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2010年11月 6日 (土)

アリス・シュローダーさんの『スノーボールウォーレン・バフェット伝』(下)を読んでみた

アリス・シュローダーさんの『スノーボールウォーレン・バフェット伝』(下)を読んでみた

 (5つが最高)

バフェット関連の本としては、今回のものは最も分厚い。

世界一の大投資家になっていき、徐々に表舞台に立つ

機会も増えていく中でウォーレン・バフェットが何を考え

「オマハの賢人」としてどのように振舞ったかが

実際の企業名や人名とともに細部まで描かれている。

中心となるのはバークシャー・ハザウェイ、ソロモン、

コカ・コーラ、LTCM、ワシントンポストなど。

登場人物も買収した企業のCEOなど魅力あふれる人が

多数登場するだけでなく、バフェットの家族や

息子同然に親しい間柄になるビル・ゲイツや

常に投資案件をともに吟味してきたマンガーなど

興味深いエピソードに満ちている。

投資手法についての記述が少ないことを

この本の欠点に挙げる人もいるようだが、

この本は、そのように読むべきではないと思う。

バフェットは、実際のところ投資手法のみによって

その巨額の資産を築いたのではないと思う。

ただ割安な株を買い集めただけではない

バフェットの秘密がこの本には書かれていると感じた。

ただ、バフェットの言葉で印象に残ったのは次の言葉。

「だいたいにおいて、私ぐらいの年齢になると、
愛してほしいと思っている人間のうちどれほどの
人間に実際に愛してもらっているかどうかが、
人生の成功の度合いを本当に測る物差しになる。
大金持ちというのはいっぱいいて、功をねぎらう
晩餐会を開いてもらったり、病院の棟に自分の
名前をつけてもらったりする。しかし、世界中の
誰にも愛されていないというのがほんとうのところだ。
私ぐらいの年齢になって、誰にも良く思われて
いなかったら、銀行の貯金がいくら莫大でも、
人生は大失敗だ。そのことは、人生をどう生きて
来たかを表す究極のテストなんだ。あいにく愛は
金では買えない。セックスは金で買える。
功をねぎらう晩餐会も金で買える。どれほど
素晴らしい人物かということを書いたパンフレットは
金でつくれる。だが、愛を得るには愛される人間で
なければならない。金持ちほど口惜しいだろうね。
小切手さえ書けばいいと思っているから。
100万ドル分の愛を買いたい、と。だが、そういう
わけにはいかない。愛はあたえればあたえるほど
もらえるものなんだ。」

それでも、お金の方が大事だという若者は多いだろう。

しかし、ほとんどの人がお金だけでなく愛も得ることが

出来ないのが現実だ。現実は厳しい。

【目次】(「BOOK」データベースより)
第4部 歌うスージー(承前)(公立図書館を運営しているのではない/さあ、それで?/一等賞の青リボン)/第5部 ウォール街の王様(ファラオ/ローズ/レッカー車を呼んでこい ほか)/第6部 預り証(精霊/セミコロン/最後のケイ・パーティー ほか)

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