エリヤフ・ゴールドラットさんの『ザ・ゴール』を読んでみた
ゴールドラットさんの『ザ・ゴール 企業の究極の目的とは何か』を読んでみた
(5つが最高)
この分厚い本を手に取るまでは、てっきり
経営学の教科書か何かだと考えていたので、
アレックス・ロゴを主人公とする小説だと
知ったときには正直いって驚いた。
アレックスは、ある機械メーカーの工場長で、
長引く採算悪化を理由に、突然、本社から
工場閉鎖の可能性を告げられる。
残された時間は、3か月という中で、
収益を改善しなければ、工場は閉鎖され、
多くの人が職を失ってしまう状況から話は始まる。
そこからかつての恩師である物理の教授のジョナとの
偶然の再会をきっかけに、工場を再建するべく
アレックスと工場の従業員の奮闘が始まる。
この話の重要な点は、ジョナが答えを
全てアレックスに教えてしまわず、
アレックスと工場の従業員がジョナのヒントを手がかりに
これまでの生産現場での常識を覆す考え方を
自分たちで考えて実行していくところにある。
話は家庭を犠牲にしてきたアレックスと、
妻であるジュリーの別居や家庭崩壊の危機を
織り込みながら最終的にはアレックスが
成長した姿で幕を閉じることになる。
この本の中ではボトルネックという聞きなれた言葉と
スループットという聞きなれない言葉を中心に
TOC(Theory of Constraints:制約条件の理論)が
分かりやすく展開されている。
そして、たどり着くところは次のような地点である。
『私たちが探し求めているものは、いったい何なんだ。
三つの簡単な質問に答えることのできる能力じゃないのか。
『何を変える』、『何に変える』、それから『どうやって変える』
かだ。マネジャーとして求められる、最も基本的な能力を
探し求めているんだ。考えてもみてくれ。この三つの質問に
答えられないような人間に、マネジャーと呼ばれる資格が
あると思うかね』
「自ら学ばなければ駄目だ」というアレックスの言葉は
この分厚い本を読んできた者には納得がいく。
【目次】(「BOOK」データベースより)
1 突然の閉鎖通告/2 恩師との邂逅/3 亀裂/4 ハイキング/5 ハービーを探せ/6 つかの間の祝杯/7 報告書/8 新たな尺度
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