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2011年3月29日 (火)

小倉昌男さんの『経営はロマンだ!』を読んでみた

小倉さんの『経営はロマンだ!』を読んでみた

 (5つが最高)

この本は、平成14年に日本経済新聞紙上に

「私の履歴書」として連載されたものを1冊に

まとめたものである。

もともと好感を持っていたクロネコヤマトの

社長の自叙伝だったので、面白く読めた。

テニスに熱中しながらも東大に入学し、

闘病生活も経験するなど、私が知らなかった

小倉さんの姿が描かれていて興味深い。

そして、何と言っても一番の読みどころは

筋の通らないことは許さないという性格から

宅配便の免許をめぐって官僚と対決するところ。

当時の運輸相を相手取り、東京地裁に

「不作為の違法確認の訴え」を起こすに至って、

官僚と戦う男のイメージが定着する。

免許問題や信書問題はあまりにも有名だが、

ここのところは本音が書かれている。

また、政治家との付き合いがあったにもかかわらず

自分が政治家の力を借りれば、免許の交付に

反対している業者も別の政治家に口利きを依頼

するに違いないから、そうなっては先生同士は

足して2で割る妥協をすると考え、自分の要望を

完全に通すため、あえて政治家の力を借りなかった

という姿勢は、小倉さんらしい。

さらに、福祉の現場に経営的視点を導入することに

尽力し、ヤマト福祉財団を作ってパン屋を開いたり

する話は、名経営者の晩年としてはありがちだが

実際にやって見せるあたりは、さすがである。

この本の巻末の関連略年譜では、2002年の10月

までで終わっているが、残念ながら小倉さんは

その後2005年の6月に80歳で亡くなっている。

郵政省に友人がいたこともあり、宅配便事業にも

関心があったことから、小倉さんの訃報には

その当時かなりのショックを受けたことを今でも

覚えている。

ヤマト運輸の経営からはすでに引いていたが

郵政民営化の過程で、小倉さんなりの提言は

必ずなされると思っていただけに残念であった。

政治家を使わず、最後まで官僚と戦った男が

現在の郵政民営化の形を見たら何と言っただろう。

【目次】(「BOOK」データベースより)
生い立ち/はにかみ屋だった子供時代/素晴らしきジェントルマン教育/寮生活で青春を謳歌/東大入学と戦争/テニスコートと恋/闘病の日々/駆け出し会社員時代/経営者の心構えを学ぶ/じりじりと業績が悪化〔ほか〕

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