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2011年12月30日 (金)

ロバート・キヨサキさんの『あなたに金持ちになってほしい』を読んでみた

  • ドナルド・J・トランプ/ロバート・T・キヨサキさんの
    『あなたに金持ちになってほしい』を読んでみた
  •  (5つが最高)

    この本は、『金持ち父さん貧乏父さん』シリーズで有名な

    ロバート・キヨサキさんと、不動産王のドナルド・トランプ

    さんのお金持ちになるためのアドバイス集である。

    まず、必要なことは「勝つために投資する」こと。

    これは「負けないように投資する」こととは違う。

    では、具体的にはどういうことかというと、「一生懸命に

    働こう」というアドバイスに対し、自分自身が一生懸命に

    働いていたのではお金持ちにはなれないということだ。

    それではレバレッジが生まれないので、お金自身や

    他人に働いてもらわなければならないということになる。

    また、ここで言うレバレッジとは、借金のことでもあるが

    最も重要なものは、自分の頭脳である。

    この頭脳を上手く使えなければお金持ちにはなれない。

    そこで、誰でも今すぐにできることは、ファイナンシャル・

    リテラシーをきちんと身に付けるということだ。

    そのうえで、創造力があなたを金持ちにしてくれる。

    トランプ流に言えば、「でっかく考えろ、拡大を考えろ」

    ということになる。

    『ただでっかく考えるだけでなく、拡大を念頭において
    発展的に考えてみよう。起業家が発展的に考えると
    いう場合、そこには、何が可能かを見て、それを実現
    することが含まれる。起業家は将来を見通し、それを
    直感的な判断とか、当然の成り行きと呼ぶ。一方、
    世の中の残りの人はそれを革新(イノベーション)と
    呼ぶ』

    『革新が、実は常識的な考え方と非常識的な考え方
    とが合体して生まれたものだという場合はよくある。
    その結果生まれたものは、確かに独創的ではあるが、
    「革新的な組み合わせ」以外の何ものでもない』

    2人とも不動産投資で財を成したため、不動産投資を

    勧めている箇所も出てくるが、基本的には頭を使えと

    いうことだ。

    他人を使うか、お金を使うかしてレバレッジを効かせる

    ためには、とにかく前提として頭の使い方を考えなけれ

    ばならない。

    2人を批判することは簡単であるが、2人のような金持ち

    になることは難しい。

    このことが物語っている意味を、実はほとんどの人が

    理解していると思う。

    2人からの最後のメッセージは、「あなたの人生を

    変えられるのは、あなた以外にはいない」である。

    久しぶりのキヨサキさんの本だったが、面白かった。

    【目次】(「BOOK」データベースより)
    第1部 ドナルド・トランプとロバート・キヨサキがこの本を書いた理由(ミリオネア、ビリオネアに会う/私たちが心配していること ほか)/第2部 三種類の投資家(勝つために投資する/戦いの種類と場所を選ぶ ほか)/第3部 人生を左右する決定的瞬間(父親から何を学んだか?/母親から何を学んだか? ほか)/第4部 あなたがもし私の立場だったら?(まだ学生ですが、何をしたらいいですか?/大人でもあまりお金がない場合はどうしたらいいですか? ほか)/第5部 最初の一歩を踏み出そう(なぜ不動産に投資するのか?/なぜネットワークビジネスを勧めるのか? ほか)

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    2011年12月27日 (火)

    山田昌弘さんの『結婚の社会学』を読んでみた

    山田さんの『結婚の社会学
    未婚化・晩婚化はつづくのか』を読んでみた

     (5つが最高)

    この本は、1996年8月に発行されたものである。

    もちろん古くなっていることは確かである。

    けれども、問題意識を持っている人には、読んで

    損のない内容である。

    冒頭に「結婚しない『いい女』の四条件」が出てくる。

    ①専門職
     キャリアを積まなければならない専門職には
     家事負担を背負うことは不利である
    ②自宅――母は専業主婦
     家事を母親にやらせている独身女性は
     この「天国」の地位をなかなか手放さない
    ③男女交際に寛容な親
     結婚によって行動の自由を手に入れたい
     という動機がない
    ④恋人がいる、もしくはいつでもできると思っている
     「結婚なんていつでもできる」「もっといい人が
     現れるかも知れない」という意識が働いて
     結婚が遠のく

    著者も、これら全てがそろっている人はめったに

    いないかもしれないとしつつも、これらの条件を

    備えている人を「恵まれた」シングルとしている。

    では、2011年現在、これらの条件は変わったと

    言えるだろうか。

    個人的には①と③は、あまり関係がなくなった

    ような気がする。

    そして、結婚難の誤りと思われる俗説について。

    ①男余り説のウソ
     女性も結婚していないのだから誤りだと
     すぐに分かるが、なんと中年男性は若い
     女性と結婚するので、若い男性は余って
     いると、信じられない分析結果も。
    ②「結婚したくない人が増えた」説のウソ
     30歳以上の結婚願望はむしろ上昇しており
     結婚したくてもできずに30を越してしまった
     女性が多いとの結論。
    ③男女交際が下手になったのウソ
     実際には男女交際の機会が増え、
     テクニックが上手くなるがゆえに
     結婚できなくなっているらしい。
    ④わがままな若者が増えた説のウソ
     女性の社会進出が増え、自活できるように
     なったとはいえ、働く女性の結婚願望は
     低くないらしい。
     「女性の高望み」や「弱くなった男」は
     「昔はよかった」式のノスタルジーに
     すぎないとしている。
    ⑤時代に遅れた男性説のウソ
     これに対しては、家事分担に関する意識は
     保守的で男女のギャップはあまりないとしている。

    では、結婚難の本当の理由は何か。

    ①経済の低成長を直接の原因とする「女子上昇婚」
     の機会の減少
    ②男女交際の活発化を直接の原因とする
     「恋愛結婚システム」の変化

    簡単に要約してしまうと、①は高度経済成長下では

    自分の父親より経済的に裕福になる可能性のある

    男を捕まえられたが、低成長になりそのような機会が

    減ったということであり、②は男女交際が活発化した

    がゆえに、恋愛と結婚が分離し、もっといい人がいる

    かもしれないという幻想が拡がったということである。

    このことは、私の周りを見るかぎり現在でもあまり

    変化が見られない。

    だとすると今後も日本では未婚化・晩婚化が着実に

    進行していくだろう。

    結婚が男性にとってはイベント、女性にとっては生まれ

    変わりと表現されてもいるが、そうであるならなおさら

    今後の日本での結婚は難しくなるだろう。

    未婚化・晩婚化を考えるとき、いまだなおこの本は

    多くの材料を提供してくれると思う。

    【目次】(「BOOK」データベースより)
    1章 結婚論の現在/2章 結婚難の虚実/3章 結婚意識の男女差-生まれ変わりとしての結婚/4章 低成長期の結婚難-国際結婚という帰結/5章 恋愛の変化と結婚難/6章 もっといい人がいるかもしれないシンドローム/7章 結婚のゆくえ

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    2011年12月25日 (日)

    竹内一正さんの『ハングリーであれ、愚かであれ。』を読んでみた

    竹内さんの『ハングリーであれ、愚かであれ。
    スティーブ・ジョブズ最強脳は不合理に働く』を読んでみた

     (5つが最高)

    この本は、スティーブ・ジョブズの言動に対する著者の

    分析と脳科学を絡めた本になっている。

    読み物としては確かに面白いが、脳科学やその他の

    事象との比較などは、特に必要ないように思う。

    著者の『スティーブ・ジョブズ神の交渉力』を読んだ

    者としては、正直なところジョブズのエピソードの

    取り上げ方に少し物足りなさを感じてしまう。

    ジョブズが亡くなってしまった今となっては、数多くの

    追悼本が出版されており、それらとの違いを出す

    意味もあったのだろうが、あまり上手くいっているとは

    思えない。

    そもそも天才というのは、われわれ凡人の延長線上

    にはいないのであって、凡人から見れば天才の行動

    など、どれも不合理に見えるものである。

    それは脳のなせる業というより、社会的なものである。

    社会が受け入れられる事象であれば、天才と賞賛され

    るし、受け入れられない事象であれば、排除されるだけ

    のことである。

    著者としては、単なるエピソードのまとめ本になるのを

    避けるために、脳科学の話を絡めようとしたのかもしれ

    ないが、脳科学の権威というわけでもない著者では

    荷が重すぎた気がするのは私だけではないだろう。

    著者には著者にしかできない、アップルにいた経験を

    生かしたジョブズ本が書けるのであるから、それを

    そのままの形で提供してもらいたかった。

    【目次】(「BOOK」データベースより)
    1 金欲/2 浮上/3 失墜/4 復活/5 創造/6 変化/7 突破

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    2011年12月19日 (月)

    小宮一慶さんの『ひらめき力速習教室』を読んでみた

    小宮さんの『ひらめき力速習教室
    頭の引き出し整理術』を読んでみた

     (5つが最高)

    この本は、小宮さんが考える「ひらめき力」をつける

    方法について、その基礎を教えてくれている。

    『ひらめきは生まれつきの才能でしょうか。あるいは、
    たまたま幸運の女神が微笑むような偶然の産物で
    しょうか。
    いいえ、ひらめきはそのどちらでもありません。
    ひらめきとは、経験と知識、そして論理的思考力に
    よって生み出されるものです。
    自ら課題を設ける力、その問題を解決するための
    思考力、知識と経験の蓄積、そして何より自分自身
    の専門に対する確固たる自信。それらが下地に
    あって、さらに、体調が良好でリラックスした状態
    などがあって、初めてひらめきが生まれるのです』

    小宮さんは「ひらめき」は準備から始まると考え、

    情報入手の方法や頭の整理術など、これまでも

    小宮さんが公開してきた仕事術をまとめている。

    ただ、最近は出版のペースが早すぎる気がする。

    決して内容は悪くはないし、とても読みやすく、

    分かりやすく書かれているとは思う。

    しかし、最近は本を何冊出版するかという目標の

    ために書いているような気がして、内容が重複して

    しまっている。

    この本の中でも、新幹線の中で原稿を書く話が出て

    くるが、本当に手馴れた報告書を書く感じで、

    何枚書けるというような言い方には疑問を感じない

    わけにはいかなかった。

    あえて言えば、この本は、特に小宮さんの本を

    あまり読んだことのない人に、これまでの仕事術の

    まとめ的な本としてオススメの内容だとは思う。

    【目次】(「BOOK」データベースより)
    1 ひらめくための生活習慣術(無駄なことに脳のCPUを使わない/ベストの時間帯を知ってそこでCPUをフル回転させる ほか)/2 ひらめくための情報収集術(インプット)(インプットなしのアウトプットはあり得ない/デスクをどのように整理整頓するか ほか)/3 ひらめくための論理的思考術(すべての勉強の基礎力は、論理的思考力/優れた理解力をもつ人こそ、本当に頭の良い人 ほか)/4 ひらめくための仕事術(アウトプット)(社長のひらめきには気をつけろ/「ひらめき」を仕事に活かせる人 ほか)/5 ひらめくためのオフ活用術(物見遊山に出かけよう/想像力では補えない本物を体験する ほか)

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    2011年12月17日 (土)

    桑原晃弥(クワバラテルヤ)さんの『スティーブ・ジョブズ 神の遺言』を読んでみた

    桑原さんの『スティーブ・ジョブズ 神の遺言』を読んでみた

     (5つが最高)

    この本は、スティーブ・ジョブズが亡くなる直前に刊行

    されたものであるが、そのタイトルは『神の遺書』。

    これまで、ジョブズ関連の本を何冊か読んできたので、

    すでに知っているエピソードもあったが、ジョブズの

    人生に重ね合わせて、そのときどきの発言を味わう

    ということなら、この本がコンパクトでまとまっている。

    ジョブズの考え方に惚れてiPhoneまで買ってしまった

    私であるが、さらにジョブズのことが好きになった。

    特に、ドラッカーの解説本を同時期に読んでいたため

    マネジメントで重要なことが「マーケティング」と

    「イノベーション」ということを知るとなおさら、

    ジョブズの「マーケティング」と「イノベーション」の

    能力の凄さにおそれいってしまう。

    たとえば、ジョブズのマーケティングは、徹底して

    自己の分析からスタートして、ほぼそれに尽きる。

    いわゆる市場調査などは、改良品を出すときのもの

    であって、アップルが目指す今までにない商品には

    不必要だという考え方だ。

    そして、イノベーションへのジョブズらしいこだわりも

    半端なものではない。

    少しくらいの改良で歴史に奉仕するようなことでは

    まったくジョブズは納得しない。

    ユーザーの生活を大きく変えるような本当の意味での

    技術革新こそ、ジョブズが求めているものだ。

    『私たちは自己イノベーションによって不況から脱する』

    このジョブズの言葉ほど、現在の日本に必要な言葉は

    ないのではないだろうか。

    また、仕事への取り組み方もすさまじいが、その根底に

    ある考え方は、次のようなものだ。

    『相手を負かすのではない。勝つためには自分がいい
    仕事をしなければならない』

    ジョブズにとっては、ライバルとの比較が問題なのでは

    ないということだ。

    それは、たとえ相手がマイクロソフトであったとしても。

    本当にジョブズの早すぎる死が残念でならない。

    【目次】(「BOOK」データベースより)
    1章 仏教には初心という教えがあるー人生の展開/2章 今日は素敵なことができたと思いながら眠れー人生の充実/3章 毎日18時間働いた。それを楽しんでいたー人生と闘志/4章 目標は金持ちになることではなかったー人生と誇り/5章 最初の電話のような可能性をつくるー人生と創造/6章 探し続けろ。妥協はだめだー人生と確信

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    2011年12月12日 (月)

    小島寛之さんの『サイバー経済学』を読んでみた

    小島さんの『サイバー経済学』を読んでみた

     (5つが最高)

    この本は、数学エッセイストとしても活躍している

    経済学者の小島さんが、数式なしで金融工学や

    ベイズ推定といった確率論などの新しい経済学

    について解説した入門書である。

    2001年の出版ということもあり、経済的な時代

    背景は少し古いものとなってしまったが、解説され

    ている内容に興味がある人にとっては、それほど

    気にならないだろう。

    ただ、今回私が注目したのは理論的な部分よりも

    次の「確率的な詐欺」という記述である。

    たとえば、「株で大儲けした」などという体験談が

    ベストセラーになるのがいい例だとし、そこには

    典型的な詐術の構造があるという。

    『確かに、賭けで大儲けをすることは確率的に
    非常に小さい。だから、そういう人が出ると、
    そこには何か特殊な秘密のノウハウがあるか
    のように人は漠然と思うものであろう。
     しかし、「大数の法則」を考えれば、「ノウハウ」
    などではないのだと、すぐ見破ることができる。
     どんなに小さな確立で起こることでも、たくさん
    のデータがあれば、それはその確立の表す平均
    値の分だけ起きている。たとえば、コインを10枚
    投げてすべてが表となる確率はおよそ1000分
    の1である。こんなことはちょっとやそっとでは
    起きそうにない。起きた本人には奇跡に見える
    だろう。けれど、もしも1万人の人がコイン投げに
    参加していれば、期待値として平均10人にその
    ことが起こりうる、と予言できる。大数の法則に
    よれば、予言の平均的な誤差は3人程度である。
    つまり、1万人の参加者のもとでは、「奇跡」の
    起きている人は「ほとんど必ず存在する」といって
    よいのである。このような「奇跡」を筆者は「統計
    的存在」と呼んでいる。
     けれども、こういう一人の「統計的存在」を
    メディアを使ってキャンペーンすれば、その効果
    は絶大なものになる。メディアというのは、膨大に
    して雑多な人々にいっぺんに同じ風景を見せる。
    それは統計的な感覚を抹消してしまう効果を
    持っているのである。』

    この記述からも分かるとおり、私たちが確率論

    について知っておくべきことは、それを使って

    お金儲けができるということではなく、それを

    悪用する者に騙されないようにしなければなら

    ないということだ。

    また、最終章のケインズに関する記述は小島さんの

    思い入れたっぷりの内容となっている。

    【目次】(「BOOK」データベースより)
    序章 市場に棲む魔物/第1章 サイバー経済/第2章 IT時代のベイズテクノロジー/第3章 金融工学とリスクの売買/第4章 投機社会の危険性/第5章 個人が合理的でも社会は調和しない/第6章 バブルに踊るのは愚かな人々か/第7章 市場にかける魔法

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    2011年12月 4日 (日)

    リンクアップの『今すぐ使えるかんたんTwitterツイッター入門』を読んでみた

    リンクアップの『今すぐ使えるかんたんTwitterツイッター入門』を読んでみた

     (5つが最高)

    この本は、大きめのサイズで操作が一段階ずつ図解で

    わかりやすく解説してあります。

    そのため、初心者でも本書を見ながらツイッターの

    いろいろな機能を簡単に試してみることができるように

    なっています。

    今回、私も「ある人」のツイッターでのつぶやきを

    見ていて、どうしてもツイッターがやってみたくなった

    ので、いろいろと操作をしながら読んでいったが、

    とても参考になった。

    ただ、ツイッターのようなネット上のサービスは改良が

    早く、2011年3月の初版ということだが、もうすでに

    変更が生じている部分がある。

    けれど、特に不都合な点はないので、基本的な操作を

    一通りマスターしたい人であれば、コレ1冊で十分。

    ツイッターの入門書としてはオススメです。

    【目次】(「BOOK」データベースより)
    序章 8人に聞きましたTwitterどうやって使ってる?/第1章 8つの質問でTwitterを知ろう/第2章 Twitterを使ってみよう/第3章 Twitterをもっと楽しもう!/第4章 関連サービスでTwitterのディープな世界へ/第5章 Twitterをもっと便利に使いこなす13の技/付録 Twitterお役立ち情報

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    2011年12月 3日 (土)

    大塚英樹さんの『柳井正未来の歩き方』を読んでみた

    大塚さんの『柳井正未来の歩き方』を読んでみた

     (5つが最高)

    この本は、大塚さんがユニクロの柳井さんにインタビュー

    したものを中心に構成されていて読みやすい。

    一勝九敗』や『成功は一日で捨て去れ』を読んできた者

    には新しいことは少ないかもしれないが、エッセンスが

    凝縮されているということでは、やはり良書である。

    それにインタビューに答える形の柳井さんの発言は

    やはり言葉に想いが込められていて説得力がある。

    明らかな勝ち組の強気の発言として敬遠されることも

    多い柳井さんではあるが、いっていることは凄くまともな

    ことばかりである。

    ただ、それが一部の人にはかえって気に障るのでも

    あると思うが、有限実行の経営者には、そんなことを

    気にせず、これからも発言してもらいたい。

    柳井さんほど自信を持って発言できる経営者が

    日本にどれほどいるのかわからないが、たとえば

    次のようなユニクロ型デフレ論への反論などは

    本当に気持ちがいいくらいである。

    『安いだけの商品は、もう売れないですよ。
    われわれが「九九〇円ジーンズ」を売り出したのは、
    「付加価値のある商品を低価格で提供します」という
    宣伝効果を狙って、ということもありました。
    最初にやればニュース性がある。でも、二番煎じ
    では意味がない。そういうことは、お客様の方が
    見抜いていると思いますけどね。』

    もっとこういう経営者が出てきてくれると、日本も違って

    くるのだろうけど、柳井さんに言わせれば、そんな誰かが

    やってくれると期待していないで、自分でやりなよという

    ことかもしれないが、、、

    経営者などではなく、自分の持ち場で頑張っている

    多くの人たちにとっても、やる気が出る1冊だと思う。

    【目次】(「BOOK」データベースより)
    第1章 ユニクロはどこへ行く?(「ユニクロ型デフレ」は本当か?/景気は業績悪化の理由にならない ほか)/第2章 経営とは「矛盾」を解決すること(儲けて、会社を潰さないことが最大の使命/「ただのカネ儲け」では通用しない ほか)/第3章 「自己否定」できる人材だけが生き残る(「偉いさんタイプ」が会社をダメにする/不振事業の根本はすべて同じ ほか)/第4章 青年・柳井正も「落ちこぼれ」だった(「日本一の大富豪」の意外な素顔/大きかった父親の存在 ほか)/第5章 ユニクロの未来、日本の可能性(「経済敗戦」を認めるしかない/国からカネを施されるようになったら終わり ほか)

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