岡本吏郎さんの『なぜ、あなたの会社は儲からないのか?』を読んでみた
岡本さんの『なぜ、あなたの会社は儲からないのか?
合法的裏帳簿のススメ』を読んでみた
(5つが最高)
この本は、経営者はどうあるべきかという
視点に立ったビジネス書である。
ベストセラーになった『裏帳簿のススメ』に対する
言及が多いため、そちらを先に読んだほうが
良かったようだが、これだけ読んでも
充分理解できるようには作られている。
お金、新規事業、社員教育などの経営常識に
岡本さんらしい反論が分かりやすい。
「流行の節税法」や「ラクして儲かる商売」ほど
実は危険だったりするということに始まり、
日本の税制を上手く使いこなすメリットなど、
イベントの質疑応答のライブ感を残しつつ
軽快に語られていくノウハウはとても参考になる。
「私がナンバー1」と宣言することで大幅に売上を
増やせるという発想や、値下げは会社をダメにする
という難しそうな課題を簡単そうに語る。
「経営者」というのは、とても自由だという反面、
みんながみんな起業する必要もないと
経営者らしいアドバイスもたっぷりで、
企業を考えていない人でもビジネス書として
充分満足の良く構成になっている。
欲を言えば、もう少し一つ一つの事例に関して
掘り下げた解説があれば、もっと楽しめたはず。
岡本さんのほかの作品も読んでみたい。
【目次】(「BOOK」データベースより)
第1章 まずは、税制の環境を知ることが経営のはじまり(資本主義の構造を知ることが、「節税」への近道/経営者の仕事は評論ではない。税制の不満を言うより先にすべきことがある ほか)
第2章 経営にはお金に対するどんな感性が必要なのか?(社会的なことより自分の「美意識」を確認する/常にオプションを多くしておく。そのためにお金が必要だ ほか)
第3章 ビジネス戦略を考えるうえで大事なこと(ブランド戦略(1)―いまや内部留保より大事!!「目に見えない資産」ブランディングを重視せよ/ブランド戦略(2)―つくるより大変なのが、守ること。あの有名企業の例を忘れるな ほか)
第4章 これを知らないと会社が危ない!経営危機を乗り越える決め手(資金繰りに困ったら、銀行に「返せない」と言えばいい/たとえ売上の3倍の借金があっても、状況を好転させている人もいる! ほか)
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