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2011年2月24日 (木)

坪井ひろみさんの『グラミン銀行を知っていますか』を読んでみた

坪井さんの『グラミン銀行を知っていますか
貧困女性の開発と自立支援』を読んでみた

 (5つが最高)

この本は、マイクロクレジットという貧困女性向け金融に

かかわることで、生活の質を高めようと懸命に生き、

自分の置かれた境遇に必死で挑戦する女性たちの姿を

年齢や固有名詞まで含めて具体的に伝えている。

この本で紹介されている成功しているマイクロクレジット・

プログラムの特徴は次のとおり。

・最貧困層が対象である
・プログラムは女性が融資を受けやすいように
 運営されている
・融資の審査と承認の手続きが容易である
・融資や関連サービスを便利で友好的に、
 近隣・村レベルで提供している
・融資は少額で、短期間(3ヶ月から1年)である
・貸付けの回収方法がわかりやすい
・貸付けの返済が終わると同時に、より多額の
 融資を提供している
・開発途上国では運営コストをまかなえるほどの
 利子率を、先進国では少なくとも一般の銀行と
 同水準の利子率を設定している
・貯蓄を奨励している
・ビジネスに関する情報や専門知識をもち、
 零細起業家に助言を行っている

また、グラミン銀行の大きな特徴は以下の6つ。

①貧しい人びとしか融資を受けられないこと
②メンバーになるためには自分たちで5人
 グループをつくること
③担保はいらないが5人で連帯して返済に責任を持つこと
④毎週集会所で開かれる集会に参加すること
⑤支店の行員が集会場に来ること
⑥自分たちで考えて経済活動に融資を活用すること

この本が出版された2006年当時はまだ日本の貧困問題

については、あまり取上げられていなかったのだろうが、

世界中の貧困問題を抱える国々にとって、マイクロ

クレジットの成功の意義はきわめて大きいのだろう。

銀行の利子率とは比べ物にならないくらいの高利貸し

しか存在しない日本の貧困問題がこれ以上深刻な

ものにならないことを祈るばかりである。

そして、この本を読むと、ただ単にお金を与える援助では

なく、少額ではあるが利子をとって貸し付けることにより

女性を社会にかかわらせる仕組みは、貧困地域の女性の

生活ぶりを知ると、とても重要なことであることが分かる。

日本の都市銀行やアメリカの投資銀行のあり方に

うんざりしている人は、ぜひ銀行の別のあり方を

知るために読んでみて欲しい1冊である。

【目次】(「BOOK」データベースより)
第1章 マイクロクレジットとは何か(融資は少額で貧しい人だけに/マイクロクレジットは貧困を緩和するためのもの ほか)/第2章 グラミン銀行とは何か(グラミン銀行誕生と貧しさの基本的な考え方/グラミン銀行の仕組みと女性のかかわり方)/第3章 グラミン銀行の活動(集会は「私の学校」/「私」が所有する家 ほか)/第4章 フィールド・レポート―また女性たちに会いたくて(グラミン銀行2の女性たち/物乞自立支援プログラムの女性たち ほか)

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