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2011年4月28日 (木)

井上理(イノウエオサム)さんの『任天堂“驚き”を生む方程式』を読んでみた

井上さんの『任天堂“驚き”を生む方程式』を読んでみた

 (5つが最高)

この本では、任天堂の成功を語るときに欠かせない

人達の考え方をとても分かりやすくまとめている。

そして、紹介されている人物も多様で、たとえば

ハード開発のトップの竹田玄洋、社長の山内に

請われて任天堂に来たプログラマーの岩田聡、

マリオの生みの親であるクリエイターの宮本茂。

何と言っても任天堂の躍進の原動力となった

遊びの天才、横井軍平の早すぎる死が惜しまれる。

それぞれがゲームへ情熱を傾け、アイデアを

出し合い、協力して仕事を進めていく。

もちろんゲームの開発は困難も数多くあるのだろうが

サービス業ばかり渡り歩いてきた私にとっては

製造業のモノづくりをしている人たちがうらやましい。

そして、この本を読むと任天堂の本質がソフト志向であり

ハードの性能を競うのではなく、ローテクの組み合わせで

どこまでも娯楽を追求していく姿勢が鮮明になる。

それは、どの登場人物にも多かれ少なかれ共通する。

その中で、最もソフト体質で任天堂らしい人物が

外様社長の岩田さんなのだと思う。

岩田さんは初の創業家以外の社長であるだけでなく

2000年に入社し、2002年に社長に就任している。

その岩田さんがやったことは、ごく簡単なことだが

とても普通の社長ではやらないことである。

まず、紹介されているのが「個人面談」である。

従業員3000人以上の会社の社長が、全ての部長、

40人と個人面談を行い、自分が担当する開発部門の

社員、150人とも個人面談を行うという愚直ぶり。

私のいる会社なんて従業員は100人程度なのに

親会社からやって来た社長が個人面談などする

ことは考えもつかないだけでなく、たまにやってくる

メールは、現場のやる気を削ぐものばかり。

まあ、世界の任天堂の社長と比べるのは可哀相だ。

次に岩田さんのやったことは、プレゼンでのデータの

多用という、伝統に「サイエンス」を加えること。

これでもかというくらいグラフや表、数字が出てくる。

私のいる会社なんて毎年適当に作った予算が

2か月後には達成できないから修正するありさまで

社長以下、経営陣の誰ひとり数字が読めない。

まあ、世界の任天堂の社長と比べたら笑われるだけだ。

そして、そんな会社にしがみついている自分は

もっと情けないが、今は修行の身と考え、勉強あるのみ。

この手の本を読むと、今の自分の置かれた状況を

考えずにはいられないが、成功者の考えを学べるのは

本当に有難い限りだ。

また、成功している企業にも様々な敵がいることを

知ることができるのも有難い。

任天堂にとっては、『ソニーやマイクロソフト、あるいは

アップルが敵なのではない。最も恐れるべき敵は、

飽きであることを、岩田は自覚している。自らが生んだ

過去の驚きが、次なる敵となることを』。

どんな優良企業も、どんなダメ企業も数々の敵と戦う

ために日々努力を重ねている。

自分も頑張ろうと思えるようになる1冊である。

【目次】(「BOOK」データベースより)
プロローグ 「100年に1度」に揺らがず/第1章 ゲーム旋風と危機感/第2章 DSとWii誕生秘話/第3章 岩田と宮本、禁欲の経営/第4章 笑顔創造企業の哲学/第5章 ゲーム&ウオッチに宿る原点/第6章 「ソフト体質」で生き残る/第7章 花札屋から世界企業へ/第8章 新たな驚きの種/エピローグ 続く“飽きとの戦い”

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