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2011年5月 7日 (土)

三橋貴明さんの『「テレビ政治」の内幕』を読んでみた

三橋貴明/八木秀次さんの『「テレビ政治」の内幕
なぜマスメディアは本当のことを伝えないのか』を読んでみた

 (5つが最高)

この本は、「2ちゃんねる」出身者として初の当選を

目指し、自民党公認を得て2010年夏の参院選選挙に

比例代表から立候補した経験もある三橋さんと、

保守主義の立場から幅広い言論活動を展開している

八木さんが「テレビ政治」について対談したものである。

正しくは、この本の出版後に三橋さんは選挙に出る

わけだが、そこに至る経緯のひとつが民主党への

政権交代であったことは間違いなく、それを演出した

のが、テレビであったという論の展開である。

私としては、知らないことも多かったので、面白く

読めたが、それは民主党についての分析について

であり、自民党についての二人の分析はあまり

納得しなかった。

まず、民主党について、その支持基盤が自治労や

日教組などの官公労組や様々な左翼の市民運動

団体というのは、よく言われることだが、政策を見て

いると納得させられる。

私が最も危惧する点は、外国人参政権問題や

人権擁護法、夫婦別姓、非嫡出子の相続分を

嫡出子と同じにするなど、この国の形を変える

ようなことを民主党主導で行うことである。

民主党の投票した人の多くが、これらの法案に

ついてまで賛成していたとは到底思えない。

しかも、その後の民主党の混乱振りを見れば

三橋さんの言うように、自由民主党の「自由」を

取ってしまったのが民主党という話も笑えない。

それに対して、自民党について、総選挙で負けた

理由を保守主義のイデオロギー政党になったから

国民が愛想を尽かしたというのは間違いだと

八木さんは発言しているが、これこそ間違いだ。

民主党が中道左派の路線を強く打ち出しているので

自民党はその対立軸として保守色を出すべきだという

アドバイスはまったく的外れである。

この点は、三橋さんも同様で、安倍晋三さんなら

そうとう同情と支持が集まったというような発言を

しているが、現在の日本では保守は支持されない。

この二人の対談の意図が「テレビ政治」によって

民主党政権が出来上がってしっまたことへの批判

であるため、ある程度仕方がないが、自民党に関する

世間の評価については、まったく見るべきものがない。

テレビが作ったのか朝日新聞が作ったのかは分から

ないが、現状では国民の多くが中道やや左よりの

考え方を持っていることは明らかだ。

そして、「左より」ということが共産党や社会党を

支持することではないように、「保守」という言葉にも

本来の意味以外の多くの意味がある。

たとえば、最近の若者は保守的であるという言い方が

あるが、これはけっして保守的な政党を支持するという

意味ではない。

簡単に言ってしまえば、「保守」は「右より」であり、

「革新」の敵であり、「改革」を望む国民の興味の外

ということになる。

この点では、民主党はリサーチが優れていた。

「テレビ政治」が民主党政権を生んだとも言えるし、

逆に、「テレビ政治」を民主党が利用したとも言える。

私はこの本を三橋さんの本だから読んだのであるし

三橋さんの考え方には教えられることが多いのも

事実であるが、それでもあえて言うなら、保守では

選挙に受かることは難しいということだ。

それが三橋さんの思想・信条であるなら仕方がないが、

明晰な経済分析を政治の場でも生かしたいということ

なら、保守にはあまりこだわらないほうがいい。

まあ、余計なお世話なんだろうけど。

【目次】(「BOOK」データベースより)
第1章 政権交代に貢献したマスコミの偏向報道(明確になった「日本国民のいちばんの敵」/ネット上の意見は社会を変えられるか ほか)/第2章 問題大臣の化けの皮を剥ぐ(本当に「国民の命令書」なのか/怖いものなしの「政治主導」 ほか)/第3章 「テレビ政治」によって曲げられている真実(自民党幹部の「保守」認識への疑問/タカ派的な議論をすると、テレビが寄ってたかって叩く ほか)/第4章 “見世物”としての「事業仕分け」(新政権発足一〇〇日で何が変わったか/政府が民間のビジネスを削った ほか)/第5章 民主党の暴走、テレビの迷走(多くの企業が資材発注後に工場建設を中止した理由/子供の夢を壊した鳩山政権 ほか)

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