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2011年2月 5日 (土)

神谷秀樹(ミタニヒデキ)さんの『ゴールドマン・サックス研究』を読んでみた

神谷さんの『ゴールドマン・サックス研究
世界経済崩壊の真相』を読んでみた

 (5つが最高)

この本は、ゴールドマン・サックスの研究本ではない。

最近のゴールドマン・サックスの悪辣ぶりに呆れている

私としては以前に読んだ野村證券の暴露本のような

ものを想像していたのだが、まったく違っていた。

内容としては、序章を含めた全14章のうちゴールドマン・

サックスに関する記述は、序章の「ゴールドマンとは

何か」と第3章の「古き良きゴールドマン」くらいである。

では、それ以外は何について書かれているかというと

ゴールドマン・サックスを含む金融機関を野放しにして

きたためサブプライム問題のような深刻な金融不況を

引き起こした世界経済をまずは振り返ってみる。

そして、大きくて潰せないという理由で金融機関を

救済したことにより当面の大恐慌は免れたが

今現在のデトロイトの惨状が将来の日本の姿になる

かもしれないという警鐘を鳴らしている。

デトロイトは多いときで人口が200万人もいたにも

かかわらず、今では80万人にまで減ってしまい

不動産などは驚くべき安さでも買い手がつかず、

産業が壊滅的なダメージを受けてしまったという。

さらに、金融機関を救済したことでアメリカの

財政が悪化し、行政のサービスが低下していることや、

今後、「二番底」が来る恐れがあることなどを指摘する。

それでは、アメリカの景気が回復しないまま、

最悪の場合は、経済危機が政治(戦争)の危機となる

そういった厳しい現実の中で、日本はさらに沈んで

いってしまうのだろうか。

そこでキーワードは、「イノベーション・エコシステム

(技術革新を生む生態系)」ということになる。

日本は「技術は一流、経営は二流」というような

考えを捨て、本当の技術革新を目指すべきだという。

そして、その革新的な技術を生み続けているのが

イスラエルであり、ブラジルなども「実業の国」として

労働集約型ではない現代的な大規模農業を

実践していることを紹介している。

金融立国を目指すというような寝ぼけたことを

言っていた日本は「虚業の国」になり下がり、

20年前と同じ水準のGDPにもかかわらず

借金はなんとGDPの2倍を超えてしまった。

この本は、元ゴールドマン・サックスのバンカーだった

神谷さんの「若い世代」に対するメッセージである。

我々は「二番底」に備えつつ、ルネサンスを起こす

子供たちに期待しつつ、「土と水と光」を残して

あげなければならない。

けっして、借金だけを後世に残す存在になっては

いけないのである。

ゴールドマン・サックスの研究ではないが

この本の評価を甘くした理由は、やはり私が知らな

かったアメリカの暗部やイスラエル、ブラジルの

現状を断片的にせよ伝えてくれた切り口の

新鮮さに興味が持てたからである。

ゴールドマン・サックスについて読みたい方は

別の本に当たるほうがよいだろう。

【目次】(「BOOK」データベースより)
ゴールドマンとは何か/強欲資本主義は死なず/怒る庶民/古き良きゴールドマン/オバマとの戦い/怒る企業/怒る政府と「封じ込め政策」/財政破綻の行きつく先/迫り来る危機「慢性病」と「急性病」/真のバンカーが求められる時代/デトロイトの没落と希望/イノベーション・エコシステム(技術革新を生む生態系)/実業の時代へ/「二番底」に備えよ

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