小宮一慶さんの『新幹線から経済が見える新版』を読んでみた
小宮さんの『新幹線から経済が見える新版』を読んでみた
(5つが最高)
この本は、新幹線という身近な乗り物を題材にして
経営コンサルタントの小宮さんが、経済を分析する
手法を読者に分かりやすく解説してくれている。
たとえば、車窓から見える「野立て看板」から企業の
ブランド戦略を考えてみたり、駅近くのビル工事の
クレーンの数から地価の状況や合成の誤謬を
分析してみせたり、グリーン車で隣に座る客が
いるかどうかによって景気を考えてみたりするなど、
「定点観察」を自分なりの基準で行うことで
新しい発見があることを紹介してくれている。
私は現在は内勤なので新幹線を利用することは
めったにないが、小宮さんのユニークな視点からの
経済動向を読む手法はとても参考になる。
また、飛行機との比較やタクシーの話題なども
織り交ぜ、様々な交通手段の経済性や
所要時間の比較などもとても面白い。
顧客第一主義というところから、様々な業態の顧客
サービスについても触れ、それとの比較でJRに
対するヘビーユーザーとして提言をしているところは
何となく生真面目な小宮さんらしい性格の現われ
のような気がして、別の意味で面白い。
この細か過ぎるようにさえ見える指摘を上手く
相手に納得させるあたりが、経営コンサルタント
として、長年その地位を築いてきた秘訣なのかも
しれないと、そんなことを思ったりもした。
通勤の電車などでも少し回りに目を向けて
この本で紹介されている「定点観察」を自分なりの
基準で行うことを取り入れてみると、いろいろと
気付きが得られて面白いのではないかと思う。
【目次】(「BOOK」データベースより)
第1章 「新幹線」から見える日本経済/第2章 「野立て看板」からみる企業経営/第3章 ビルのクレーンが地価を教える/第4章 新幹線の空席と景気の関係/第5章 フルムーン夫婦の旅行増加からわかる経済状況/第6章 進む鉄道のハイテク化/第7章 新幹線のサービスから見えること
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