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2011年2月17日 (木)

マッテオ・モッテルリーニさんの『経済は感情で動く』を読んでみた

マッテオ・モッテルリーニさんの『経済は感情で動く
はじめての行動経済学』を読んでみた

 (5つが最高)

この本は、行動経済学と神経経済学について

いくつもの問いに答える形で学ばせてくれる。

たとえば、「お金の価値は一定」ということは

幻想であって、ギャンブルで得たお金と

汗水流して稼いだお金は同じではないとか。

あるいは、3つあると真ん中を選ぶので

売りたい値段より高い価格帯を用意しておくと

真ん中が最も売れて効果的とか。

選択肢が多すぎると選択を遅らせるか

選択しないという結果をもたらすとか。

「時間的な選好の逆転」の話や、自分のものに

なると値が上がる「保有効果」について、

過去の投資が将来の投資を左右することを

「コンコルドの誤謬」あるいは「サンクコスト

(効果)の過大視」と呼んだりすること。

中でも面白い話は、人が意思決定をしたり判断を

下すときには、厳密な論理で一歩一歩答えに

迫るアルゴリズムとは別に直感で素早く解に到達

する方法である「ヒューリスティクス」があること。

また、行動経済学の最大の発見でもある

プロスペクト理論は、人間は利得の場面では

確実性を好み、損失の場面では賭けを好むことや

利得・損失が小さい場合は変化に敏感で、

大きくなると感応度が鈍くなることを教えてくれる。

さらに、同額であれば、利得獲得による満足度より、

損失負担による悔しさの方が大きいことも

グラフで示されていて非常に納得がいく。

数多くの問いの中には、これまで読んできた

別の本にも載っていたような類似のものがあり

論理的な回答ができたものも多かったが、

161ページから164ページにかけての

問37と問38は完全に引っかかってしまった。

数学には自信があったので、これはショックだった。

まあ、自信過剰になってしまうことも人間の特性で

あると、この本の中でも指摘されているけれど。

最後に、人間の特性で気をつけたいと思ったことに

ピーク・エンドの法則というのと、アンカリング効果、

プラシーボ効果やフレーミング効果がある。

特に経験の快苦の記憶は、ほぼ完全にピーク時と

終了時の快苦の度合いで決まるというピーク・

エンドの法則には惑わされないようにしたいものだ。

前半の行動経済学と後半の神経経済学の両方に

とても参考になるものが多く、行動経済学に興味の

ある人には絶対にはずせない1冊である。

【目次】(「BOOK」データベースより)
1 日常のなかの非合理(頭はこう計算する/矛盾した結論を出す/錯覚、罠、呪い/「先入観」という魔物/見方によっては得/どうして損ばかりしているのか/お金についての錯覚)/2 自分自身を知れ(リスクの感じ方はこんなに違う/リスクとの駆け引き/知ってるつもり/経験がじゃまをする/投資の心理学/将来を読む)/3 判断するのは感情か理性か(人が相手の損得ゲーム/怒れるニューロン/心を読むミラーゲーム/理性より感情がものを言う/人間的な、あまりに人間的なわれわれの脳)

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