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2010年11月27日 (土)

勝間和代さんの『日本経済復活一番かんたんな方法』を読んでみた

勝間和代/宮崎哲弥/飯田泰之さんの
『日本経済復活一番かんたんな方法』を読んでみた

 (5つが最高)

この本は、勝間さんが主張してきた脱デフレ政策を

後押しできればと、開かれた緊急座談会をまとめたもの。

金融政策は、やる気になればいつでもできるのに

日銀も政府も脱デフレ政策を怠ってきた。

現状認識をして、対策を立てて実行に移すまで

本当に日本が耐えられるか心配であるが、

この本の中には、簡単にできる対策が並んでいる。

逆に言えば難しいことではないのにやらないということは

もう現在の政権には見込みがないということでもある。

年収300万円というのを目標に頑張っている人まで

現れる中で、確かに高い給与を安定してもらっている

人たちにとってはデフレは笑いが止まらないだろう。

ただし、搾取され続ける若者たちが、いつまでも

大人しいとは限らないし、何よりそういった人たちの

数が増えれば社会保障は崩壊せざるを得ない。

座談会の参加者はみんな高収入だと思われるが、

そんな彼らがデフレのうまみを教授するのではなく

脱デフレを真剣に議論しているところが問題の

深刻さを物語っているのではないだろうか。

いつもながらの鋭さの勝間さんと宮崎さんに

経済学者の飯田さんが理論を提示する。

とても分かりやすい本になっていると思う。

巻末の各自の推薦本も読んでみたくなる。

【推薦本】(一部抜粋)
『デフレと円高の何が「悪」か』 上念司 光文社新書
『脱貧困の経済学 日本はまだ変えられる』
 飯田泰之・雨宮処凛 自由国民社
『日本銀行は信用できるか』 岩田規久男 講談社現代新書
『日銀はだれのものか』 中原伸之 中央公論新社
『増補 経済学という教養』 稲葉振一郎 ちくま文庫
『経済論戦は甦る』 竹森俊平 日経ビジネス人文庫
『経済政策を歴史に学ぶ』 田中秀臣 ソフトバンク新書
『経済成長って何で必要なんだろう?』 飯田泰之ほか 光文社
『コンパクト マクロ経済学』 飯田泰之ほか 新世社
『マンキュー経済学Ⅱ マクロ編 第2版』 東洋経済新報社
『現代マクロ経済学講義 動学的一般均衡モデル入門』
 加藤涼 東洋経済新報社

【目次】(「BOOK」データベースより)
第1章 「失い続ける日本」の課題─閉塞感を打破するために(成熟した社会とは/一身独立して一国独立する/政治に対してシニカルになれ ほか)/第2章 デフレは百害あって一利なし─実力を発揮できない日本経済(問題はサプライサイドか?デマンドサイドか?/日本でハイパーインフレが起きる可能性/まずは安定化政策を ほか)/第3章 正しい金融政策を実行せよ─デフレ脱却のポイント(おカネとモノは表裏一体/5つの提言/2%のインフレを目指せ ほか)

日本経済復活一番かん...

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