スディール・ヴェンカテッシュさんの『ヤバい社会学』を読んでみた
スディール・ヴェンカテッシュさんの『ヤバい社会学
一日だけのギャング・リーダー』を読んでみた
(5つが最高)
この本は、怖いもの知らずの社会学者ヴェンカテッシュ
とギャング・リーダーのJTの間の不思議な友情を描いた
アメリカ最悪のゲットーであるシカゴのロバート・テイラー・
ホームズでの奇妙な物語である。
私はこれが社会学であるかどうかを知らないが、
対象を直に観察したり、対象の人たちと一緒に暮らし
たりして調査を行うエスノグラファー(民俗誌学者)として
地下経済に乗り込んでいく人がいるなんて驚きだ。
また、著者がギャング・リーダーやヤクの売人、ヤク中、
ホームレス、売春婦、警官たちと知り合い、麻薬の蔓延
や相次ぐ発砲・暴力事件の中、警察も救急車も来ない
ようなスラム街で、ギャングと住民が複雑に絡み合って
共生している世界をまるごと伝えようとしているのにも
驚くとともに興味が尽きない。
実際には、危険がいっぱいで、近づくこともできない
ような世界なのだろうけど、本で読む限りにおいては
この物語が終わってしまうことが残念に思える。
『ヤバい経済学』で取上げられていた部分だけではなく、
他のどの部分をとっても、ほんとに1冊まるごと楽しめる。
【目次】(「BOOK」データベースより)
第1章 貧しい黒人なのってどんな感じ?/第2章 フェデラル・ストリート、はじめの一歩/第3章 誰かがぼくを見守ってる/第4章 一日だけのギャング・リーダー/第5章 ベイリーさんのご近所/第6章 シノギする人される人/第7章 ブラック&ブルー/第8章 いっしょにいようよギャング
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