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2011年2月 3日 (木)

照屋華子さんの『ロジカル・シンキング』を読んでみた

照屋華子/岡田恵子さんの『ロジカル・シンキング
論理的な思考と構成のスキル』を読んでみた

 (5つが最高)

この本は、体系立った思考に基づき、シンプルで実践的な

ロジカル・コミュニケーションの技術が習得できるように

具体的な例題などが出題されていてとても学びやすい。

タイトルは「ロジカル・シンキング」だが、この本の中では

一貫して「ロジカル・コミュニケーション」のための考え方

ということで、その「技術」が紹介されている。

これを「技術」として取り扱っている理由は、訓練を積めば

誰でも身に付けられるものという位置づけのためである。

では、その「技術」の内容はというと、まず論理的に思考を

整理する技術として2つあって、その1つ目としてMECE

(ミッシー)が紹介されている。

これはよく勝間さんがマッキンゼーで学んだこととして

紹介している話の重複・漏れ・ズレを防ぐものである。

MECE自体にはズレがないという概念は含まれていない

ようであるが、この本の中では3つの誤りを防ぐために

用いるものとされている。

MECEの代表的なものとして次の例が載っている。

①戦略の3C/4C
 【自社、競合、顧客・市場それにチャンネル】
②マーケティングの4P
 【価格、製品、チャネル、訴求方法】
③組織の7S
 【戦略、共通するミッション、構造、制度、社員、
 技術、組織風土のバランス】
④効率・効果
⑤質・量
⑥事実・判断
⑦短期・中期・長期
⑧過去・現在・未来
⑨事業システム

そしてこれらを上手くグルーピングして部分集合を作ると

分かりやすい説明ができるということである。

2つ目としてSo What?/Why So?というものが

紹介されている。

これは、結局どういうことなのか?/なぜそのようなこと

が言えるのか?という関係で階層化するものである。

ここでMECEとSo What?/Why So?の関係を

論理の基本構造ということでまとめると次のように

3つの要件を満たすようになっている。

要件1 結論が課題(テーマ)の「答え」になっている
要件2 縦方向に結論を頂点としてSo What?/
     Why So?の関係が成り立つ
要件3 横方向に同一階層内の複数の要素が
     MECEな関係にある

また、論理パターンの基本は「並列型」と「解説型」の

2つであり、これを上手く組み合わせて使う。

要するに与えられた課題に対して、自分が言いたい

ことではなく、「答え」を納得してもらえる形で提示する

ためにツリー状の論理構成をとるということである。

これが上手く使えるようになれば、かなり説得的な

議論が可能となると思うが、実際にこれだけの論理

構成を仕事時間内に上手く組み込むことは難しい

かもしれない。

しかし、私の場合はコンサルタントではないので

完全な形でないにせよ、このようなことを意識して

文章を構成していくだけでも、かなり今までと違うものが

できる気がする。

何でも取り入れてみるのが、このブログを始めた

目的でもあるので、いずれ使ってみたいと思う。

2つの「技術」に絞り込まれているので、導入しやすい

という意味では、とても上手くまとめられている。

「何が言いたいのか分からない」と上司から言われて

論理的な思考の必要性を感じているような人には

とても参考になる本だと思います。

【目次】(「BOOK」データベースより)
第1部 書いたり話したりする前に(相手に「伝える」ということ/説得力のない「答え」に共通する欠陥)/第2部 論理的に思考を整理する技術(重複・漏れ・ずれを防ぐ/話の飛びをなくす)/第3部 論理的に構成する技術(So What?/Why So?とMECEで「論理」を作る/論理パターンをマスターする/論理パターンを使いこなす)

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