マルコム・グラッドウェルさんの『失敗の技術』を読んでみた
グラッドウェルさんの『マルコム・グラッドウェル
THE NEW YORKER傑作選(2)失敗の技術』を読んでみた
(5つが最高)
今回も、さすがマルコム・グラッドウェルだと
感心させられる箇所が次々に出て来て
各章の話の内容の興味深さは傑作選(1)と
何ら変わることなくとても面白かった。
中でも今回は、第10章の「借りもの」における
知的財産権に関するローレンス・レッシング教授
の『FREE CULTURE』からの次の引用が
特に印象に残ったので記しておく。
『あなたのファッションを私が真似たところで、
私はあなたから何も盗んでいない。とはいえ、
それが毎日ともなれば奇妙に見えるかも
しれないが・・・・・・そうではなく、トマス・
ジェファソンが言ったように(そしてそれは、
とりわけ私が誰かのファッションを真似たときに
当てはまるのだが)「私からアイデアを
受け取る者は、私の教えを受け取りつつ、
私のアイデアを減らすことがない。
私のろうそくの火を使って自分のろうそくに
灯りをつけた者が、私のろうそくの火を
暗くすることがないのと同じだ」』
これはもちろん知的財産権は盗んでも
創作者に被害を与えないということを
意味しているわけではない。
著作権を含む知的財産権が財産権と
言われてはいるが、通常の財産権とは
性質が異なることを上手く現しているのだ。
この分野は日本でもまだまだ法整備が
ネット社会に追いついていない分野であり、
どのように考えていくのが正しいのか
まだはっきりしないところがあって
とても興味深い話題になっていると思う。
ぜひ第10章の全体を何度か読んでみて
自分の考えを形作ってみて欲しいと思う。
もちろん、その他の章も充分に楽しめる。
【目次】(「BOOK」データベースより)
第7章 公開されていた秘密─エンロン、インテリジェンス、そして情報過剰の危険性
第8章 一〇〇万ドルのマレー─ホームレスのような問題は、その都度対処するよりも一気に解決するほうが簡単かもしれない理由
第9章 画像をめぐる問題点─乳がん撮影と空軍力、「見る」という行為の限界
第10章 借りもの─盗作は人生を破滅させるほどの罪か?
第11章 点と点を結べ─諜報活動改革のパラドックス
第12章 失敗の技術─なぜ、ある人は緊張し、別の人はパニックになるのか?
第13章 爆発─チャレンジャー号事故のような惨事は誰の責任か?それは「誰」のせいでもなかった
マルコム・グラッドウェルTHE NEW Y... 価格:1,470円(税込、送料別) |
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