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2011年5月12日 (木)

北村慶さんの『大人の投資入門』を読んでみた

北村さんの『大人の投資入門』を読んでみた

 (5つが最高)

この本は、公的年金を補完するための私的年金づくりの

ための本である。

つまり、ここで言う私的年金とは、公的年金と必要資金の

差額である「年金ギャップ」を埋めるためのものである。

そのため、まず日本の年金の運用方法について見た後

その運用方法がアメリカの最先端のものに較べて、

債券での運用比率が高いことから、私的年金は債券以外

のものをいかに組み合わせるかということになる。

その際に注意すべき点は、まず「短期の株式投資とは

ギャンブルであり、損をするか得をするかはイーブン・

チャンスの危険なものである」ということから、当然

長期の株式投資を中心にすべきということである。

そして、年金性資金のような長期投資においては、

①「銘柄の選択」や「売買タイミングの選択」がパフォー

マンス(運用成績)に与える影響はわずかであり、

②アセット・アロケーション(資産配分)がパフォーマンス

のほとんどを決めるということである。

また、その際には「ポートフォリオ理論」に従うべきであり、

投資のリスクとリターンを改善するために、相関の少ない

資産間のアセット・アロケーションを追求することが有効

であり、互いに相関のない資産を組み合わせると、

「収益は足し算で増えていくが、ボラティリティは(二乗和

の)平方根でしか増加しない」ため、1つの投資だけでは

実現不可能な「リスクを抑えた負けない投資」が可能と

なるということである。

しかし、ここで大切なことは、この運用をプロに任せると

手数料分だけ市場平均に較べ損をするということである。

では、どのように私たちは運用すればよいのかというと、

それには「私的年金」運用における4つの前提がある。

①運用対象には、価格の透明性と流動性が必須
②「値下がりリスク」は許容可能
③運用成績は、市場の平均で十分
④少額だが継続的な投資が可能

では、ここに不動産投資を加えるかどうかについてである

が、すでに自宅を持っている人は不動産への投資は

まったく不要である。

そして、やるべきことはいたってシンプルで、ただ定めら

れたアセット・アロケーションをきっちりと守った「定時

定額運用」を行い、定められたアセット・アロケーション

に戻すためのりバランスを定期的に行うことだけである。

この「定時定額運用」の優れた点は投資の時間的分散

効果を得ることにある。

この本は、私的年金づくりのためとうたっているが、

確かにタイトルどおりに投資入門にもなっている。

個別銘柄への投資も楽しいが、確実に利益を積み

重ねたい人には、長期のインデックス型投資について

この本で学んでみるのもいいと思う。

【目次】(「BOOK」データベースより)
第1章 あなたは年金をいくらもらえるのか?/第2章 あなたの年金はこうやって運用されている/第3章 世界の年金基金の最先端運用法はこれだ!/第4章 “私的年金ファンド”を作ろう!/第5章 こうやって運用すれば年金不安も怖くない/第6章 明るい未来のために

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