フィリップ・コトラーさんの『コトラーのマーケティング思考法』を読んでみた
フィリップ・コトラーさんの『市場戦略論』を読んでみた
(5つが最高)
この本は、マーケティングの世界的な権威である
フィリップ・コトラーさんの『Harvard Business
Review』誌掲載の論文を収録したものである。
そのため、基本的事項に触れた点は少なく、
これからマーケティングを勉強していこうという
人には、まだ早いという印象を受ける。
たとえば、第2章以下、「撤退のマーケティング戦略」
第3章「デ・マーケティング戦略」、第4章「市場シェア
のマネジメント」、第5章「メガ・マーケティング」などは
それぞれ「撤退時」や「脱マーケティング」、市場シェア
を取り過ぎて非難を浴びないためのマーケティング、
政治力を必要とするようなグローバルな巨大市場に
おけるマーケティングなど、これから市場シェアを
獲得していこうという多くの企業が参考にできるもの
ではない。
そのため、教科書的な本を読んでからであれば
面白いだろうが、タイトルのみに惹かれて手にすると
やや期待はずれの感を抱く人が多いかもしれない。
ただ、第1章と巻末の特別インタビューは、面白い。
特に、マーケティングの効果を上げるのは単純では
ないと認めた後で、効果を上げるには次のような
作用によるところが大きいという指摘は興味深い。
1.顧客主義
顧客ニーズとウオンツを認識しているか
2.統合されたマーケティング組織
分析、計画立案、実行とコントロールが
可能な人員配置になっているか
3.適切なマーケティング情報
必要な質の良い情報を得ているか
4.戦略志向
長期的な成長と収益性を考えて、
革新的な戦略、計画を立てているか
5.効率のよいオペレーション
経済効率を考えて実行し、
問題に対応すべく常時モニターしているか
マーケティングの奥深さ、幅の広さを感じるには
とても良い1冊ではある。
【目次】(「BOOK」データベースより)
第1章 マーケティング思考と販売思考/第2章 撤退のマーケティング戦略/第3章 デ・マーケティング戦略/第4章 市場シェアのマネジメント/第5章 メガ・マーケティング/第6章 顧客志向はクロス・ファンクショナルを求める/第7章 マーケティング・サイエンスの原点/第8章 芸術とビジネスのコラボレーション/補遺 特別インタビュー マーケティング・マインドの追究
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