陰山英男さんの『百ます計算の真実』を読んでみた
陰山さんの『百ます計算の真実』を読んでみた
(5つが最高)
この本は、陰山メソッドとして有名になった百ます計算
についてだけではない、充実した教育論となっている。
「経済格差=教育格差」、「子どもたちは史上最悪に
荒れている」、「日本の教育は改革が必要」など、
教育の常識とされていることの8割は間違っているとし、
学力低下問題の真実と本当に効果的な対策について
陰山さんがデータに基づき丁寧に解説してくれている。
そして、陰山さんは百ます計算だけでは限界がある
ことも、とてもよく分かっているので、それ以外にも
色々と陰山メソッドとして子供たちのためになることを
やり続けているところがスゴイのである。
百ます計算に批判的な人は、それだけを取上げ
何か問題があるように言うことが多いが
ではその人たちが子供に何かしてあげたか、
成果の上がる教育をしたのかと問えば
それらの批判がくだらないものであることが分かる。
そして、そのくだらない批判が日本の教育を悪く
していた原因でもあるのだ。
詰め込みが悪い、競争が悪いという大人たちは
みんな詰め込みや競争によって今の発言できる
地位を得ている人ばかりである。
私が考えるところでは、悪かったのは競争ではなく
競争に負けた人への敗者復活の道がなかったこと
であるにすぎない。
極論すれば、詰め込みは悪くなく、何を詰め込む
のかさえ問題ではない。
必要なのは、詰め込みによって脳を鍛えること。
若いうちに脳を鍛えられるなら、それこそ方法は
何でもいいのである。
そして、出来なかったことが出来るようになり、
自信が得られるなら、百ます計算は最も単純で
効果的な指導方法である。
ただ、注意しなければならないのは、読み書き
計算は、正しい生活習慣の上に成り立つものであり
多様な学習の基礎になるものであるということだ。
ここのところさえ間違わなければ、百ます計算は
とても有効な指導法である。
そして、「基礎基本+知的好奇心=本当の学力」である。
自宅での百ます計算導入を考えている方は
ぜひこの本を読んで、正しく取り組んでもらいたい。
【目次】(「BOOK」データベースより)
1章 百ます計算の真実/2章 これでいいのだ、日本の教育/3章 教育の常識を疑え!/4章 今、家庭とは/5章 受験学力は生きる力/6章 基礎基本だけじゃ学力は伸びない!/7章 日本の教育はどこへいく?
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