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2010年12月 4日 (土)

メアリー・バフェットさんの『億万長者をめざすバフェットの銘柄選択術』を読んでみた

メアリー・バフェット/デビッド・クラークさんの
『億万長者をめざすバフェットの銘柄選択術』を読んでみた

 (5つが最高)

この本は、バフェットの銘柄選びという最も知りたい

ポイントを詳しく解説してくれている。

該当例として紹介される企業の中に

あまり日本では馴染みのないアメリカの会社も

含まれているということを除けば、満点をつけても良い。

詳細は実際に本を読んでいただくとして、

大まかな銘柄選択の基準を以下に抜き出してみる。

大半の投資家が短期指向なのに対し、

バフェットは優良企業の長期的な投資価値に注目する。

企業をコモディティ型の企業と消費者独占型の企業に

分けて考え、消費者独占型企業に投資する。

値段が唯一の選択基準となるコモディティ型企業の

例としては、航空会社、鉄鋼製品、石油・天然ガス、

林業・製材、紙・パルプ、自動車などである。

コカ・コーラに代表されるような消費者独占型企業を

見分ける8つの基準は次のとおり。

①消費者独占力のある製品・サービスを持つ
②1株あたり利益(EPS)が力強い増加基調にある
③多額の負債を抱えていない
④株主資本利益率(ROE)が充分高い
⑤現状維持に内部留保利益を再投資しない
⑥内部留保利益を利益を生む新規事業や
 自社株買いに自由に使える
⑦インフレを価格に転嫁できる
⑧内部留保利益の再投資が株価上昇につながる

また、高収益を生む消費関連事業を4つに分類する。

①長期使用や保存が難しく、強いブランド力を持ち
 販売業者が扱わざるを得ないような製品を作る事業
②他の企業が事業を続けていくために、持続的に
 使用せざるを得ないコミュニケーション関連事業
③企業や個人が日常的に使用し続けせざるを得ない
 サービスを提供する事業
④宝石・装飾品や家具などの分野で、事実上
 地域独占販売力を持っている小売事業

絶好の買い場が訪れる4つのケースとしては次のとおり。

①相場全体の調整や暴落
②全般的な景気後退
③個別企業の特殊要因
④企業の構造変化

投資収益率を高めるために注意する点は次のとおり。

①可能な限り安値で買うこと
②過去10年のEPSを見て、利益成長を続けていること
③長期の複利効果を生かす高いROEを実現できること
④内部留保利益を上手く再投資する経営陣がいること

これだけの充実した内容を他に探すのは

かなり困難であると思われる。

とにかく一度読んでいただき、内容を吟味してもらいたい。

【目次】(「BOOK」データベースより)
基礎編 バフェットの銘柄選択(市場からの永遠の贈り物―短期指向と悪材料現象/バフェットが重視する優良企業とは/コモディティ型企業は避けよう/消費者独占型企業とは―バフェットの富の源/消費者独占型企業を見分ける8つの基準 ほか)/応用編 バフェットの方程式(なぜ安値で買うことが大切なのか/利益は安定して成長しているか/買値こそ投資収益率の鍵を握る/利益成長率から見た企業の実力/国債利回り以下では投資と呼べない ほか)

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