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2011年3月31日 (木)

スディール・ヴェンカテッシュさんの『ヤバい社会学』を読んでみた

スディール・ヴェンカテッシュさんの『ヤバい社会学
一日だけのギャング・リーダー』を読んでみた

 (5つが最高)

この本は、怖いもの知らずの社会学者ヴェンカテッシュ

とギャング・リーダーのJTの間の不思議な友情を描いた

アメリカ最悪のゲットーであるシカゴのロバート・テイラー・

ホームズでの奇妙な物語である。

私はこれが社会学であるかどうかを知らないが、

対象を直に観察したり、対象の人たちと一緒に暮らし

たりして調査を行うエスノグラファー(民俗誌学者)として

地下経済に乗り込んでいく人がいるなんて驚きだ。

また、著者がギャング・リーダーやヤクの売人、ヤク中、

ホームレス、売春婦、警官たちと知り合い、麻薬の蔓延

や相次ぐ発砲・暴力事件の中、警察も救急車も来ない

ようなスラム街で、ギャングと住民が複雑に絡み合って

共生している世界をまるごと伝えようとしているのにも

驚くとともに興味が尽きない。

実際には、危険がいっぱいで、近づくこともできない

ような世界なのだろうけど、本で読む限りにおいては

この物語が終わってしまうことが残念に思える。

『ヤバい経済学』で取上げられていた部分だけではなく、

他のどの部分をとっても、ほんとに1冊まるごと楽しめる。

【目次】(「BOOK」データベースより)
第1章 貧しい黒人なのってどんな感じ?/第2章 フェデラル・ストリート、はじめの一歩/第3章 誰かがぼくを見守ってる/第4章 一日だけのギャング・リーダー/第5章 ベイリーさんのご近所/第6章 シノギする人される人/第7章 ブラック&ブルー/第8章 いっしょにいようよギャング

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