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2010年10月 2日 (土)

勝間和代さんの『断る力』を読んでみた

勝間さんの『断る力』を読んでみた

 (5つが最高)

この本の最大の欠点は勝間さんの真意が

上手く伝わらなかった点である。

そしてそのことが評価をする上でも

もっとも重視した点である。

勝間さんはアマゾンの内容紹介でも

次のようにこの本の意図するところを

簡潔に述べることが出来ている。

『「断ること」を能動的にはじめたその時から、
あなたの生産性は何倍にも、何十倍にも向上する
のです。ただし、「断る力」はたいへん強力な武器
であるため、扱いもとても慎重に行わなければ
なりません。むやみやたらに断るのではなく、
どういうところでは断り、どういう場面では逆に
歯を食いしばって引き受けてベストを尽くすべきなのか、
その判断能力をこの本をきっかけに、
みなさんの生活の中で培っていってほしいと思います』

しかし、これが1冊の本になると

まったく違う印象を与える結果になっている。

香山リカさんが『しがみつかない生き方―

「ふつうの幸せ」を手に入れる10のルール』で、

自分も断ることがあることを前提に

勝間さんを批判しているが、このことは

断るほど機会に恵まれていない多くの人を

敵に回してしまうことは明らかだ。

また、断ることをしない人や断ることが出来ない人

の気持ちをまったく無視した形になってもいる。

これは、この本が偶然誤解を与えているのではなく

勝間さんの基本的姿勢から来るものであり

それを受け入れるかどうかの踏み絵なのだ。

では、勝間さんの基本的な姿勢とは

どういうものかというと、生産性重視、

効率重視(経済合理性)ということである。

しかし、これは仕事そのものに適用することは

問題を生じないが、人間関係にあっては

まったく通用しないということを

私は少ない経験の中から学んできた。

勝間さんは「断ること」をしないことが、

生産性向上を阻害し、成長を阻害し、

いかにストレスを溜めるかということを説明する。

そして、どうやれば「断る力」を身につけ、

人に嫌われるのを恐れずに生産的な提言や

交渉を行う好循環をつくることが出来るかを

嬉々として語り続けるが、正直言って痛々しい。

勝間さん個人は仕事を選んでスキルアップ

したかもしれないが、組織の中では必ず

勝間さんが断った仕事をした人がいるはずなのだ。

この点に限れば、勝間さんが非難している

アマゾンのレビューの方が読むに値する。

勝間さんは「私は本については、書く努力の5倍、

売る努力をするということを決めています。」と

明言しているが、もう充分に売れるはずなので

これからは書く努力の方を5倍にし、

出来れば本の数を5分の1にするほうがいい。

この本も、『まねる力』や『目立つ力』と合わせて

1冊の新書にするぐらいの方がすっきりして

その意図を上手く伝えられたのではないだろうか。

まあ、なんだかんだ言っても私は勝間さんの

ファンなので、次はどんなものを出すのだろうかと

楽しみにしているので、バブルがはじけて

どこからも本が出版されないような状況に

ならない程度にしていただければよいのだが。

【目次】(「BOOK」データベースより)
第1章 総論「断る力」の圧倒的な効用を理解する(「断る力」がない人たちは自己主張ができない人たち/「断る力」がないと「2ちゃんねる」で不満をぶちまけてしまう ほか)
第2章 ホップ 自分の揺るぎない軸を持つ(自分の責任を持てるのは自分だけ/ビートたけしさんの「毒舌」の正体とは? ほか)
第3章 ステップ 相手への建設的な影響力を発揮する(「空気」を読んだ上で無視できる力をつける/「影響の輪」を常に意識しよう ほか)
第4章 ジャンプ 「断る力」で、自分と周囲の好循環を作る(「断る力」を身につけると、人間関係が目に見えて変わる!!/人との関わりの中で「自分の軸」が革新していく ほか)

断る...

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