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2011年4月 5日 (火)

友野典男さんの『行動経済学』を読んでみた

友野さんの『行動経済学
経済は「感情」で動いている』を読んでみた

 (5つが最高)

この本は、新書としてはかなりのボリュームがあるが

「行動経済学」の基礎を数式も交えて網羅的に詳しく

解説してくれている。

内容としては、これまでの経済学が扱っていた完全に

合理的な「経済人」という特別の人々の話ではなく、

感情や直感、記憶など、心のはたらきを重視し、

私たちの現実により即した新しい経済学としての

行動経済学を様々な理論とともに紹介している。

特徴的なのは、これまでの行動経済学の本が

どちらかというと人間の非合理的な側面の強調に

あったのに対して、この本は人間の予測可能な

「限定合理的」な側面に着目して話を展開している。

要するに、人間を非合理的な存在としてのみとらえる

のではないということである。

これは「ヒューリスティクス」の紹介の場面に特によく

現れており、「不完全ではあるが役に立つ方法」や

「発見に役立つ」ものとして扱われている。

もちろん、「ヒューリスティクス」が完全な解法ではない

ので、時にとんでもない間違いを生み出す原因と

なってしまう点も指摘しているが、他の本ほどには

人間が合理的でないことを強調していない。

これから行動経済学の入門書を手にしようという人には

とてもいい1冊だと思う。

日本人の書いたものだけあって次のような記述もあって

外国人による行動経済学の解説本にはない楽しさもある。

『経済人は感情に左右されず、もっぱら勘定で動く人々
である。経済人は市場は重視するが、私情や詩情には
無縁である。金銭に触れるのは好きだが、人の琴線に
触れることには興味がないような人なのだ』

できればもう少しコンパクトであれば、文句なしである。

【目次】(「BOOK」データベースより)
第1章 経済学と心理学の復縁―行動経済学の誕生/第2章 人は限定合理的に行動する―合理的決定の難しさ/第3章 ヒューリスティクスとバイアス―「直感」のはたらき/第4章 プロスペクト理論(1)理論―リスクのもとでの判断/第5章 プロスペクト理論(2)応用―「持っているもの」へのこだわり/第6章 フレーミング効果と選好の形成―選好はうつろいやすい/第7章 近視眼的な心―時間選好/第8章 他者を顧みる心―社会的選好/第9章 理性と感情のダンス―行動経済学最前線

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