照屋華子さんの『ロジカル・シンキング』を読んでみた
照屋華子/岡田恵子さんの『ロジカル・シンキング
論理的な思考と構成のスキル』を読んでみた
(5つが最高)
この本は、体系立った思考に基づき、シンプルで実践的な
ロジカル・コミュニケーションの技術が習得できるように
具体的な例題などが出題されていてとても学びやすい。
タイトルは「ロジカル・シンキング」だが、この本の中では
一貫して「ロジカル・コミュニケーション」のための考え方
ということで、その「技術」が紹介されている。
これを「技術」として取り扱っている理由は、訓練を積めば
誰でも身に付けられるものという位置づけのためである。
では、その「技術」の内容はというと、まず論理的に思考を
整理する技術として2つあって、その1つ目としてMECE
(ミッシー)が紹介されている。
これはよく勝間さんがマッキンゼーで学んだこととして
紹介している話の重複・漏れ・ズレを防ぐものである。
MECE自体にはズレがないという概念は含まれていない
ようであるが、この本の中では3つの誤りを防ぐために
用いるものとされている。
MECEの代表的なものとして次の例が載っている。
①戦略の3C/4C
【自社、競合、顧客・市場それにチャンネル】
②マーケティングの4P
【価格、製品、チャネル、訴求方法】
③組織の7S
【戦略、共通するミッション、構造、制度、社員、
技術、組織風土のバランス】
④効率・効果
⑤質・量
⑥事実・判断
⑦短期・中期・長期
⑧過去・現在・未来
⑨事業システム
そしてこれらを上手くグルーピングして部分集合を作ると
分かりやすい説明ができるということである。
2つ目としてSo What?/Why So?というものが
紹介されている。
これは、結局どういうことなのか?/なぜそのようなこと
が言えるのか?という関係で階層化するものである。
ここでMECEとSo What?/Why So?の関係を
論理の基本構造ということでまとめると次のように
3つの要件を満たすようになっている。
要件1 結論が課題(テーマ)の「答え」になっている
要件2 縦方向に結論を頂点としてSo What?/
Why So?の関係が成り立つ
要件3 横方向に同一階層内の複数の要素が
MECEな関係にある
また、論理パターンの基本は「並列型」と「解説型」の
2つであり、これを上手く組み合わせて使う。
要するに与えられた課題に対して、自分が言いたい
ことではなく、「答え」を納得してもらえる形で提示する
ためにツリー状の論理構成をとるということである。
これが上手く使えるようになれば、かなり説得的な
議論が可能となると思うが、実際にこれだけの論理
構成を仕事時間内に上手く組み込むことは難しい
かもしれない。
しかし、私の場合はコンサルタントではないので
完全な形でないにせよ、このようなことを意識して
文章を構成していくだけでも、かなり今までと違うものが
できる気がする。
何でも取り入れてみるのが、このブログを始めた
目的でもあるので、いずれ使ってみたいと思う。
2つの「技術」に絞り込まれているので、導入しやすい
という意味では、とても上手くまとめられている。
「何が言いたいのか分からない」と上司から言われて
論理的な思考の必要性を感じているような人には
とても参考になる本だと思います。
【目次】(「BOOK」データベースより)
第1部 書いたり話したりする前に(相手に「伝える」ということ/説得力のない「答え」に共通する欠陥)/第2部 論理的に思考を整理する技術(重複・漏れ・ずれを防ぐ/話の飛びをなくす)/第3部 論理的に構成する技術(So What?/Why So?とMECEで「論理」を作る/論理パターンをマスターする/論理パターンを使いこなす)
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