはうれしくない?」勝つ人の戦略と習慣

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2010年10月25日 (月)

藤井孝一さんの『週末起業』を読んでみた

藤井さんの『週末起業』を読んでみた

 (5つが最高)

以前話題になっていたことから手にしてみたが、

少し古くなってしまっていて後半の法人化に関する

商法の情報などは全て会社法が施行されたことにより

使えないものになってしまっている。

税金に関する情報も、税金の心配をするくらいなら

売り上げを増やすことを考えるべきとし、

売り上げが上がったなら税金のことは専門家に

相談すればよいというスタンスなので

ごく限られた基本的なことは分かるが

それ以外についてはあまり参考になるところはない。

むしろ税金については週末起業が成功してから

考えても問題ないという情報が一番の情報になっている。

このことは、この本の価値を下げるものではないが、

たまたま上手くいった起業家にとっては情報不足で、

大勢の人が最初から成功しないとはいえ少し残念。

この本の最も価値ある部分は、週末起業という

サラリーマンが会社を辞めずに起業するという

発想にこそあるので、そこをもっと掘り下げてくれれば

もっと実践的な良いテキストになったと思う。

藤井さんはこれ以降も週末起業に関する本を

いくつか出しているので、そちらも目を通してみたい。

【目次】(「BOOK」データベースより)
第1章 週末起業で「こんな時代」を生き抜こう!(「年収三百万円」はもはや他人事ではない/国や行政もあなたを守ってくれない ほか)/第2章 これが週末起業の醍醐味だ(ローリスク・ローコストではじめよう/週末は社長になれる ほか)/第3章 成功する週末起業の考え方(熱意だけでは成功しない/週末起業のテーマを決める ほか)/第4章 週末起業家のための税金講座(税金を知らないとバカを見る/「オバケは出てから怖がりましょう」 ほか)/第5章 法人のメリットをとことん活用する(まずは無理せず個人事業としてスタート/安易な法人化は失敗のもと ほか)

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2010年10月24日 (日)

小宮一慶さんの『日経新聞の数字がわかる本』を読んでみた

小宮さんの『日経新聞の数字がわかる本
「景気指標」から経済が見える』を読んでみた

 (5つが最高)

今までも小宮さんの本を読むと日経を読みたくなったが

この本はそのまま日経を読むための本です。

GDPの意味に始まり、日経に毎日登場する

さまざまな指標が何を意味しているかを

分かりやすく解説してくれている。

数字を理解するためには、その正確な定義と関連性を

きちんと把握していないといけないという、

小宮さんがこれまで主張してきたことを

実践で示してくれる日経新聞の「景気指標」の

読み方ガイドであり、本当の「数字力」が鍛えられる。

「景気指標」を読み解く七つのポイントは次のとおり。
①指標の「定義」を知る
②おもな数字を覚えて「基準」を作る
③「定点観測」で「時系列」の変化を見る
④一つの数字に「関心」を持つ
⑤数字と数字を「関連づける」
⑥「仮説」を立てて「経済を見る」
⑦数字を予測してみる

また、世界経済について知れば知るほど

アメリカの過剰な個人消費に世界経済全体が

依存している構図が浮き彫りになってくる。

そういえば、中国はまだまだ工場としての

供給側としての重要性ばかり強調され、

消費大国というイメージはない。

月曜日の日本経済新聞の指標を見ながら

世界経済の動向を分析し、楽しめたらしめたもの。

【目次】(「BOOK」データベースより)
1 基礎トレーニング編(GDPを読み解く/企業活動全般を見る/業種別の動向を押さえる/雇用を見る/物価を見る/金融の動向を見る/市場の動きを押さえる/超大国アメリカの景気を見る/ヨーロッパ経済を見る/アジア経済を見る/商品相場を押さえる)/2 実践トレーニング編(「一〇〇年に一度の経済危機」を過去と比べてみる/景気回復の兆しを探す/中国は世界経済の機関車になれるか)/絶対に押さえておきたい一〇指標─国内編/絶対に押さえておきたい一〇指標─海外編

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2010年10月22日 (金)

マルコム・グラッドウェルさんの『失敗の技術』を読んでみた

グラッドウェルさんの『マルコム・グラッドウェル
THE NEW YORKER傑作選(2)失敗の技術』を読んでみた

 (5つが最高)

今回も、さすがマルコム・グラッドウェルだと

感心させられる箇所が次々に出て来て

各章の話の内容の興味深さは傑作選(1)と

何ら変わることなくとても面白かった。

中でも今回は、第10章の「借りもの」における

知的財産権に関するローレンス・レッシング教授

の『FREE CULTURE』からの次の引用が

特に印象に残ったので記しておく。

『あなたのファッションを私が真似たところで、
私はあなたから何も盗んでいない。とはいえ、
それが毎日ともなれば奇妙に見えるかも
しれないが・・・・・・そうではなく、トマス・
ジェファソンが言ったように(そしてそれは、
とりわけ私が誰かのファッションを真似たときに
当てはまるのだが)「私からアイデアを
受け取る者は、私の教えを受け取りつつ、
私のアイデアを減らすことがない。
私のろうそくの火を使って自分のろうそくに
灯りをつけた者が、私のろうそくの火を
暗くすることがないのと同じだ」』

これはもちろん知的財産権は盗んでも

創作者に被害を与えないということを

意味しているわけではない。

著作権を含む知的財産権が財産権と

言われてはいるが、通常の財産権とは

性質が異なることを上手く現しているのだ。

この分野は日本でもまだまだ法整備が

ネット社会に追いついていない分野であり、

どのように考えていくのが正しいのか

まだはっきりしないところがあって

とても興味深い話題になっていると思う。

ぜひ第10章の全体を何度か読んでみて

自分の考えを形作ってみて欲しいと思う。

もちろん、その他の章も充分に楽しめる。

【目次】(「BOOK」データベースより)
第7章 公開されていた秘密─エンロン、インテリジェンス、そして情報過剰の危険性
第8章 一〇〇万ドルのマレー─ホームレスのような問題は、その都度対処するよりも一気に解決するほうが簡単かもしれない理由
第9章 画像をめぐる問題点─乳がん撮影と空軍力、「見る」という行為の限界
第10章 借りもの─盗作は人生を破滅させるほどの罪か?
第11章 点と点を結べ─諜報活動改革のパラドックス
第12章 失敗の技術─なぜ、ある人は緊張し、別の人はパニックになるのか?
第13章 爆発─チャレンジャー号事故のような惨事は誰の責任か?それは「誰」のせいでもなかった

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2010年10月21日 (木)

中村芳子さんの『お金を貯める100のコツ』を読んでみた

中村さんの『お金を貯める100のコツ
「貯める力」をつければ一生お金に困らない!』を読んでみた

 (5つが最高)

この本は、お金を貯めることが出来ない

若い人向けの入門書なのだと思う。

100のコツということだが、私には全て

知っていることばかりで、「コツ」と言うには

表面的過ぎて少し突込みが足りない気がした。

けっして悪い本ではないし、間違ったことを

言っているとも思わないが、おじさん向きではない。

巻末の著者プロフィールにあるように

20代、30代のマネー啓蒙に力を入れている方

ということなので、それであればこの程度で

役に立つという人はいるのかもしれない。

ただ、私の求めるものではなかった。

【目次】(「BOOK」データベースより)
第1章 お金の性質・本質を知らないと貯まらない
第2章 昔の常識は今の非常識
第3章 やってはいけないお金のこと
第4章 お金が貯まる・管理できる仕組みを作る
第5章 貯まるスピードがアップするお金の基本と仕組み
第6章 リスクを転じてリターンにする
第7章 高額支出になる保険とマイホームで失敗しない
第8章 人生が明るくなるお金の使い方

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2010年10月20日 (水)

山根亜希子さんの『外貨で月20万円稼ぎ続けている私の連勝法』を読んでみた

山根さんの『外貨で月20万円稼ぎ続けている私の連勝法
FX(外国為替証拠金取引)で儲けよう!』を読んでみた

 (5つが最高)

これも古い本だが、入門書的な意味では

読んでみるのも良いと思う。

特に連勝法については書かれていないが、

紹介されている儲け方は主に2つ。

①比較的リスクの低い外貨預金や外貨MMFの
 代替として使う方法。
②為替差益で大きなリターンを狙っていく方法。

この本の特徴としては他の本ではほとんど

紹介されているのを見たことがない

eワラントでのリスク回避についても書かれている。

また、ドル円は難しいということも書かれており、

ユーロやポンドのほうがトレンドを形成して

儲けやすいとしているのも特徴。

スプレッドの問題もあるが、ドル円より変動の大きい

ポンドを使って儲ける人のほうが多いのかもしれない。

【目次】(「BOOK」データベースより)
序章 私と外国為替証拠金取引(FX)との出会い(私が投資を考え始めたきっかけ/外国為替証拠金取引(FX)との出会い ほか)/基礎編 外国為替証拠金取引(FX)って何なの?(What’s FX?)(外国為替証拠金取引(FX)とは?/外国為替証拠金取引(FX)の仕組み ほか)/実践編 さあ、取引してみましょう!(Let’s trade FX!)(まずはバーチャルトレードをしてみよう/Hop 外貨預金として使う(レバレッジ=1倍) ほか)/番外編 投資を始める、その前に(取引会社選びは慎重に!/初心者向け(1000ドルから取引できる会社) ほか)

外貨で月20万円稼ぎ続けて...

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2010年10月19日 (火)

山本有花さんの『カリスマ主婦山本有花のFXで儲けたい!』を読んでみた

山本さんの『カリスマ主婦山本有花のFX
(外国為替証拠金取引)で儲けたい!』を読んでみた

 (5つが最高)

古い本だがこれでFXの基本的なことは理解できる。

株で3000万円儲けた主婦が、今度はFXで

儲けようとして取り組んだものなので

ポイントが良く分かる入門書となっている。

株で駄目だった人も、この本くらいから入ると

FXに取り組みやすいのではないかと考えて

あえてこの古いものを取上げてみた。

ただ、どうやって儲けるかは別の本を読む必要がある。

この本だけでは儲けるための方法は得られない。

FXに取り組んだ経験がある人には

特に読むことを薦めないが、これから始めてみようか

というような株からの転向組みにはいいと思う。

【目次】(「BOOK」データベースより)
FXは、自分にあった投資方法か?―FXふむふむ編/あんしん、堅実、山本式FX投資法―FX挑戦編/まずは為替を理解しよう!―FXなるほど編/外国為替証拠金取引とは?―FX導入編/これを理解すれば即、口座開設もOK!―FX基礎編/業者選びから口座開設まで―FX実践編1/基本の注文方法をマスターしよう!―FX実践編2/小技をきかせた注文方法でレベルアップ―FX実践編3/為替の動きはチャートで見る―FX必勝法1/新聞を読んでマーケットインパクトを知ろう!―FX必勝法2/マーケットインパクトでチャンスをつかもう/これが天才青木コーチ直伝の必勝法だ!

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2010年10月18日 (月)

岡本吏郎さんの『なぜ、あなたの会社は儲からないのか?』を読んでみた

岡本さんの『なぜ、あなたの会社は儲からないのか?
合法的裏帳簿のススメ』を読んでみた

 (5つが最高)

この本は、経営者はどうあるべきかという

視点に立ったビジネス書である。

ベストセラーになった『裏帳簿のススメ』に対する

言及が多いため、そちらを先に読んだほうが

良かったようだが、これだけ読んでも

充分理解できるようには作られている。

お金、新規事業、社員教育などの経営常識に

岡本さんらしい反論が分かりやすい。

「流行の節税法」や「ラクして儲かる商売」ほど

実は危険だったりするということに始まり、

日本の税制を上手く使いこなすメリットなど、

イベントの質疑応答のライブ感を残しつつ

軽快に語られていくノウハウはとても参考になる。

「私がナンバー1」と宣言することで大幅に売上を

増やせるという発想や、値下げは会社をダメにする

という難しそうな課題を簡単そうに語る。

「経営者」というのは、とても自由だという反面、

みんながみんな起業する必要もないと

経営者らしいアドバイスもたっぷりで、

企業を考えていない人でもビジネス書として

充分満足の良く構成になっている。

欲を言えば、もう少し一つ一つの事例に関して

掘り下げた解説があれば、もっと楽しめたはず。

岡本さんのほかの作品も読んでみたい。

【目次】(「BOOK」データベースより)
第1章 まずは、税制の環境を知ることが経営のはじまり(資本主義の構造を知ることが、「節税」への近道/経営者の仕事は評論ではない。税制の不満を言うより先にすべきことがある ほか)
第2章 経営にはお金に対するどんな感性が必要なのか?(社会的なことより自分の「美意識」を確認する/常にオプションを多くしておく。そのためにお金が必要だ ほか)
第3章 ビジネス戦略を考えるうえで大事なこと(ブランド戦略(1)―いまや内部留保より大事!!「目に見えない資産」ブランディングを重視せよ/ブランド戦略(2)―つくるより大変なのが、守ること。あの有名企業の例を忘れるな ほか)
第4章 これを知らないと会社が危ない!経営危機を乗り越える決め手(資金繰りに困ったら、銀行に「返せない」と言えばいい/たとえ売上の3倍の借金があっても、状況を好転させている人もいる! ほか)

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2010年10月17日 (日)

上野伸五さんの『外貨投資で20万円を1000万円にする方法』を読んでみた

上野さんの『外貨投資で20万円を1000万円にする方法
スーパー為替トレーダーの着実に儲けるテクニック』を読んでみた

 (5つが最高)

この本は、スワップが気になる人向けの1冊である。

FXがブームになった初期のころは日米の金利差により

スワップで儲けることが一般的な投資手法であり、

円安が進んでいたこともあって、皆がドルを買っていた。

けれどこれは、その当時の状況が許してくれた

特別な投資手法であったのではないかと思う。

もちろん、当時と同じような状況が今後もまた

起きないとも限らないので、そのときにはまた

ドルを買って黙って持っておくだけというような

外貨預金のような投資手法も有効ではある。

しかもFXでは規制が強化されたとはいえ、

まだレバレッジをかけることも簡単であり、

取引コストも外貨預金より安いので

その点では有利な金融商品ではある。

しかし、今のこの円高でスワップが少ない状況では

スワップ派はかなりの自己資金を必要とし、

リスクもかなり高くなるような気がする。

私は基本的にスワップ目当てのFXはしないが、

この本にあるような方法でコツコツと利益を

積み重ねていくという方法はアリだと思う。

上野さんには、『さざなみ投資法で儲けるFX

必勝の方程式』という本もあるので、

スワップ派で行きたいという人には参考になると

思うので、どちらか1冊でも読んでみるといいと思う。

これ以外のスワップ派の本は、古いものが多く

2010年現在の投資環境では試すのも難しい。

またアメリカ経済が立ち直ったらチャンスだと思うが。

【目次】
第1試合 着実に儲ける、さざなみ投資法
第2試合 FX取引の基礎知識をおさらい
第3試合 FXはギャンブルじゃない─運用実例
第4試合 あなたの投資スタイルを確立しよう
第5試合 さざなみ投資法を応用して、活用する
第6試合 常勝する条件、自分流の投資を発見

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2010年10月16日 (土)

羊飼いさんの『ど素人がはじめるFXの本』を読んでみた

羊飼いさんの『ど素人がはじめるFX(外国為替証拠金取引)の本
増補改訂版外貨投資でガンガン増やす』を読んでみた

 (5つが最高)

初めに断っておくが、私はFXで儲けたことはない。

もう1年くらいやっているが、キャンペーンで貰える

キャッシュバックで損失を補填して何とか続けていける

そんな情けないレベルでしかない。

だから当然、これから紹介するいくつかのFXの本は

儲けることに役立ったかではなく、私にとって

役に立ったかどうかということに過ぎない。

その「役に立つ」というときの判断基準は

FXの取引をしていく上での「やり方」について、

取引をする際の「心構え」について、

そして最後に「損をいかに少なくするか」について、

の3点について、参考になったかどうかである。

そして、この本は、FXをこれから始める人の本である。

まず、外貨投資の基礎知識から学んでいき、

為替レートやチャートの読み方、証拠金取引や

適正なレバレッジについて詳しく説明してくれる。

著者の羊飼いさんはアクセス数の多い

FXサイトの管理人だけあって解説も分かりやすく

FXのテクニックも満載で初めての1冊には申し分ない。

改訂版が出てからでも1年以上たっているため

第6章の取引業者についての記載は自分で

確かめて活用する必要があるが、

それ以外は基本的なことでとても参考になる。

「損しないための投資手法」を最後に載せているが、

ここに書いてあることだけで損をしなくなることはない。

むしろFXの重要な点は、いかに損をコントロールするか

ということに尽きると言っても良いくらいなので

各自でいろいろな管理手法と心構えを学んでいく

必要があると、損ばかりしている私は思う。

【目次】(「BOOK」データベースより)
第1章 基礎編─はやわかり外貨投資とFXのキモ
第2章 取引編─FXで稼ぐための取引テクニック
第3章 売買注文編─通貨ペアの選び方および取引ツールの活用
第4章 ファンダメンタルズ分析編─為替を動かす重要指標/要人発言
第5章 テクニカル分析編─為替チャートの読み方
第6章 取引業者編─主要業者の比較および選択ポイント
第7章 応用編─損しないための投資手法

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2010年10月15日 (金)

東谷暁さんの『エコノミストは信用できるか』を読んでみた

東谷さんの『エコノミストは信用できるか』を読んでみた

 (5つが最高)

この本は、1990年代以降、日本経済の低迷にも

かかわらず、拡大を続けたエコノミストや

経済評論家と呼ばれる人たちの発言について

前後の一貫性や議論の整合性などを基準に

詳細にその当時の文章を引用しながら

本当に信用できる人はいるのかを解説してくれている。

しかしながら、新聞やテレビで馴染みのある

40人のエコノミストについて、本当のところは

誰が正しく、誰を信用すればよいのかということは

結局のところ分からずじまいに終わる。

80年代のバブルとその崩壊、90年代からの

長期不況、短命に終わったITバブル、

さらに最近の構造改革について、エコノミストが

いかなる予測をしてきたのかの検証は

面白く読めるけれど、80年代のバブルの崩壊後にも、

相変わらずのんきなコメントを発表して平気な

エコノミストがいかに多かったかを見ると、

正直言って暗い気持ちになってくる。

また、インフレ・ターゲット論については

その実証がなされていないので今後どうなるか

まだ分からないところがあり、バブルに対する

コメントよりは、建設的な感じがする。

なお、終章のエコノミストの採点表については、

前後の一貫性がどれだけ得点が高くても

間違った説を唱え続けていたのでは

意味がないように思うので、議論の整合性や

説得力で高得点をあげている人についてのみ

前後の一貫性を問題にするような採点方法

の方が信頼性が増すように感じた。

【目次】(「BOOK」データベースより)
序章 エコノミストの市場/第1章 バブルを繁栄と見誤った論者たち/第2章 日本とアメリカ「浮沈」の読み方/第3章 なぜ財政出動は効かなかったのか/第4章 金融政策だけで日本を救える?/第5章 改革すべき「構造」とは何か/第6章 試金石としての「IT革命」騒動/第7章 不良債権処理で「回復」か「崩壊」か/第8章 インフレ・ターゲット論の憂鬱/終章 エコノミストの採点表/付表 エコノミスト格付け表(九九年版・〇一年版)

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2010年10月14日 (木)

吉本佳生さんの『デリバティブ汚染』を読んでみた

吉本さんの『デリバティブ汚染 金融詐術の暴走』を読んでみた

 (5つが最高)

「いますぐ対処しなければ、大変なことになる」という

吉本さんの叫びが聞こえるような1冊である。

吉本さんといえば、私にとっては為替の知識の

よりどころであり、デリバティブの案内人である。

その分かりやすい解説は、信頼の源泉でもある。

その吉本さんが今回は、デリバティブの危険性と

メガバンクや証券会社が暴利をむさぼる実態の

告発に真剣に取り組んでいる。

読めば読むほど金融機関の悪事は許しがたく

なぜこのような人たちを血税で救済してしまったのか

私はいまだに分からないが、日本中にまき散らされた

「汚染」の凄まじさは、想像以上だという気がする。

自治体や大学、企業、病院や公益法人など、

この国の未来を支えるあらゆる組織を蝕んでいる。

本来は、投資家のリスクを回避するために

開発されたはずの金融技術を使って

これほどのリスクをこの国にばら撒き続ける

金融機関という悪の巣窟を何とかできないものだろうか。

そして、私もこの本を読むまで勘違いをしていたが、

金融知識の欠如というのは本当に恐ろしい。

デリバティブといえば何か魔法のことでもあるかのように

妄信してしまうが、「特別な運用」などないということを

この本は何度も繰り返し教えてくれている。

『国債より高い金利で安全確実な運用はできない。
たとえ、どれほどすごい金融技術(金融工学)を
使っても!しかも、もともとすごい金融工学なんて
存在しない。それなのに、どこかに「特別な運用」
があると信じようとする人たちがいる。』

私もこれまで「元本保証」の商品の危険性など

この本を読むまでほとんど考えてもいなかった。

チラッと思ったことといえば、保証している金融機関の

倒産くらいで、それも国に救済されるだろうと

いうくらいにしか考えていなかった。

30年先の長期の「元本保証」がインフレなどにより

まったく意味がなくなってしまう可能性など

これっぽっちも考えてみなかった。

銀行間の金利に近い金利が適用される

インターネット専業銀行の普通預金が

インフレに強いということでは良い商品だという

吉本さんの考え方にも今回さらに納得した。

また、次のような為替の変動に関する解説は

吉本さんらしい分かりやすい解説でとても良かった。

『・円相場を確実に予想することは困難である
・短期・中期では、円相場に一番強い影響を
 与える要因は「金利」である
 したがって、いまの円のように低金利通貨は
 安くなりやすい
・長期では、円相場に一番強い影響を
 与える要因は「物価」である
 したがって、いまの日本のような相対的に
 物価が上がらない国の通貨は高くなる
 ※なお、物価や金利の前提が変われば、
 円高・円安の結論は変わりうる』

物価上昇率が低いことが低金利につながるのなら、

2つ目のことが「短期・中期では、日本の物価が

上がらないなら円安になりやすい」と言い換えられ

3つ目のことと完全に逆になるというのは

かつて他の本でも解説していただいたが、

やっぱりすんなりとは納得できなかったが、

こういったことも分からずに為替の予測をしていた

私は、なんと怖いもの知らずだったことか。

金融知識がないとだまされる側にも

だます側にもなってしまうということが

この本を読むとよく分かる。

【目次】(「BOOK」データベースより)
第1章 日本を覆う深刻なデリバティブ汚染(地方自治体を蝕むデリバティブ汚染・運用編/大学や財団、そして金融機関さえ蝕むデリバティブ汚染)
第2章 安全にみえることの危険性(元本信仰のまちがい─物価安定に慣れすぎた日本人/円相場の基本的な考え方)
第3章 未来を地獄に陥れる金融技術(「満期についての選択権」の隠された破壊力/地方自治体を蝕むデリバティブ汚染・借金編)
第4章 元本は保証でなく消滅(明らかな欠陥金融商品を売るメガバンク/デリバティブ汚染を放置する日本)

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2010年10月13日 (水)

エリヤフ・ゴールドラットさんの『ザ・ゴール』を読んでみた

ゴールドラットさんの『ザ・ゴール 企業の究極の目的とは何か』を読んでみた

 (5つが最高)

この分厚い本を手に取るまでは、てっきり

経営学の教科書か何かだと考えていたので、

アレックス・ロゴを主人公とする小説だと

知ったときには正直いって驚いた。

アレックスは、ある機械メーカーの工場長で、

長引く採算悪化を理由に、突然、本社から

工場閉鎖の可能性を告げられる。

残された時間は、3か月という中で、

収益を改善しなければ、工場は閉鎖され、

多くの人が職を失ってしまう状況から話は始まる。

そこからかつての恩師である物理の教授のジョナとの

偶然の再会をきっかけに、工場を再建するべく

アレックスと工場の従業員の奮闘が始まる。

この話の重要な点は、ジョナが答えを

全てアレックスに教えてしまわず、

アレックスと工場の従業員がジョナのヒントを手がかりに

これまでの生産現場での常識を覆す考え方を

自分たちで考えて実行していくところにある。

話は家庭を犠牲にしてきたアレックスと、

妻であるジュリーの別居や家庭崩壊の危機を

織り込みながら最終的にはアレックスが

成長した姿で幕を閉じることになる。

この本の中ではボトルネックという聞きなれた言葉と

スループットという聞きなれない言葉を中心に

TOC(Theory of Constraints:制約条件の理論)が

分かりやすく展開されている。

そして、たどり着くところは次のような地点である。

『私たちが探し求めているものは、いったい何なんだ。
三つの簡単な質問に答えることのできる能力じゃないのか。
『何を変える』、『何に変える』、それから『どうやって変える』
かだ。マネジャーとして求められる、最も基本的な能力を
探し求めているんだ。考えてもみてくれ。この三つの質問に
答えられないような人間に、マネジャーと呼ばれる資格が
あると思うかね』

「自ら学ばなければ駄目だ」というアレックスの言葉は

この分厚い本を読んできた者には納得がいく。

【目次】(「BOOK」データベースより)
1 突然の閉鎖通告/2 恩師との邂逅/3 亀裂/4 ハイキング/5 ハービーを探せ/6 つかの間の祝杯/7 報告書/8 新たな尺度

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2010年10月12日 (火)

本田直之さんの『本田式サバイバル・キャリア術』を読んでみた

本田さんの『本田式サバイバル・キャリア術』を読んでみた

 (5つが最高)

この本は、サバイバビリティという言葉をキーワードに

リスクを回避しながら厳しい現実を生き抜く術を

さまざまな角度から論じていて参考になる。

この手の本の多くが自分だけが働くのではなく

お金にも働かせろと資産運用の話になってしまうのに対し

この本は、マルチ思考やマルチ・キャリアなどといった

複線思考でリスクの分散や軽減を図ろうとしている。

私は、キャリアを所属する組織内でのみ通用する

コーポレート・キャリアに偏らせてしまっているので、

今後はもっと他の組織でも通用するパーソナル・

キャリアの形成に注力していかなければならないと感じた。

知識や経験がどこに行っても使えるような汎用性のある

ものかどうかを一つの基準として考えるのは

これからの自己のキャリア形成においてよりいっそう

重要な考え方になっていくことは間違いないだろう。

私の過去の転職経験を振り返ってみると

この本に書かれているような基準が不足していたと

感じられ、もっと戦略的に行動できなかったかと

反省する点がとても多かった。

私のようなものには、次のような言葉も参考になる。

「会社に〈個〉としてスキルを提供する」という意識を持て
キャリアも人脈も住む場所も、すべて〈マルチ〉で考えよ
普通の人でも〈マルチ〉を目指せば独自性を発揮できる
「1カ月間、半分の生活費で暮らす」体験でリスクヘッジ
「~が悪い」「~だからできない」「忙しい」、3つの思考停止ワードを禁句に

【目次】(「BOOK」データベースより)
プロローグ─一〇〇年に一度の危機を人生最大のチャンスに変える
第1章 個人サバイバルの時代へ─大きなうねりに目を向ける
第2章 決め手はサバイバビリティ─シングル思考からマルチ思考へ
第3章 会社で働き、キャリアを磨く─コーポレート・キャリアの法則
第4章 一生通用するキャリアを築く─パーソナル・キャリアの法則
第5章 サバイバル・トレーニング─思考・行動・仕組みを鍛えなおす

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2010年10月11日 (月)

本田直之さんの『面倒くさがりやのあなたがうまくいく55の法則』を読んでみた

本田さんの『面倒くさがりやのあなたがうまくいく55の法則』を読んでみた

 (5つが最高)

この本を面倒くさがりやの人が読んだからといって

できることは限られているだろうが、

より面倒くさいことに巻き込まれないために

早めに面倒くさいことでもやってしまおうという考えは

私もそうしているので、参考になった。

出来ること、出来ないこと、やってみたいこと、

やってみたくないことなど、勝手に分類していいので

55の法則のうちから何か始めてみるといいと思う。

自分が出来ていないことのうち、今後やってみたいと

思ったことは次のとおり。

①「できない理由」を考えない
②メモをする
③短期で考えない
④時間を大切にする
⑤家計簿をつける
⑥「お手本」を見つける
⑦相手を変えようとしない
⑧会社に依存しない
⑨英語を勉強する

どれも面倒くさそうなことばかりだが、

始めてみないことには、どうしようもない

ことばかりでもある。

【目次】(「BOOK」データベースより)1 考え方編(面倒くさいから「目標」をつくる/面倒くさいから相手の話を聞く、面倒くさいからやる気を下げない ほか)/2 日常生活編(面倒くさいから「朝5分」に一番力をそそぐ/面倒くさいから定位置をつくる/面倒くさいから全部予約する ほか)/3 仕事編(面倒くさいからやらないことを決める/面倒くさいから「お手本」を見つける/面倒くさいからパソコンを頻繁に買い替える ほか)

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2010年10月10日 (日)

小宮一慶さんの『現金は24日におろせ!』を読んでみた

小宮さんの『現金は24日におろせ!
これからの時代を生き抜く本当のマネー術』を読んでみた

 (5つが最高)

この本は、お金をコントロールするための本です。

そして、お金をコントロールするために時間や仕事を

コントロールする方法が書かれています。

その中でも特に私の心に響いたものを

いくつか拾い出してみると次のとおり。

①負担を感じるとしても、早いうちにマイホームを買って
定年までにローンを返済したほうが、「住宅費」という
負担から早く解放される。

②50代になると年収が頭打ちもしくは減少する人たちと、
部長や役員などの役職について年収アップを果たす人
との収入格差が顕著になるので、自己投資を怠らず、
スキルアップやキャリアアップを目指していくのは大切。

③世の中には、リスクを取ってでも高いリターンを
得ようとする「リスクテイカー」と呼ばれる人たちと、
高いリターンは得られないが安全性を重視する
「リスクアバーター」と呼ばれる人たちがいるが、
これは本人の価値観であり、性格とも言えるので、
価値観に反してまで、リスクテイクする必要はない。

④節約をしながら生活の質も維持できるようになったとき、
本当の意味でお金をコントロールする力がついたといえる。

⑤お金も時間も使うものです。その多さ、少なさではなく、
コントロールしていることが大切。

⑥お金を追い求めると、逆にお金は逃げていきます。
しかし仕事を追い求めていると、お金がついてきます。

⑦資格取得の勉強をしたことは、2つのメリットがあった。
1つは勉強のペースメーカーになってくれたこと。
もう1つはフローを資産化できたこと。

タイトルは少し変な感じだが、読んで損のない1冊。

【目次】(「BOOK」データベースより)
プロローグ 現金は24日におろせ!
第1章 「これからの時代」を想定しよう!
第2章 人生のキャッシュフロー表を作ろう!
第3章 「お金コントロール力」を身につけよう
第4章 投資に対する価値観を持とう!
第5章 お金=「時間コントロール力」を身につけよう!
第6章 一人前で満足するな!一流をめざせ!!

現金は24日に...

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2010年10月 9日 (土)

小宮一慶さんの『「1秒!」で財務諸表を読む方法』を読んでみた

小宮さんの『「1秒!」で財務諸表を読む方法
仕事に使える会計知識が身につく本』を読んでみた

 (5つが最高)

1秒で財務諸表を読むには、流動負債と流動資産を見る。

この本は、1秒で財務諸表を読む方法を取っ掛かりに

会計に関するさまざまな話に展開していく。

確かにタイトルと中身が乖離しているように見えるが、

私のように会計の知識がない者にとっては

大変ありがたいビジネスマン向けの本である。

特に前半の貸借対照表や損益計算書、増し分利益までは

とても分かりやすく実際の仕事にも役に立つはずである。

ただ、コンサルタントにとっては簡単な初歩的概念

なのかもしれないが、後半に行くにしたがって

直接原価計算やPPMなど馴染みのないものが出てきて

今までの会計の入門書と比べ歯ごたえがある気がした。

私はサービス業に従事しているので特に

原価計算には馴染みがなく、在庫調整による

利益変動は実感がわかなかった。

PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)の話は、

小林製薬と花王の事例自体は大変面白かったが

PPMの使い方はいまいち理解できなかった。

私にとっては何度か繰り返し読んで

理解を深める必要がある1冊である。

情報が盛りだくさんの本だが、そんな中でも

この本と同時期に読んでいる『ザ・ゴール』の

「スループット会計」についてまで言及があり

小宮さんがその分野の本も書いていることを

知ることが出来たので、今度書店で探してみたい。

【目次】(「BOOK」データベースより)
第1章 貸借対照表―1秒だけ財務諸表を見るなら、どこを見るか?
第2章 損益計算書―なぜ、国の財政は破綻しないのか?
第3章 キャッシュフロー―なぜ、リニアや第二東名はなかなか完成しないのか?
第4章 固定費と変動費―なぜ、IT企業はブランドにこだわるのか?
第5章 増し分利益―なぜ、航空券には早割り格安チケットがあるのか?
第6章 直接原価計算―なぜ、液晶テレビの価格はどんどん下がるのか?
第7章 PPM―なぜ、小林製薬ではヒット商品が次々と生まれるのか?
第8章 付加価値―なぜ、企業業績は良いのに『現金給与総額』は上がらないのか?

「1秒!」で財務諸表...

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2010年10月 8日 (金)

マルコム・グラッドウェルさんの『第1感』を読んでみた

グラッドウェルさんの『第1感 「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい』を読んでみた

 (5つが最高)

グラッドウェルさんの本をもしこの本から読んでいたら

挫折していたかもしれないと思うくらいに私には

納得感の薄い作品であるように思えた。

何か決断に迫られた時、あれこれ悩んだ末に選ぶより

第一印象を信じたほうが案外上手くいくということは

私も学生時代のテストなどで経験したし、

一目惚れした人と結婚して上手くいったというような話も

聞いたことがないわけではない。

しかし、「輪切り」の力というのが実際にどういうことか

はっきりと分かったわけではないし、それが経験の

積み重ねによる勘のようなもののことなのか

いまひとつ私には理解できなかった。

むしろ興味をもって読んだ箇所はジョン・バージという

心理学者が考えたという「プライミング実験」という

適応性無意識に働きかける実験のほうで

よく目標などを紙に書いて目に付くところに

貼っておけというようなことを言う人がいるが

そのことにより無意識のうちに目標に近づくという

ことがあるのかもしれないと感じた。

グラッドウェルさんの本の書き方は、対象とするものが

私の興味と一致するときには良い方向に向かうが

対象に対して疑いを持っているようなときには

正直なところ飽きてしまうようなところがある。

よくマーケティングに関心がある人には面白いのでは

ないかというようなことが言われたりするが

あいにくそのような分野に今までは関心がなかったので

何となく全体の印象がぼんやりしてしまう気がした。

次の作品に期待することとしたい。

【目次】(「BOOK」データベースより)
第1章 「輪切り」の力―ちょっと情報で本質をつかむ
第2章 無意識の扉の奥―理由はわからない、でも「感じる」
第3章 見た目の罠―第一印象は経験と環境から生まれる
第4章 瞬時の判断力―論理的思考が洞察力を損なう
第5章 プロの勘と大衆の反応―無意識の選択は説明できない
第6章 心を読む力―無意識を訓練する

第1...

第1...

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2010年10月 7日 (木)

勝間和代さんの『お金の学校』を読んでみた

勝間さんの『勝間和代のお金の学校
サブプライムに負けない金融リテラシー』を読んでみた

 (5つが最高)

この本を読んだからといって金融危機に負けないような

金融リテラシーを身につけられるわけではない。

この本は勝間さんが金融や資産運用のプロである

竹中平蔵さん、竹川美奈子さん、太田忠さん、

河口真理子との対談を通じて、投資をする際に

知っておくべき経済のしくみや投資判断等を

磨くための基礎となるキーワードを提供してくれる。

金融の理論や実践的なスキルを身に着けたいので

あれば他の入門書の方が良いと思われる。

しかし、この本は「お金の学校」としては悪くない。

むしろ私にはとても興味深い授業を展開してくれている。

例えば、格差を生み出し痛みだけを国民に与えた

張本人とされている竹中平蔵さんの次の言葉は

私にとっては新鮮で意外感があった。

『改革をしたから格差が拡大したというような
バカな議論は、もうやめたほうがいいですよ。
だって日本は、改革する前から格差が拡大して
いるし、改革が終わったあとも格差が拡大して
いるのです。日本の改革と関係ない外国でも
格差が拡大しているわけですよね』

今まで、竹中さんは改革を途中でやめてしまったから

日本は悪くなってしまったのであって、改革を徹底すれば

格差はなくなるかのような発言をしていたが

この本の中では、格差が拡大していることを認めている。

また、「ばらまき」の定義も簡潔で参考になる。

『本来、別のやり方で解決すべき問題を
財政の資金に頼ること。これがばらまきです』

そして、インフレターゲットというのは当然やるべきで

そういった目標がない日本銀行は責任を負うことが

ないので最強の中央銀行であるとも言っている。

今まで、何だか責任逃れのような言い訳ばかり

すると思っていた竹中さんが政治家になる前のような

明瞭なものの言い方に戻ったようで嬉しかった。

最も分かりやすかったのが制度に関する次の言葉。

『私は、制度を考える場合の基本中の基本は、
民主主義社会において「複雑な制度は悪い
制度である」ということだと思います』

他の3人の人たちも、それぞれ自分の得意な分野の

話を分かりやすく語っていて参考になる点が多かった。

後はどうやって金融リテラシーそのものを身につけるか

という問題になるが、それは今後の勝間さんに期待。

【参考図書】
『リスク』(上)(下) ピーター・バーンスタイン
『「しくみ」マネー術』 竹川美奈子
『ウォール街のランダム・ウォーカー』 バートン・マルキール
『敗者のゲーム』 チャールズ・エリス
『ジム・クレイマーの株式投資大作戦』 ジム・クレイマー
『株式投資 長期投資で成功するための完全ガイド』 ジェレミー・シーゲル

【目次】
1時間目 世の中の大きな動きの中で金融をとらえる
◆竹中平蔵先生から学ぶこと--投資の役割と経済のダイナミズム
2時間目 投資信託を使って資産運用の「仕組み」をつくる
◆竹川美奈子先生から学ぶこと--投資信託の実践的な使い方
3時間目 金融危機に打ち勝つ株式投資術
◆太田忠先生から学ぶこと--個人投資家が株式に投資をするときの心得
4時間目 金融から未来を変える
◆河口真理子先生から学ぶこと--社会的責任を果たす投資とは
ホームルーム 読者からの三つの質問と、勝間からのメッセージ
◆勝間からのメッセージ--金融があなたと社会の未来を変える

勝間和代のお...

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2010年10月 6日 (水)

岩田規久男さんの『金融危機の経済学』を読んでみた

岩田さんの『金融危機の経済学』を読んでみた

 (5つが最高)

この本は、サブプライム・ローンが急増した背景や

住宅ローン担保証券に対する需要について

とても丁寧に解説してくれていて有難い。

ニュースなどで概要はつかんだ気になっていたが、

実際のところは、この本を読むまで知らなかった。

内容については、全てためになるので、

とにかく自分で読んで納得してもらいたいが、

1つだけ残念だったのは、私にとっての最大の

疑問には、誰も答えてくれないのかもしれないという

不安が読み終えた後も残り続けたことだ。

それはこの本が悪いのではなく、

たぶん私の疑問が経済学の前提に関係している

ために誰も論じないのだろうからである。

私の疑問とは、証券化しようがどうしようが、

リスクのある商品をどれだけ複雑に組成しても

リスクそのものはなくならないし、

リスクを低くすることは出来ないのでは

ないかというものである。

ではなぜこれが経済学の前提に関係しているか

であるが、それは経済学は誰もが経済合理性に

基づいて行動するのであり、馬鹿な行動する者を

前提にしていないのであるが、それでは経済は

回っていかないという現実である。

リスクを取る者はリターンを得られるというのが

常識であるが、これは嘘なのではないだろうか。

本当に儲けている人は、リスクのない状況で

いかにリターンを得るかを考えているはずである。

しかし、そのような者を経済学は対象とせず

経済学ではリターンを得たい者が

リスクを取ることにより経済が回ると解説する。

そして、このような前提のもとでは必ず

金融危機は繰り返し起こるはずである。

なぜなら金融機関が想定するリスクは

いつも市場で起きることを過小評価し、

100年に1度の危機は3~4年に1度起きる

という状況がずっと続いている。

経済学の限界は、人間は必ず馬鹿な行動を

するのであり、それはリスクのないところから

リターンを得ようという者や、ほとんどリターンの

ないことが明らかなのにリスクを取る者がいる

ということを理解しようとしないところにある。

経済学は科学になろうとして人間を置き去りに

してしまった学問なのだと思う。

最近になって行動経済学など心理学を取り入れた

経済学がもてはやされるようになってきたが、

むしろ逆に心理学の一分野が経済学なのかも

しれないと、経済学の本を読むたびに思う。

金融機関の人は高額な報酬をもらうが、

損をしないことに知恵を絞るのではなく、

いかに損を先送りして自分だけ利益を得るかを

考えているだけにしか思えない。

この本は、そういった金融機関の体質が

金融危機を生み続けることを教えてくれている。

岩田さんは防止策を挙げているが

金融機関の体質は経済のあり方が変わらない限り

けっして変わることはなく、金融危機は

必ず繰り返されるだろうと私は思う。

【目次】(「BOOK」データベースより)
第1章 なぜ、サブプライム・ローンが急増したのか
第2章 資産担保証券市場に何が起きたのか
第3章 二〇〇七年のサブプライム・パニック
第4章 世界金融危機へ
第5章 金融危機は防げるのか
第6章 二〇〇八年世界金融危機の教訓は何か

金融危機の...

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2010年10月 5日 (火)

桂木明夫さんの『リーマン・ブラザーズと世界経済を殺したのは誰か』を読んでみた

桂木さんの『リーマン・ブラザーズと世界経済を殺したのは誰か』を読んでみた

 (5つが最高)

この本のタイトルを目にしたときから

内容を読まなくても何となくここに書くことが

予想できていたのだが、やはり予想通りであった。

それは作者である桂木さんの経歴を見たとき

予想というよりも確信であったと思う。

ただ、以前株式投資に夢中になっていたときには

外資の金融機関に関する本を何冊か読んで

面白かった記憶があるので、最近の内幕物として

あえて読んでみたのだが、やはりパッとしなかった。

作者は1977年に東京大学法学部を卒業後、

今はなき日本興業銀行に入社し、約10年間、

銀行業務に携わった後、ニューヨークの

バンカーズ・トラスト本社に入社。その後も

ゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレーを

経て、2001年にリーマン・ブラザーズに入社し

2006年にはリーマン・ブラザーズ証券株式会社の

社長に就任して、リーマン・ショックを迎えている。

あまりにも典型的な外資の日本人社長という感じで

きっとリーマンが破綻したのは、アメリカの政府が

救済しなかったのが悪いと言い出すのではないかと

嫌な予想をして読み始めたのだが

まったく良い方に予想が裏切られることはなく、

次のようなことが簡潔に記載されている。

『低金利を長いこと維持する傍ら、証券会社の
過大なレバレッジ体質を放置し、リスクの高い
金融商品の発生を野放図に許した挙げ句、
危機が発生してもその封じ込めに果敢に
動かなかった米政府、金融当局の責任は、
重大であると思わざるを得ない』

はっきり言って、ここまで酷いと呆れてしまう。

自分たちで利益を得るためにリスクの高い

金融商品に手を出しておいて、会社が潰れたら

政府が救済してくれなかったのが悪いと

その無策ぶりを批判するなんて、

金融機関の人間にしか思いつかない発想だ。

しかも、自分たちがやっていた不動産投資の

危険性を認識していなかっただけでなく

サブプライム・ローンの証券化商品の保有割合が

あまり多くなかったことを挙げて、まるで

とばっちりをくったかのような発言もあり、

何だか笑ってしまいたくなるような内容だった。

他社がその後救済されたことに対しても

リーマンだけが救済されなかったと恨み言を

並べ立てるだけで、どうして救済されなかったのかの

反省というようなものはまったくない。

私はそもそも金融機関を税金で救済すべきでは

ないと考えているが、それでも百歩譲って

どうしても救済が必要だというなら、

それまで高給を貰っていた人たちの

責任を問うくらいのことはしてもらいたい。

会社の金で博打をして、儲けた時は何億と貰い

失敗したら公的資金の注入というのでは

博打を打たないほうが馬鹿ということになる。

モラルハザードなどということを言う人がいるが

利益第一の金融機関には元々モラルなど

ないのではないかと思わせられる。

この本の良いところといえば、内部の人間によって

当時の状況が分かりやすく書かれているところと

金融機関の人間とはどういう人なのかが

誰にでも分かるということくらいだろうか。

【目次】(「BOOK」データベースより)
第1章 破綻へのカウントダウン
第2章 身売り
第3章 カリスマvs.財務長官
第4章 リーマンを潰した真犯人
第5章 「百年に一度」の正体
第6章 強欲の連鎖
第7章 ウォール街は死んだか
第8章 二〇〇八年九月の教訓
終章 歴史は繰り返される

リーマン・ブラザーズと世界経済...

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価格:1,680円(税込、送料別)

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2010年10月 4日 (月)

藤巻健史さんの『マネーはこう動く』を読んでみた

藤巻さんの『マネーはこう動く 知識ゼロでわかる実践・経済学』を読んでみた

 (5つが最高)

とにかくわかりやすいということは評価できる。

また、理論的にありうるシナリオであったことも

高く評価されるべきだと思う。

しかし、残念ながら2007年の初版発行当時から

2010年の現在まで藤巻さんのシナリオどおりには

なっていないだけでなく、むしろ逆に動いている。

この本をわざわざ今年の9月に文庫で出すことの

意味が私にはまったく分からない。

あえて探すとすれば、経済に関する知識と、

為替に関する理解ということから、

他に良いテキストがなかったためだろうか。

ただ、間違ったシナリオが分かりやすくても

何も意味がないと思うかもしれないが

あえて弁護するなら、日本政府が現状に危機感を

感じて行動するならこのように動くであろうという

シナリオが、日本政府にきちんとものを考える人が

いなかったので、そのようにはならなかったという

ことであって、シナリオとしてはありえたと思う。

では、そのシナリオとはどのようなものであったのか。

日本の財政は破綻寸前であり、金融政策としては

次の3つしかないとしていた。

①徳政令 (国債の返金をやめてしまう)
②リスケ (国債の返金を先延ばしにしてしまう)
③インフレ政策 (国債の価値を下げてしまう)

ここで①②は影響が大きすぎるので、

現実的には③しか選択肢はない。

藤巻さんとしてはインフレを予想するので

個人としてやれることは、次の3つであるとする。

①固定金利で借金をして不動産を買う
②アメリカの株を買う(ダウ採用銘柄を買う)
③日本の国債を売る

けれど、現実には藤巻さんがインフレにするための

為替政策としての円安誘導は行われなかった

だけではなく、かなりの円高になっている。

これは国民レベルで見れば国債残高の危機感よりも

デフレによる物価の下落が望ましいこととされ、

円高も還元セールや海外旅行で得をするくらいにしか

意識されていないということである。

デフレになれば物が売れずに企業収益は悪化し

雇用不安が生じることは明らかだが

不況の原因をサブプライム問題のみにあるかのように

マスコミがあおりすぎたので、デフレの問題が

見過ごされてしまう結果になっている。

このことを藤巻さんが予測できなかったからと言って

ことさらに問題にしようとは思わないが、

「アメリカ経済の実態」を見誤ったのは

経済の解説本としては致命的である。

確かに藤巻さんの言うように、日本には

バブル崩壊以降、悲観論が台頭し

アメリカ経済についても弱く考えがちだが、

多くの人が警戒警報を出しているのに

上昇しているマーケットは強いとの経験から

アメリカの不動産は高値安定か、

再度上昇するとの結論はあまりにも安易だった。

それでもこの本を読む価値はどこにあるかというと

膨れ上がる国債残高を今後どのように処理するのか、

緩やかなインフレにするとして、そのための取りうる

政策にはどのようなものがあるのか、

ということは、読んでおいて損はないと思う。

ただし、その知識だけで投資行動をとることは

やめておいたほうが良いと思う。

なぜなら日本政府が必ず正しい政策を取るとは

考えられないし、いつそのシナリオになるか

誰にも予測できないからだ。

日本にとって最良のシナリオを考えることと

本当に今後の日本が経験するシナリオを

予測することはまったくの別物である。

また、バブルはアメリカの国力をもってしても

はじけることを止められないのも事実である。

【目次】(「BOOK」データベースより)
1章 マネーはもうジャブジャブだ
2章 マネーはどこに消えたのか?
3章 経済政策には何があるか?
4章 日本の財政はいかに悪いか
5章 長期金利は今後上がるか下がるか?
6章 為替はどうなるか?
7章 不動産マーケット
8章 株のマーケット
9章 いま世界経済はどうなっているのか?
10章 今後の日本はどうなるか?

マネーはこう...

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2010年10月 3日 (日)

勝間和代さんの『目立つ力』を読んでみた

勝間さんの『目立つ力 インターネットで人生を変える方法』を読んでみた

 (5つが最高)

この本は、インターネットで人生を変えるという

コンセプトのもと、勝間さんの経験や方法が

いろいろと書かれており、いかに目立つ力が

重要であるかということを伝えている。

もうすでにやっているという人には役に立たないし

そこまでやる気がないという人にも意味がない。

勝間さん自身も「どこまでこのような本を

ほしがっているユーザーがいるのか」分からないまま

「確固たる自信もなく、市場に打ち出した本」であると

認めているとおりの内容となっている。

しかし、私のようないつまでたってもブログの

初心者レベルを脱することが出来ないものからすると

モチベーションの維持という意味でとても助かる。

別に目立つために今以上のことは出来ないが

とりあえず「思考を可視化すること」から始めたい。

【目次】
第一章 インターネット・メディアの主な種類と特徴を理解する
まずは、ブログを始めてみる/ブログを作ることは、思考を可視化すること/ブログの破壊力を理解する/ツイッターの台頭にも注目/ブログが「自分メディア」として画期的な理由/「自己承認欲求」はブログで昇華できる/ブログ記事を書けない人はいない/最大の効用は、新しい人との出会い/成功には、戦略が必要/継続には“わくわく、どきどき”表現を続ける/インターネットはどのように人生を変えるのか/「勝間和代」ができるまで/出会いはすべてインターネットだった/ブログは自分の可能性を試せるメディア/「目立つ力」の身につけ方
第二章 ステップ1 Plan ― 戦略を考える
1.コンセプトを決める
2.目的を決める
3.コンテンツを決める
4.読者を想定する
5.差別化を考える
第三章 ステップ2 Do ― 表現する
1.実行のために必要な手続きの全体像を理解する
2.使用するネット上のリソースの組み合わせを決める
3.内容を詳しく決め、記事を作る
4.具体的な集客を行う
第四章 Check&Action ― 改善・継続する
1.1エントリーにかける時間は30分以内に
2.“わくわくするようなリターン”を設計する
3.モチベーションを保つ
第五章 達人に学ぶ
[座談会]αブロガーへの道

目立...

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価格:777円(税込、送料別)

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2010年10月 2日 (土)

勝間和代さんの『断る力』を読んでみた

勝間さんの『断る力』を読んでみた

 (5つが最高)

この本の最大の欠点は勝間さんの真意が

上手く伝わらなかった点である。

そしてそのことが評価をする上でも

もっとも重視した点である。

勝間さんはアマゾンの内容紹介でも

次のようにこの本の意図するところを

簡潔に述べることが出来ている。

『「断ること」を能動的にはじめたその時から、
あなたの生産性は何倍にも、何十倍にも向上する
のです。ただし、「断る力」はたいへん強力な武器
であるため、扱いもとても慎重に行わなければ
なりません。むやみやたらに断るのではなく、
どういうところでは断り、どういう場面では逆に
歯を食いしばって引き受けてベストを尽くすべきなのか、
その判断能力をこの本をきっかけに、
みなさんの生活の中で培っていってほしいと思います』

しかし、これが1冊の本になると

まったく違う印象を与える結果になっている。

香山リカさんが『しがみつかない生き方―

「ふつうの幸せ」を手に入れる10のルール』で、

自分も断ることがあることを前提に

勝間さんを批判しているが、このことは

断るほど機会に恵まれていない多くの人を

敵に回してしまうことは明らかだ。

また、断ることをしない人や断ることが出来ない人

の気持ちをまったく無視した形になってもいる。

これは、この本が偶然誤解を与えているのではなく

勝間さんの基本的姿勢から来るものであり

それを受け入れるかどうかの踏み絵なのだ。

では、勝間さんの基本的な姿勢とは

どういうものかというと、生産性重視、

効率重視(経済合理性)ということである。

しかし、これは仕事そのものに適用することは

問題を生じないが、人間関係にあっては

まったく通用しないということを

私は少ない経験の中から学んできた。

勝間さんは「断ること」をしないことが、

生産性向上を阻害し、成長を阻害し、

いかにストレスを溜めるかということを説明する。

そして、どうやれば「断る力」を身につけ、

人に嫌われるのを恐れずに生産的な提言や

交渉を行う好循環をつくることが出来るかを

嬉々として語り続けるが、正直言って痛々しい。

勝間さん個人は仕事を選んでスキルアップ

したかもしれないが、組織の中では必ず

勝間さんが断った仕事をした人がいるはずなのだ。

この点に限れば、勝間さんが非難している

アマゾンのレビューの方が読むに値する。

勝間さんは「私は本については、書く努力の5倍、

売る努力をするということを決めています。」と

明言しているが、もう充分に売れるはずなので

これからは書く努力の方を5倍にし、

出来れば本の数を5分の1にするほうがいい。

この本も、『まねる力』や『目立つ力』と合わせて

1冊の新書にするぐらいの方がすっきりして

その意図を上手く伝えられたのではないだろうか。

まあ、なんだかんだ言っても私は勝間さんの

ファンなので、次はどんなものを出すのだろうかと

楽しみにしているので、バブルがはじけて

どこからも本が出版されないような状況に

ならない程度にしていただければよいのだが。

【目次】(「BOOK」データベースより)
第1章 総論「断る力」の圧倒的な効用を理解する(「断る力」がない人たちは自己主張ができない人たち/「断る力」がないと「2ちゃんねる」で不満をぶちまけてしまう ほか)
第2章 ホップ 自分の揺るぎない軸を持つ(自分の責任を持てるのは自分だけ/ビートたけしさんの「毒舌」の正体とは? ほか)
第3章 ステップ 相手への建設的な影響力を発揮する(「空気」を読んだ上で無視できる力をつける/「影響の輪」を常に意識しよう ほか)
第4章 ジャンプ 「断る力」で、自分と周囲の好循環を作る(「断る力」を身につけると、人間関係が目に見えて変わる!!/人との関わりの中で「自分の軸」が革新していく ほか)

断る...

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価格:945円(税込、送料別)

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2010年10月 1日 (金)

松山真之助さんの『マインドマップ読書術』を読んでみた

松山さんの『マインドマップ読書術
自分ブランドを高め、人生の可能性を広げるノウハウ』を読んでみた

 (5つが最高)

この本は、マインドマップのテキストとしては

あまり質が良いとは言えない気がします。

どちらかというと、忘却防止のための単なる

図解の読書記録といったレベルだと思います。

このことは、少しでもマインドマップについて

勉強した人なら、すぐに分かると思います。

しかし、この本の良さは別のところにあります。

マインドマップについて学びたかった

私としては残念ですが、この本の良いところは

何かというと、普通のサラリーマンでも、

朝の早い時間を利用し、ちょっとした工夫で

新しいビジネス人生を切り開くことができる

ということを実際に実践したところだと思います。

とにかく読書により自分の経験価値を高め、

メルマガを利用することにより確実に

ステップアップしていくバイタリティは

ぜひとも見習いたいところです。

その意味でこの本は、やる気にさせてくれます。

【読書マップで紹介された本】
『考える技術』 大前研一
『企画力』 田坂広志
『コーチングマネジメント』 伊藤守
『リーダーシップの教科書』 阪本啓一
『一冊の手帳で夢は必ずかなう』 熊谷正寿
『ブランド人になれ!』 トム・ピーターズ
『メール道』 久米信行
『戦略「脳」を鍛える』 御立尚資
『考具』 加藤昌治
『鏡は先に笑いません』 金平敬之助

【目次】(「BOOK」データベースより)
第1章 なぜ、マインドマップ術読書なのか?(本を読む習慣は、片道通勤2時間の暇つぶしのためだった/1日1冊のペースで読んでも、翌日には中身の9割は忘れてしまう ほか)
第2章 マインドマップとは何なのか?(考案者はトニー・ブザンという人/マインドマップってどんなの? ほか)
第3章 実際に、読書マップを作ってみよう!(読書マップを作る際の手順はこうする/バランススコアカードの本はどのように読書マップ化されたか ほか)
第4章 Webook読者からいただいた読書マップを公開!(自分自身の仕事に関係するヒントが閃いたら、それを書き込む/文章を書くときはまず図解してから、文章を書き始める ほか)
第5章 読書とメルマガで人生が劇的に変わった!(メルマガとの出会い/本を読むために早起きする ほか)

マインドマッ...

マインドマッ...

価格:1,470円(税込、送料別)

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