藤井孝一さんの『なぜあの人は会社を辞めても食べていけるのか?』を読んでみた
藤井さんの『なぜあの人は会社を辞めても
食べていけるのか?』を読んでみた
(5つが最高)
この本は、『週末起業』の著書で有名な藤井さんが
起業家の経営コンサルタントとしての経験から得た
「実戦的ノウハウ」を会社にいても、飛び出しても、
うまくいく人の考え方として解説している。
まず、必要なのは「稼ぎ力」「人間力」「お金力」
「時間力」「継続力」の5つの力を身に付けること。
最近では会社の理不尽なリストラにより、仕事が
できない人だけではなく、様々な人がクビにされて
しまうことがあるので、独立して成功した人の話も
耳にするようになってきたとは言え、やはり会社に
依存しているほとんどのサラリーマンにとっては
「なぜあの人は会社を辞めても食べていけるのか」
というのはとても興味のある話題ではある。
そういう意味では、とてもいいテーマの本である。
しかし、書かれている内容が興味深く的確である
にもかかわらず、物足りなさを感じたのはなぜか。
それは、この本だけでは、もし自分がリストラされて
起業する以外になくなったときに、その将来への
不安を一掃することが出来ないように思うからだ。
では、何が足りないのかと言えば、簡単である。
「会社を辞めて食べていけなかったらどうするのか」
という、最大の不安への答えがないのである。
もちろん、この本は、成功している人による
成功のための本なのだから、失敗した後のことなど
書かれていなくとも当然である。
むしろ、失敗することがないように5つの力を身に
付けることで、何も知らずに起業した人が踏んで
しまいがちな地雷を避けて通れるようにしてくれて
いるのだから、失敗した後などということには
触れられていないほうがいいに決まっている。
そして、今後は会社を辞めたら食べていけない人は
会社にも居場所がなくなっていくと考えるべきなのだ。
そうであれば、この本に書かれていることを
少しでも早く身に付けることが重要だということである。
その際に、起業マインドを求めて転職を繰り返して
いくうちに、給料だけが低くなっていくというのが
現実だというアドバイスは貴重である。
さらに、この本にはもう1つの楽しみ方がある。
それは成功している起業家がどのようにして、
スティーブン・R・コヴィーの『7つの習慣』を
消化しているかということが分かるということである。
勝間和代さんが『7つの習慣』を推薦していて
同じように、その影響の受け方を見て取れるが
勝間さんの場合、他からの影響も強いので
藤井さんのこの本のほうが面白いと思う。
本から学ぶということが成功への近道ということは
成功した人によく当てはまるものだ。
サラリーマンであっても稼げる人を目指したい人は
ぜひ1度読んでみると参考になるはずである。
【目次】(「BOOK」データベースより)
第1章 食べていくための考え方ー稼ぎ力(稼ぐ力とは?/稼ぐために必要なこと ほか)/第2章 人間力を育むー人間力(稼ぐ力は人間力/人間力は会社の組織から学ぶ ほか)/第3章 お金力を鍛え直せーお金力(儲けのツボを知らないと失敗する/ビジネスの成功要因(Key Factor of Success)を探せ ほか)/第4章 最強・最重要の経営資源は時間ー時間力(人生の完成図を持つ/完成図に到達するための段取りを考える ほか)/第5章 はじめる力・続ける力ー継続力(ドラマで見かける起業家は大失敗の典型例?/「稼ぎは給料だけでない」この簡単な事実を受け止めよう! ほか)
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