齋藤嘉則さんの『問題解決プロフェッショナル』を読んでみた
齋藤さんの『問題発見プロフェッショナル
「構想力と分析力」』を読んでみた
(5つが最高)
この本は、『問題解決プロフェッショナル』を書いた
齋藤さんが、「なぜそれが問題なのか」、「問題と
思っていることが本当に問題なのか」という根本的
問から「問題」を考えることを前提に、構成している。
そして、その構成は大きく2つに分かれていて、
前半部は大局的に問題全体を構想する「問題発見
構想編」、後半部は発見した問題をさらに深掘りする
ための「問題発見分析編」であり、問題を構造的に
分解するテクニックが紹介されている。
内容としては、まず、問題とは「あるべき姿」と「現状」の
「ギャップ」であると定義し、問題が明確になれば、
解決策の精度は大幅に向上するとしている。
そして、問題発見ができない理由は次の4つだという。
①問題を定義する前提となる「あるべき姿」を、
的確に描けない
②「現状」の認識・分析力が低く、正確な把握が
できていない
③「ギャップ」の構造を解明して、問題の本質を
具体化・優先順位づけすることができない
④実行可能な「解決策」から逆順で短絡的に
問題をとらえるために、拡がりを見失う
ここで齋藤さんは①の説明の中で、「業績低迷の企業が
リストラによって一時的にプラス収益への転換を図った
後は、新たな成長・発展ステージについてビジョンや戦略
を示し、具体的課題に取り組むことが求められる」と
言っているが、実際にはこれではダメなのである。
ここでの順番は、まず「あるべき姿」を的確に描くことで
あり、ビジョンや戦略を示したうえで、それに合わない人
をリストラするということでなければならない。
それ以外のところについては、ほぼそのまま吸収しても
いいくらいに参考になる点が多い。
たとえば、ゼロベースから「あるべき姿」を構想する
戦略的問題発見などは、実践してみたいところである。
そして、その戦略的問題発見に必要なスキルは、
次の4つである。
①観察力:現状を客観的かつ正確に認識・把握する
②判断力:責任当事者として選択・判断・決定する
③分析力:具体的レベルにまで論理的に分析する
④統合力:限られた現状認識から全体像を構想する
全体として、少し古いが日本の事例なので馴染みやすく
様々な分析手法が数多く紹介されていて楽しめる。
齋藤さんの本は、さすがにマッキンゼーで活躍されて
いただけあって理論のまとめ方が上手い。
問題解決のクオリティをさらに1段あげたい
という人には、オススメの1冊である。
【目次】(「BOOK」データベースより)
第1部 問題発見力が問われる(問題発見力が問題解決のクオリティを決定する)/第2部 問題発見構想編(戦略的問題発見の構想力を高める)/第3部 問題発見分析編(仮説思考と分析力は車の両輪/「拡がり」の中からギャップを生む重要原因を見出す/「深さ」をとらえ、問題を構造的に把握し、具体化する/「重み」づけを行い、取り組むべき問題の優先順位をつける)
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