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2011年6月27日 (月)

ハロルド・ジェニーンさんの『プロフェッショナルマネジャー』を読んでみた

ハロルド・ジェニーン/アルヴィン・モスコーさんの
『プロフェッショナルマネジャー
58四半期連続増益の男』を読んでみた

 (5つが最高)

この本は、ユニクロの柳井正さんが経営の教科書として

推薦している本である。

柳井さんがジェニーンさんをお手本としているのは

失敗を恐れてはいけないと、次の言葉を引いている

ことからも分かるとおり、とにかくやるという姿勢が

共通していることから来るものであろう。

「過失は恥でも不面目でもない。ビジネスにつきものの
一面であり、重要なのは自己の過失に立ち向かい、
それらを吟味し、それから学び、自己のなすべきことを
することだ。唯一の本当の間違いは、間違いを犯すこと
を恐れることである」

とにかく、経営者はとにかく経営をしなければならず、

24時間365日働けという発想である。

また、ビジネスの世界では、だれもが二通りの通貨、

金銭と経験という通貨で報酬を支払われるが、

金は後回しにして、まず経験を取れなどという発想も

日本人に受け入れられやすく、柳井さん好みの感じが

たっぷりである。

ジェニーンさんの主張の中心は3行の経営論として

第2章の冒頭で示されている。

「本を読む時は、初めから終わりへと読む。
ビジネスの経営はそれとは逆だ。
終わりから始めて、そこへ到達するために
できる限りのことをするのだ」

ジェニーンさんはITTで、どんな状況でも収益を年に

10~15%増やすことを到達すべき目標とし、実現した。

そのためにやったことを要約すると次のとおり。

①締りのない持ち株会社を管理の行き届いた
 企業体へ組織し直す
②本社の経営陣をオーバーホールする
③優秀なマネジャーとスタッフを集める

この際の「優秀」とは、単に有能なだけでなく、

早いペースと長時間仕事に縛られることをものとも

しない内的なエネルギーと革新的な思考を持って

いることである。

なんとも厳しい条件である。

けれど、私はこの発想は危険であると感じる。

マネジャーは、「必要なら私は会社で徹夜でもしよう。
しかし、この問題は必ず解決してみせるぞ」という
態度でいなくてはならない。

重要なのは会社で徹夜することではなくて、問題を
解決することだ。経営において重要なのは結果である。

これを文字通り受け止めてくれるならば、何も問題は

ないが、えてして経営者は徹夜が目的になってしまう。

到底解決できない問題などでは、とりあえず徹夜する

ことだけが求められることになる。

ユニクロがそのような組織になってしまっていないことを

ただ祈るのみである。

最後に付録として付けられている柳井さんの

「創意」と「結果」の7つの法則を要約しておく。

①経営は、まず目標を設定し「逆算」せよ
②部下の報告から「本当の事実」を見分けろ
③リーダーは、現場と「緊張感ある対等関係」をつくれ
④ロジカルシンキングの限界を知れ
⑤部下の中に「オレオレ社員」の台頭を許すな
⑥データの背後にあるものを読み解け
⑦跡継ぎ育成法は、「社員FC 制度」が究極の形だ

柳井さんの考え方を知りたくて読んだので、

目的が達せられたということでは納得の1冊。

【目次】(「BOOK」データベースより)
「これが私の最高の教科書」(柳井正)/経営に関するセオリーG/経営の秘訣/経験と金銭的報酬/二つの組織/経営者の条件/リーダーシップ/エグゼクティブの机/最悪の病-エゴチスム/数字が意味するもの/買収と成長/企業家精神/取締役会/気になること-結びとして/やろう!

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