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2010年10月 7日 (木)

勝間和代さんの『お金の学校』を読んでみた

勝間さんの『勝間和代のお金の学校
サブプライムに負けない金融リテラシー』を読んでみた

 (5つが最高)

この本を読んだからといって金融危機に負けないような

金融リテラシーを身につけられるわけではない。

この本は勝間さんが金融や資産運用のプロである

竹中平蔵さん、竹川美奈子さん、太田忠さん、

河口真理子との対談を通じて、投資をする際に

知っておくべき経済のしくみや投資判断等を

磨くための基礎となるキーワードを提供してくれる。

金融の理論や実践的なスキルを身に着けたいので

あれば他の入門書の方が良いと思われる。

しかし、この本は「お金の学校」としては悪くない。

むしろ私にはとても興味深い授業を展開してくれている。

例えば、格差を生み出し痛みだけを国民に与えた

張本人とされている竹中平蔵さんの次の言葉は

私にとっては新鮮で意外感があった。

『改革をしたから格差が拡大したというような
バカな議論は、もうやめたほうがいいですよ。
だって日本は、改革する前から格差が拡大して
いるし、改革が終わったあとも格差が拡大して
いるのです。日本の改革と関係ない外国でも
格差が拡大しているわけですよね』

今まで、竹中さんは改革を途中でやめてしまったから

日本は悪くなってしまったのであって、改革を徹底すれば

格差はなくなるかのような発言をしていたが

この本の中では、格差が拡大していることを認めている。

また、「ばらまき」の定義も簡潔で参考になる。

『本来、別のやり方で解決すべき問題を
財政の資金に頼ること。これがばらまきです』

そして、インフレターゲットというのは当然やるべきで

そういった目標がない日本銀行は責任を負うことが

ないので最強の中央銀行であるとも言っている。

今まで、何だか責任逃れのような言い訳ばかり

すると思っていた竹中さんが政治家になる前のような

明瞭なものの言い方に戻ったようで嬉しかった。

最も分かりやすかったのが制度に関する次の言葉。

『私は、制度を考える場合の基本中の基本は、
民主主義社会において「複雑な制度は悪い
制度である」ということだと思います』

他の3人の人たちも、それぞれ自分の得意な分野の

話を分かりやすく語っていて参考になる点が多かった。

後はどうやって金融リテラシーそのものを身につけるか

という問題になるが、それは今後の勝間さんに期待。

【参考図書】
『リスク』(上)(下) ピーター・バーンスタイン
『「しくみ」マネー術』 竹川美奈子
『ウォール街のランダム・ウォーカー』 バートン・マルキール
『敗者のゲーム』 チャールズ・エリス
『ジム・クレイマーの株式投資大作戦』 ジム・クレイマー
『株式投資 長期投資で成功するための完全ガイド』 ジェレミー・シーゲル

【目次】
1時間目 世の中の大きな動きの中で金融をとらえる
◆竹中平蔵先生から学ぶこと--投資の役割と経済のダイナミズム
2時間目 投資信託を使って資産運用の「仕組み」をつくる
◆竹川美奈子先生から学ぶこと--投資信託の実践的な使い方
3時間目 金融危機に打ち勝つ株式投資術
◆太田忠先生から学ぶこと--個人投資家が株式に投資をするときの心得
4時間目 金融から未来を変える
◆河口真理子先生から学ぶこと--社会的責任を果たす投資とは
ホームルーム 読者からの三つの質問と、勝間からのメッセージ
◆勝間からのメッセージ--金融があなたと社会の未来を変える

勝間和代のお...

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