中野明さんの『ドラッカー流 最強の勉強法』を読んでみた
中野さんの『ドラッカー流 最強の勉強法』を読んでみた
(5つが最高)
この本は、「ドラッカーが本領を発揮したのは、実は
マネジメント系ではなく非マネジメント系の著作に
おいてである」という考えのもとに、ドラッカーが実際に
行っていた勉強法を主に非マネジメント系の著作から
紹介してくれていて、とても参考になる。
中野さんはドラッカーやポーターの解説書を書いている
だけあって、幅広く著作に当たっているだけでなく
解説の仕方も丁寧で分かりやすい。
「マネジメントの父」と称されるドラッカーだが、私自身は
その著作を何度も読もうとして挫折している。
分かりにくい哲学書でも、一応最後まで読む私が
途中で読むのをやめるというのは、あまり経験がない。
けれど、その挫折の理由もこの本を読むと何となく思い
当たることが書かれているので、次は非マネジメント系の
著作に挑戦してみようと思う。
さて、主題の勉強法についてだが、いつものとおり、
私にとって必要なところのみまとめると次のようになる。
①現在の知識社会では、知識こそが最も重要な生産手段
②知識は陳腐化するので、継続学習が不可欠
③継続学習には、3ヵ月テーマと3ヵ年テーマを設ける
④自己啓発の責任は本人にある
⑤勉強テーマ→勉強計画→インプット→アウトプット
⑥勉強テーマは、「価値観」「強み」「機会」を考慮
⑦「価値観」を最優先
⑧「行動経済学」などの大きな話題ほど3ヵ月テーマ
⑨目標には、期限と具体的成果を明確にする
⑩成果を挙げるためには、時にインセンティブを必要
⑪自分自身がスケジュールを決める主体
⑫優先順位と劣後順位を明確に意識
⑬選択と集中とは、計画と実行に他ならない
⑭「フィードバック分析」を実行し、質を継続的に改善
⑮勉強内容の文章化は、全体像を考える
⑯平易な文章で書く
⑰発見の手帳を身近に置く
⑱一生涯の勉強テーマを持つ
「フィードバック分析」のチェックリストは次のとおり。
①半年間でやった優れた仕事は何か
②一生懸命やった仕事は何か
③お粗末な仕事や失敗した仕事は何か
④集中すべきことは何か
⑤改善すべきことは何か
⑥勉強すべきことは何か
未来を予見するような優れた著作を遺したドラッカーが
どのようにして知識を身につけていったのかが、
非常にコンパクトにまとめられていて分かりやすい。
これから勉強のテーマを見つけて、何かを学んでみよう
とする人には、最適の1冊だと思います。
【次に読むお奨めの3冊】
『経営者の条件』 ダイヤモンド社
『ドラッカー20世紀を生きて』 日本経済新聞社
『プロフェッショナルの条件』 ダイヤモンド社
【さらに勉強するための7冊】
『経営者に贈る5つの質問』 ダイヤモンド社
『イノベーションと起業家精神』 ダイヤモンド社
『現代の経営』 ダイヤモンド社
『明日を支配するもの』 ダイヤモンド社
『ポスト資本主義社会』 ダイヤモンド社
『傍観者の時代』 ダイヤモンド社
『断絶の時代』 ダイヤモンド社
【目次】(「BOOK」データベースより)
第1章 長距離型勉強のすすめ─「3カ月と3カ年勉強法」とは/第2章 勉強テーマはこうして決める─「価値観」「強み」「機会」の3要素/第3章 目標をマネジメントせよ─成果を上げる目標設定と自己管理/第4章 時間をマネジメントせよ─勉強時間を確保するための3つのステップ/第5章 「何をしないか」を決めよ─「選択と集中」と「フィードバック」で実行力を上げる/第6章 徹底的にインプットせよ─入手情報の「量」と「質」を上げる技術/第7章 勉強の成果はアウトプットで決まる─書きながら考える技術
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