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2011年2月12日 (土)

小宮一慶さんの『一流になる力』を読んでみた

小宮さんの『一流になる力
ビジネスで勝ち残るための教科書』を読んでみた

 (5つが最高)

この本は、現在が残念ながら優勝劣敗の二極化の

世界になっていることを告げている。

ビジネスではスキルを磨いて自らの価値を高めた人

だけが抜擢され、高給を得るようになる。

勉強していない人、有用な人脈を持たない人、

「そこそこにいよう」と考える向上心のない人は、

二極化時代には底辺に留まってしまう。

これは私に向けて書かれた本であるかと思うほど

痛いところをついていると思わせられた。

なぜなら、私こそがつい最近まで「そこそこにいよう」と

考える人の典型であったからである。

しかし、この本を読むともうそのような考え方では

生き残れないことがはっきりと分かってくる。

まず取り組むべきなのは、優れた経営者の本から、

「考え方」を学ぶこと。

たとえば、松下幸之助さんや稲盛和夫さんは、

「正しい考え方」を持っていたからこそ、

日本を代表する事業家になれたという。

私は、恥ずかしながら二人の著作を読んだことがない。

私には何となくビジネスの成功者を大したことがない

人と思いたがる傾向が今まではあった気がする。

しかし、この本には、その考えは間違いであると

はっきりと書かれている。

仕事や報酬をもらうということは、悪いことではない。

「お金が欲しい、お金が欲しい」と思ってお金を得る

ことは、私利私欲であるが、逆に人々を幸せにしようと

考え、よい仕事をした結果としてお金を得ることは、

私利私欲ではないという。

お金は良い仕事をしたことの「ごほうび」なのだ。

お金は目的ではなく、良い仕事をした結果なのだ。

このことは会社でも同様で、利益は「目標」であっても

「目的」ではないということ。

「目標」とは、そこに至るまでの通過点であり、

単なる評価ポイントである。

それに対して、「目的」とは、存在意義なのだ。

では、良い仕事をするためにはどうしたらよいのか。

ビジネスパーソンが30代半ばまでにやっておくべき

準備は、「正しい考え方を確立しておく」ことと、

「生きてゆくための技を磨いておく」ことだという。

そして、二極分化の時代にビジネスパーソンが

身につけておくべき「技」とは、順番に次のとおり。

①今の自分の仕事に関係すること
②会計や会社法など、会社に関係すること
③マクロ経済など、世の中全体に関係すること

この順番に勉強してゆくのが良いということ。

昔は一人前を目指せばそれで良かったが、

現在では一流を目指さなければ落ちていく。

このことは一見すると不幸なようにも思えるが

実は早くからそのことに気づいた人にとっては

意外とチャンスなのかもしれない。

なぜなら、マジメにやっているだけの人は

残念ながら落ちていかざるを得ないからだ。

若いビジネスマン、それもマジメなビジネスマンに

ぜひ読んでもらいたい1冊である。

なお、第1刷のP188の誤植は、講談社の本でも

こんなことがあるのかとビックリしたのは、蛇足。

【目次】(「BOOK」データベースより)
プロローグ “二極化”時代をあなたは勝ち残れるか?/第1部 一流になる力1・環境を正しく読み解く(プロの時代)/第2部 一流になる力2・正しい考え方を持つ(“仕事についての正しい考え方”「考え方」が誤っていると成功しない/“会社についての正しい考え方”会社と自分を正しく見極める)/第3部 一流になる力3・正しく行動する(「一流」をめざして勉強する/自立して生きる)/エピローグ 天職を見つけるために/特別付録 統計数値からマクロ経済とビジネス環境を「読み解く」

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