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2011年1月13日 (木)

池田信夫さんの『なぜ世界は不況に陥ったのか』を読んでみた

池田信夫/池尾和人さんの『なぜ世界は不況に陥ったのか
集中講義・金融危機と経済学』を読んでみた

 (5つが最高)

この本は、慶応義塾大学経済学部教授の池尾さんと

上武大学大学院経営管理研究科教授の池田さんが

アメリカのサブプライムローン問題に端を発した金融

危機についての分析と、マクロ経済学の新しい主張の

エージェンシー問題、コーディネーションの失敗や

政策の時間整合性などの経済学的問題を論じている。

また、今回の経済危機の分析だけにとどまらず、

日本の「失われた10年」の原因分析にも言及している。

内容に関しては、その正誤も含めて実際に読んで

それぞれに判断してもらう以外にないが、

ある程度の金融知識があると対談形式の集中講義の

面白さが直に伝わってくると思う。

まあ、私のようにアメリカの中央銀行である連邦準備

制度理事会(Federal Reserve Board of Governors)を

FRBと呼ぶと思っていたくらいの人間でも話には

ついていけるので、日経を読んでいる程度でも

問題はないと思う。

ちなみにアメリカなどの英語圏では、 Federalを

略してFED(フェッド)と呼ぶそうですが、私は

連邦準備制度 (Federal reserve system)の略語が

FRSなのを、一般的にはFed(フェッド)、あるいは

The Fed(ザ・フェッド)と呼ぶのだと思っていました。

なお、参考までに全7講の各講義のポイントを

池尾さんのエグゼクティブ・サマリーから

非常に短くだが、引用させていただくと次のとおり。

第1講では、サブプライムローン問題から全般的な
信用危機へと今回の金融危機が深化し、拡大して
いったプロセスをたどります。
第2講では、1970年代末から2007年までの30
年間のアメリカを中心としたマクロ経済の動きを
10年ずつ3つのフェーズに分けて振り返ります。
第3講では、この30年あまりの間の金融ビジネス、
金融技術の展開に関して振り返るとともに、リスク
を取引するということの意義について解説します。
第4講では、理論的に金融危機の発現メカニズム
を考察します。
第5講では、金融危機と経済政策の関連をテーマ
としますが、まずは「政府の失敗」が金融危機に
つながった面があることを指摘します。
第6講では、中長期的な視点から、危機後の金融
と経済の行く末について考察します。
第7講では、日本の1990年代の経験を改めて
振り返ります。

この本を読むと池田さんと池尾さんのそれぞれの

著作をもっと読んでみたいという気持ちになる。

ただ、私には今回のこの本の対談形式が知識

レベルということでは、合っていたと思う。

経済学に興味をもつには、お奨めの1冊。

【目次】(「BOOK」データベースより)
第1講 アメリカ金融危機の深化と拡大─サブプライム問題から全般的な信用危機へ/第2講 世界的不均衡の拡大:危機の来し方1─一九八七年、一九九七年、二〇〇七年までの節目を振り返る/第3講 金融技術革新の展開:危機の来し方2─デリバティブ、証券化、M&A/第4講 金融危機の発想メカニズム─非対称情報とコーディネーションの失敗/第5講 金融危機と経済政策─「市場の暴走」と「政府の失敗」/第6講 危機後の金融と経済の行く末─中長期的な展望と課題/第7講 日本の経験とその教訓─われわれは何を知っているのか

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