三橋貴明さんの『経済ニュースが10倍よくわかる日本経済のカラクリ』を読んでみた
三橋さんの『経済ニュースが10倍よくわかる日本経済のカラクリ
円高がわかれば日本経済がわかる』を読んでみた
(5つが最高)
この本は、1日4万ユーザーを集めるといわれる
スーパーブロガーにして、経済評論家でもある
三橋さんが統計資料などを基に日本経済について
大胆な解説を行っている。
三橋さんの主張で印象に残ったのは次のとおり。
『結局のところ、政府は借金をして需要を呼び起こし、
インフレにしてごまかし続けるのが仕事だと言ってもよい』
『為替介入をして米国債を買うことは国のためではない』
『3~4%の経済成長が実現できれば、国の借金も、
デフレも、少子化も、社会保障問題も、そして円高も
解消できる』
『海の向こう側で、じゃぶじゃぶに金融緩和をしている
以上、日本が手をこまねいていれば円高にならない
はずがない』
『(国際)競争力ランキングに根本的に疑問を感じる
のは、政府が借金を増やすとランクが下がることと、
外国から直接投資が増えるほど、言い換えれば
外国に経済を依存すればするほど順位が上がることだ』
『要するに国同士のモデルが違うのだから、比較など
そもそも不可能だし、無意味だということである』
『利権をむさぼるのは悪事である。利権と結びついた
公共事業はいけない。しかし、公共事業そのものは
悪でも何でもない』
『日本が経常収支の黒字国である以上、外国人が
国債を買っても対外純負債は増えない』
『(日本企業は)むしろガラパゴス化を進めるべきなのだ』
『企業の儲けの源泉は差別化であって、標準化ではない』
『最近は楽天をはじめとして、社員に英語を要求する
会社が出始めている。あんなことは、ほとんど意味がない。
日本の企業の強みは、同じ言語、同じ価値観で社員が密な
コミュニケーションを取れることなのだ』
『都市部に製造業が残る国は繁栄し、都市部から製造業
が逃げた国は衰退する』
どれも分かりやすいが、世間で言われていることと
違うこともあるので、自分できちんと考える必要がある。
三橋さんの主張は、経済成長のために財政出動すべき
ということであり、財政赤字はインフレによって解消できる
ということである。
そして、日本はまだまだ大丈夫ということである。
韓国については、知らないことが多く、サムスンなどを
持ち上げる人が日本にも多いが、本当のところは
どうなのだろうかと興味をもった。
もう少し色々な本を読んでみたくなる良い本である。
【目次】(「BOOK」データベースより)
第1章 なぜ、今日本は円高なのか?/第2章 日本の競争力は落ちているのか?/第3章 グローバル化は歴史の必然か?/第4章 本当にサムスン、現代に学ぶべきか?/第5章 日本の生産性は低いのか?/第6章 なぜ、人民元は買えないのか?
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