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2010年11月 8日 (月)

城繁幸さんの『3年で辞めた若者はどこへ行ったのか』を読んでみた

城さんの『3年で辞めた若者はどこへ行ったのか
アウトサイダーの時代』を読んでみた

 (5つが最高)

この本は、前作の『若者はなぜ3年で辞めるのか?』の

その後の若者を描いたものとは言えないかもしれない。

けれど、ここには古くなってしまった昭和的価値観が

平成的価値観に破られようとしている姿が示されている。

少し強引なものも含めて、今の私の考え方と照らし

合わせてみて、楽しく読むことが出来た。

今、自分はどのような地点に立っているかということは、

とても気になるところだが、それは最先端に立ちたい

ということとは違い、新しい価値観を受け入れられるか

どうかという試験のようなもので、少し引いた位置で

ありながら、その内実は切実なものをはらんでいる。

また、私よりは若いと思われる作者の城さんの少し古い

価値観が垣間見れるところも何となくほほえましい。

医者やテレビ局の人なら高収入が期待できるというような

その後の病院の倒産やテレビ局の広告収入の落ち込み

などを予見できなかったことは仕方がないだろう。

そして、2008年の奇跡的な売り手市場の就職戦線を

目にしながらの出版であったために、団塊の世代が

退職したことと少子化の影響で「基本的に今後20年

くらいは売り手市場が続くと思われる」という発言などは

痛い感じがして、悪い意味ではなく笑ってしまった。

これが人間の慣れ親しんだ価値観というものなのである。

私たちは新しいものを受け入れる寛大さを示そうと

若い世代に近づいていくが、それが失敗することも多い。

団塊の世代が退職しても人手不足にはならないことは

彼らの仕事ぶりを見てきたものには明らかなはずである。

年功序列という制度に守られてきただけなのだから

当然といえば当然のことで、彼らの抜けた穴は

残念ながらあまり大きくはないのである。

そして、少子化だからといって働き手が少なくなることも

残念ながらないのである。

働き手は移民を受け入れなくとも、海外に工場を移し

現地生産することにより、有り余るほど存在している。

私は今後20年間のことは分からないが、基本的に

売り手市場は特殊な状況下でしか来ないと思う。

私の働く職場も人員は確実に減り、増えることはない。

良いか悪いかという問題は別にしても少子化は

国力の衰えからきているのであって、少子化によって

国力が落ちてきたのではない。

経済が発展しないところに沢山の子供が生まれたら

それこそ大変なことになってしまう。

少子化によって今後経済が発展しなくなるということを

問題視する人がいるが、それは逆である。

将来に希望を見出せないから子供を生まないのである。

考えなければいけないことは、平成的価値観を持った

若者に将来の希望をどうやって持ってもらうかである。

まかり間違っても子供手当てを増額することではない。

【目次】(「BOOK」データベースより)
第1章 キャリア編(「若者は、ただ上に従うこと」―大手流通企業から外資系生保に転職、年収が二〇倍になった彼/「実力主義の会社は厳しく、終身雇用は安定しているということ」―新卒で、外資系投資銀行を選んだ理由/「仕事の目的とは、出世であること」―大新聞社の文化部記者という生き方 ほか)/第2章 独立編(「失敗を恐れること」―大企業からNFLへ/「公私混同はしないこと」―サラリーマンからベストセラー作家になった山田真哉氏/「盆暮れ正月以外、お墓参りには行かないこと」―赤門から仏門へ、東大卒業後、出家した彼の人生 ほか)/第3章 新世代編(「新聞を読まない人間はバカであるということ」―情報のイニシアチブは、大衆に移りつつある/「左翼は労働者の味方であるということ」―二一世紀の労働運動の目指すべき道とは)

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