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2011年4月 1日 (金)

須田慎一郎さんの『内需衰退』を読んでみた

須田さんの『内需衰退
百貨店、総合スーパー、ファミレスが
日本から消え去る』を読んでみた

 (5つが最高)

この本は、デフレに苦しむ日本の内需について

私たち下流層の大幅な増加に焦点を当てて

丁寧に解説してくれている。

特に百貨店、総合スーパー、ファミレスに対しては

辛口のコメントでその理由も分かりやすい。

まずは百貨店について、「デパクロ」という言葉を

取上げて、百貨店がユニクロを招致することに

活路を見出そうとするのは、かつての過ちを繰り返す

もので、夢を売る商売からの転落を意味するという。

また、総合スーパーについては、高利益率の衣料品

の不振が悩みの種であり、頼みのプライベートブランドも

売れているのは食品だけということらしい。

さらに、ファミレスは料理が客に飽きられただけでなく

ドリンクバーの導入により接客サービスが極端に劣化し

高齢者のたまり場くらいでしか生き残れないようだ。

逆に上手く生き残っている企業として個別に名前が

挙がっている企業は、牛丼以外にも様々なメニューを

工夫している「すき家」や「松屋」、マーケティングと

マネジメントに優れていて高い値段設定でも買わせる

「マクドナルド」、デフレの犯人などではなく商品開発力

の高い「ユニクロ」、徹底したマーケティングで成功して

いるアパレルの「アーバンリサーチ」などだ。

この本を読んでいて思ったことは、かつてユニクロは

安くてもダサいというイメージだったが、今では

私にとってはブランド物で、高くて手が出ないことだ。

そして、売れていないとされる総合スーパーの

値下げされた洋服を黙って着るしかないことだ。

さらに言えば、マクドナルドの高額商品には手が出ない。

100円マックの組み合わせで、昼を安くあげている。

下流層の更なる増加が、この本で紹介されている

勝ち組さえも負け組にしてしまわないことをせつに祈る。

【目次】(「BOOK」データベースより)
序章 「新・下流層」の消費マインドをとらえろ!(もう給料が上がらない時代の消費マインド/ユニクロが刺激する「すさまじいお買い得感」 ほか)/第1章 百貨店が日本から消滅する日(世界で最も銀聯カードが使える街・銀座/銀座を席巻するファストファッション ほか)/第2章 総合スーパーの衰退とコンビニの憂鬱(新たなる主役交代の予兆/「総合」とは名ばかりのGMSのアキレス腱 ほか)/第3章 デフレ地獄に苦しむ外食産業(デフレ地獄の共犯者は誰だ?/吉野家の値下げは終わりの始まり ほか)/第4章 勝ち組と負け組の決定的な違い(米国バブル崩壊で発生したミスマッチ/合併破談で露呈した飲料業界の前途 ほか)

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