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2010年12月23日 (木)

城繁幸さんの『7割は課長にさえなれません 終身雇用の幻想』を読んでみた

城さんの『7割は課長にさえなれません 終身雇用の幻想』を読んでみた

 (5つが最高)

この本は、話題になった『若者はなぜ3年で辞めるのか?』

と『3年で辞めた若者はどこへ行ったのか』に続く、

若者をテーマとして描いた新書の3部作の最終作という

位置づけになっているようである。

そして、もしかしたら私は前の2作を読み間違えていた

のかもしれないと思う記述にいくつかでくわした。

最も象徴的だったのが勝間和代さんも指摘していることだが

「終身雇用」が問題の元凶だという指摘であるが、

これに対し私はずっと、すでに「終身雇用」など存在しない

幻想だと感じ続けていたのでそのように記載してきた。

そしてどちらかといえば「終身雇用」が続けられるなら

それは日本的な活力を再び生み出す動力源になる

のではないかという思い違いが有ったようである。

簡単に言ってしまえば、他人がどうなろうが自分は

「終身雇用」で守ってもらいたかったのである。

しかし、この本にある次のような記述は考えさせられる。

『日本型雇用は、文字どおり終身雇用などのメリットが
保証される二階部分と、それを可能とするために
下支えさせられる一階部分とから成る』

ここで二階部分とされているのは1部上場企業などの

大手企業のことであり、一階部分とされているのが

その他大勢の中小零細企業のことである。

『一階部分の企業には、もともと終身雇用や年功序列
といったカルチャーは薄く、非正規雇用労働者と大きな
待遇差はない』

確かに私が転職で経験してきた企業の全てが

この一階部分の企業であったため「終身雇用」という

ことの意味を本当には実感できていなかったらしい。

正直なところ、私の現在勤めている会社は

契約社員には契約期間までの仕事が保障されるが

正社員は1ヶ月前の予告で簡単に解雇されている。

『よく「正社員も苦しい」と言われる場合、引用されて
いるのは一階部分の企業である』

『大企業の終身雇用は守りましょう。そして、
そのために派遣でもなんでも使いましょう』

私が願っていたことは、私を終身雇用してもらいたいという

幻想のために、非正規雇用という階級を生み出す手助けを

知らないままに行ってきたということなのだろうか。

本当は知っていて、非正規社員は能力や努力が足りないと

下に見ることによって、かろうじて正社員でいられる自分の

不安を誤魔化してきたのではあるまいか。

この本は前2作を身近ではあるがどこか他人事として

読んできた私に対して、問題の本質を突きつけてくる。

私にもし社会に対して出来ることがあるとするならば

それは現状を正しく理解するということだろう。

このことは、あまりにも微力で不安になるが、

とりあえずそこからスタートする以外にはない。

出来ることなら自分の子供たちの世代に、非正規社員や

無職の人による無差別殺人が起こらない社会を

作っていってあげたいと心の底から思う。

タイトルよりも副題の「終身雇用の幻想」ということが

この本の核心であると感じるのは私だけではないと思う。

もっと心に刺さるタイトルであれば満点でも良い。

作者の言うとおり、「なんでこんなに生きにくいんだろう」

と感じている人にぜひ読んでもらいたい。

【目次】(「BOOK」データベースより)
第1章 年齢で人の価値が決まってしまう国/第2章 優秀な若者が離れていく国/第3章 弱者が食い物にされる国/第4章 雇用問題の正しいとらえ方/第5章 日本をあきらめる前に/エピローグ 二〇一X年・明るい未来

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